本質を考えない管理職が部下を潰す

組織の成長を左右する最大の要因は何でしょうか。

商品力だろうか。

営業力だろうか。

資金力だろうか。

もちろんそれらも重要です。

しかし、多くの企業を見ていると、組織の成長を決定づける要因の一つは間違いなく「管理職の質」です。

そして、部下を成長させる管理職と、部下を潰してしまう管理職の違いは、本質を考える習慣があるかどうかにあります。

本質を考えない管理職は、目の前の現象だけで判断します。

売上が下がった。だからもっと訪問件数を増やせと言う。

案件が増えない。だからもっと電話をかけろと言う。

部下の元気がない。だから気合を入れろと言う。

一見すると指導しているように見えます。しかし、その多くは問題の表面を叩いているだけです。

なぜ売上が下がったのか。

なぜ案件が増えないのか。

なぜ部下のモチベーションが下がっているのか。

その原因を考えない限り、本当の改善は出来ません。

例えば営業担当者の成績が低迷していたとします。本質を考えない管理職は、「行動量が足りない」という結論をすぐに出します。しかし実際には、顧客分析ができていないのかもしれない。提案力が不足しているのかもしれない。競合との差別化ができていないのかもしれない。ターゲット選定が間違っているのかもしれない。原因によって打つべき対策は全く異なります。それにもかかわらず、一律に行動量だけを求めます。すると部下は疲弊してしまいます。努力しているのに成果が出ない。成果が出ないのにさらに努力を求められる。やがて自信を失う。そして成長が止まる。これが部下を潰す典型的なパターンです。

また、本質を考えない管理職は評価にも問題を起こします。結果だけを見る。数字だけを見る。失敗だけを見る。しかし、その背景にある努力や成長、挑戦は見ようとしない。

すると部下は学習します。「考えるより上司の顔色を見た方が得だ」「挑戦するより失敗しない方が安全だ」「本音を言わない方が評価される」こうして主体性は失われます。創意工夫も失われます。組織から挑戦する文化が消えていくことになります。

さらに、本質を考えない管理職は部下育成を誤解しやすいです。育成とは知識を教えることだと思っています。しかし本来の育成とは、自分で考えられる人材を育てることです。答えを与え続けることではない。考える力を育てることなのです。

ところが本質を理解していない管理職は、「こうやれ」「前例通りやれ」「余計なことを考えるな」という指示型のマネジメントに陥ります。短期的には管理しやすいですが、長期的には自立した人材が育ちません。

結果として管理職自身がいつまでも現場対応に追われることになります。

そして最も深刻なのは、管理職自身が問題の原因になることです。部下が辞める。成果が出ない。組織の雰囲気が悪い。その原因を部下や環境のせいにする。

しかし本質的には、自分のマネジメントに課題がある可能性を考えません。だから改善しない。改善しないから同じ問題が繰り返されることとなります。優秀な管理職は逆です。

問題が起きた時にまず考える。「本当の原因は何だろう」「自分に改善できることはないか」「なぜこの現象が起きているのか」と問い続けるのです。だから表面的な対策に走らない。原因に向き合う。人に向き合う。組織に向き合う。結果として部下は安心して挑戦できるのです。失敗から学べる。成長できる。管理職の仕事は部下を管理することではありません。部下が成果を出せる環境をつくることです。そのためには現象ではなく本質を見る力が必要です。数字の裏を見る。言葉の裏を見る。行動の裏を見る。そして原因を探る。

本質を考えない管理職は、知らず知らずのうちに部下の可能性を奪うことになります。

本質を考える管理職は、部下の可能性を引き出せます。その違いが、数年後には組織の実力として大きな差となって現れるのです。

Young woman giving an OK hand sign indoors

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