営業の時間管理1

営業には、すべての人に平等に与えられている資源があります。それが「時間」です。

売上の高い営業担当者だけ1日が30時間あるわけではありません。誰もが1日24時間という同じ条件で仕事をしています。それでも成果に大きな差が生まれるのは、能力や経験だけでなく、「何に時間を使っているか」が違うからです。

営業の時間管理というと、予定表をきれいに作ることや、仕事を効率よく処理することだと思われがちです。しかし、本当に重要なのは「限られた時間を、成果につながる活動へどれだけ配分できているか」という視点です。

たとえば、ある営業担当者が一日中忙しく働いていたとします。メールへの返信、社内資料の作成、会議への参加、問い合わせ対応、報告書の作成など、朝から夕方まで休む暇もありません。

本人には「今日もよく働いた」という実感があります。しかし、その一日の中で顧客との商談、見込み客へのアプローチ、提案準備、既存顧客への深耕活動など、将来の売上につながる仕事にどれだけ時間を使えたでしょうか。

ここに営業の時間管理の本質があります。「忙しいこと」と「成果につながる仕事をしていること」は、必ずしも同じではありません。

営業活動には、大きく分けて「成果を生み出す時間」と「成果を支える時間」があります。

顧客との商談、新規顧客へのアプローチ、ヒアリング、提案、クロージング、既存顧客への追加提案などは、成果を直接生み出す時間です。一方、資料作成、社内会議、報告、メール処理、移動などは、それを支えるための時間です。

もちろん、後者も必要です。しかし、成果を支える仕事ばかりが増えて、成果を生み出す時間が減ってしまえば、営業成績は伸びにくくなります。

そこで重要になるのが、「時間を予定ではなく投資として考える」という発想です。営業担当者は毎朝、「今日は何をしなければならないか」だけを考えるのではなく、「今日の8時間を、どこに投資すれば最も大きな成果につながるか」と考える必要があります。この考え方を身につけると、時間の使い方が変わります。

重要顧客への提案準備に1時間使うのか、重要度の低い資料の体裁修正に1時間使うのか。同じ1時間でも、その営業成果への影響は大きく異なります。一流の営業担当者は、単に仕事が速い人ではありません。「価値の高い仕事に、優先的に時間を使える人」です。

営業における時間管理とは、時計を管理することではありません。自分の行動を選択し、限られた時間を成果につながる活動へ意図的に配分することなのです。

一日の終わりに「今日は忙しかった」と振り返るのではなく、「今日、未来の売上をつくるために何時間使っただろうか」と問いかけてみてください。この問いを毎日持つだけでも、営業の時間の使い方は大きく変わっていきます。

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