変化できない営業は、何を意識すべきか(第5回)

「知らない」「できない」を認める

 ~学べる営業だけが変化できる~ Measure(測定する)

営業経験が長くなるほど、「知らない」と言うことが難しくなる場合があります。新人なら「分かりません」と言えます。しかし、10年、20年と営業経験を積み、部下まで持つようになると、「今さら知らないとは言えない」という心理が働きます。ところが、このプライドが変化を妨げることがあります。

 「知らない」と言えることは弱さではない

営業を取り巻く知識領域は非常に広くなっています。顧客業界、財務、マーケティング、データ分析、AI、CRM、デジタルツール、法務、物流など、営業が知っておいたほうがよい分野はいくらでもあります。これらをすべて知っている人はいません。だからこそ重要なのは、知らないことそのものではなく、知らないことを放置しないことです。

 「できない」を認めれば改善できる

例えば、「私はヒアリングが苦手だ」と認識できれば改善できます。しかし、「顧客があまり話してくれない」と顧客側の問題にしてしまえば、自分の質問方法を改善する機会を失います。「プレゼンが苦手だ」と認識できれば練習できます。しかし、「うちの商品には特徴がない」と商品の問題だけにすれば、提案方法は変わりません。つまり、自分の課題を認めることが、改善のスタート地点なのです。

 知識より重要なのは学習能力

変化の少ない環境では、豊富な経験を持つことが大きな武器になります。しかし変化が激しくなるほど、「何を知っているか」だけではなく、「新しいことをどれだけ早く学び、自分の営業に取り込めるか」が重要になります。知識には陳腐化があります。しかし学習する力は、新しい知識を何度でも取り込むことができます。

 ベテラン営業ほど「初心者になれる力」が必要 長年の経験を持つ営業に必要なのは、経験を捨てることではありません。新しい領域に対して、「これは知らないから教えてほしい」「一度やってみよう」「若手のほうが詳しいなら聞いてみよう」と思える柔軟性です。本当に経験豊富な営業とは、何でも知っている人ではありません。自分の知らない領域を正確に認識し、必要なら学び直せる人です。変化するために必要なのは、知識量だけではありません。「まだ学べる」という姿勢なのです。

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