毎日1%の改善が、1年後に大きな差を生む

 ~成長する人は「大きく変わる」のではなく「少しずつ変わり続ける」~

「もっと営業力を高めたい」「今年こそ大きく成長したい」と考えたとき、私たちはつい大きな目標を立ててしまいます。しかし、本当に大きな成長を生み出すのは、一度の大きな変化ではありません。むしろ、毎日の小さな改善を積み重ねることです。

たとえば、「昨日より1%だけ良くする」と考えてみましょう。

1日目を「1」として、毎日1%ずつ改善し、その改善が次の日の土台になると仮定すると、1.01の365乗 ≒ 37.78となります。

つまり数学上は、1年間毎日1%の改善を複利的に積み重ねると、1年後にはスタート時の約37.8倍になります。元の状態を100%とした1年後約3,778%元の状態からの増加率約3,678%増

ここで注意したいのは、「365日後に能力が現実に37.8倍になる」という意味ではないことです。この計算が教えてくれる本質は、小さな改善であっても、積み重なれば非常に大きな差になるということです。

 営業における「1%の改善」とは何か

営業の仕事に置き換えると、1%の改善は決して難しいものではありません。

「昨日より一つ深い質問をする」

「商談前に顧客企業について5分多く調べる」

「商品説明を1分短くして、その分顧客の話を聞く」

「商談終了後に、良かった点と改善点を一つずつ書く」

「提案書のタイトルを商品名ではなく顧客課題から考える」

「失注した案件について『なぜ失注したのか』を一つ深掘りする」

こうした小さな改善なら、今日からでも始められます。一つひとつを見ると、大した変化ではないように思えるかもしれません。

しかし、営業力とは一つの能力でできているわけではありません。

質問力、傾聴力、仮説構築力、提案力、交渉力、商品知識、顧客理解、時間管理、数値管理、振り返り力など、さまざまな能力の組み合わせによって成果が生まれます。

それぞれを少しずつ改善していけば、半年後、一年後には営業活動全体の質が大きく変わります。

 「1%」の本当の意味は、小さく始めること

成長しようとすると、「明日からすべて変えよう」と考えてしまいがちです。しかし、大きな変化は大きな負担を伴うため、長続きしないことがあります。

そこで重要なのが、

「今日は何を1%だけ良くするか」という考え方です。

たとえば、商談で10個の改善点が見つかったとしても、全部を一度に直そうとする必要はありません。

「次の商談では、顧客の発言に対して『なぜそうお考えなのですか』と一度深掘りしてみよう」

まずは、それだけでも構いません。

できるようになったら、次の改善を加えます。この繰り返しによって、改善そのものが習慣になっていきます。

 成長する営業員と成長が止まる営業員の差

1日だけを比較すれば、毎日改善している営業員と、何も変えていない営業員との差はほとんど分からないでしょう。1週間でも、それほど大きな差には見えないかもしれません。

しかし、3か月、半年、1年と時間が経過すると、その「小さな差」が積み重なっていきます。

成長する営業員は、特別な才能を持っているとは限りません。昨日の商談を振り返り、

「もう少し良くするにはどうすればよかっただろう」と考え、それを次の商談で試します。

そして、実践 → 振り返り → 改善 → 再実践という小さなPDCAを高速で回しています。これを年間200回の商談で繰り返す営業員と、同じやり方で200回商談をする営業員では、同じ「200回の経験」でも、その中身はまったく違ってきます。

単に経験を積む人と、経験から学び続ける人との差です。

 1年後の自分は、今日の1%からつくられる

大きな成果を求めるほど、私たちは大きな行動を探したくなります。

しかし、本当に重要なのは、今日できる小さな改善です。今日の商談を昨日より少し良くする。今日の質問を昨日より少し深くする。今日の提案を昨日より少し顧客視点にする。

今日の振り返りを昨日より少し具体的にする。その小さな積み重ねが、やがて大きな営業力になります。

だから、一日の終わりに自分自身へ問いかけてみてください。

「今日、自分は昨日より何を1%改善しただろうか」そして翌朝には、

「今日は何を1%改善しようか」と考えてみてください。

一流の営業員になるために、今日いきなり大きく変わる必要はありません。

昨日の自分を、今日ほんの少し超える。

その小さな改善を365日積み重ねることこそが、成長し続ける営業員をつくる大きな力になるのです。

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