変化できない営業は、何を意識すべきか(第6回)

他人からのフィードバックを受け入れる

 ~耳の痛い情報の中に成長のヒントがある~ Feedback(修正する)

営業には、一人では気づきにくい弱点があります。例えば本人は、「丁寧に商品説明している」と思っているかもしれません。しかし顧客から見れば、「話が長い」かもしれません。

本人は、「顧客との関係は良好だ」と思っていても、実際には顧客が営業担当者に合わせているだけかもしれません。ここに自己評価の難しさがあります。

 人は自分自身を完全には客観視できない

営業担当者には、それぞれ自分なりの営業スタイルがあります。長く続けている行動ほど、本人には当たり前になります。話す速度、質問の仕方、説明時間、資料の使い方、クロージングのタイミングなど、自分では気づかない癖が存在します。だからこそ、第三者の視点が必要です。

 フィードバックを「評価」ではなく「情報」と考える

上司から、「説明が長い」と言われたとします。これを、「自分の営業を否定された」と受け取れば、防御的になります。しかし、「自分では気づかなかった情報を得た」と考えれば、改善材料になります。ここが大きな分岐点です。フィードバックは人格への評価ではなく、行動改善のための情報です。この捉え方ができる営業ほど成長速度は上がります。

 耳の痛い情報ほど価値がある

自分を褒めてくれる情報は心地よいものです。しかし、営業力を高めるという観点では、

「質問が浅い」「顧客の話を途中で遮っている」「結論までが長い」「次回アクションを明確にしていない」「決裁者を確認できていない」といった指摘のほうが改善につながる場合があります。問題なのは、指摘されたことではありません。同じ指摘を何度も受けながら行動を変えないことです。

 フィードバックは行動レベルまで具体化する

ただし、「もっと営業力を高めろ」「コミュニケーションを改善しろ」という抽象的な指摘では、本人も何を変えればよいか分かりません。良いフィードバックは、「顧客が話している途中で結論を先取りしている場面が3回あった」

「商談60分のうち自分が約40分話していた」「課題について質問したが、その原因までは確認していなかった」というように、観察可能な行動を対象にします。

そして、事実 → 問題点 → 改善行動 → 次回確認までつなげます。

 成長する営業はフィードバックを自分から取りに行く

さらに一歩進んだ営業は、指摘されるまで待ちません。商談後に、「今日の商談で改善したほうがよいところはありましたか」「自分の質問の仕方をどう感じましたか」「説明が長くなっていませんでしたか」と自分から聞きます。

ここまでできれば、フィードバックは「評価されるもの」から、「成長のために収集する情報」へ変わります。変化できる営業は、自分一人で変わろうとはしません。上司、同僚、部下、そして顧客という「鏡」を使い、自分には見えていない自分を発見します。

そして耳の痛い情報から逃げるのではなく、「ここに次の成長テーマがある」と考えます。

変化を止めるのは批判ではありません。自分にとって都合の悪い情報を遮断することです。反対に、自分とは異なる見方を受け入れられる営業は、何歳になっても、どれほど経験を積んでも、自分自身を更新し続けることができるのです。

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