顧客の期待を正確に把握し、期待以上の価値を提供する
~リピートの出発点は、顧客が本当に求めている成果を理解することです~
顧客が購入しているのは商品ではなく、商品によって得られる価値です
営業担当者は、商品を販売すると、その商品自体の品質や性能に意識が向きがちです。しかし、顧客が本当に求めているものは、必ずしも商品そのものではありません。
例えば、ある小売企業がメーカーから商品を仕入れる場合、求めているのは単に品質の良い商品ではありません。売場の売上向上、在庫回転率の改善、利益率の向上、欠品の防止など、事業上の成果を期待しています。この期待を理解せず、商品の特徴や価格だけを説明する営業では、顧客にとって他社との違いが見えにくくなります。一方、顧客が抱える課題を理解し、期待する成果の実現に貢献できる営業は、単なる商品供給者から、事業を支えるパートナーへと位置づけが変わります。ここに、リピーターを生み出す最も重要な要素があります。
中堅社員が気を付けるべきこと
中堅社員は経験を積んでいるため、過去の成功体験から顧客のニーズを推測する傾向があります。「この業界の顧客は価格を重視するはずです」「この担当者は納期を最優先するはずです」といった思い込みは、顧客の本当の期待を見失う原因になります。特に注意すべきなのは、顧客の要望と顧客の課題を混同することです。顧客から「もっと安くしてほしい」と言われた場合でも、その背景には販売不振による利益圧迫や、在庫過剰による資金負担があるかもしれません。価格を下げることだけが解決策とは限らないのです。
具体的に実践すべきこと
1. 商談時に、顧客が購入によって実現したい成果を確認します。
2. 顧客の要望だけでなく、その背景にある問題や原因を質問します。
3. 商品の特徴を、顧客が得られる具体的なメリットに置き換えて説明します。
4. 契約前に、提供できる価値と提供できないことを明確にします。
5. 購入後に、期待していた成果が実現できているかを検証します。
例えば、「この商品は高品質です」と説明するのではなく、「従来品と比較して返品率を抑えられる可能性があり、利益改善につながると考えています。まずは一定期間、販売実績と返品率を確認しましょう」と提案します。このように、顧客が求める成果を共通目標にすることが重要です。
この取り組みがリピートにつながる理由
顧客は、期待していた成果が得られたとき、購入判断が正しかったと認識します。
さらに、営業担当者が期待を正確に理解し、成果の実現まで支援してくれた場合、次の課題についても相談したいと考えやすくなります。
ただし、期待以上の価値を提供することは、無制限の値引きや過剰なサービスを意味しません。自社の利益を確保しながら、顧客にとって重要な価値を高めることが基本です。
営業の役割は商品を売ることではなく、顧客が商品を購入する目的の達成に貢献することです。


