「自分が正しい」ではなく「事実は何か」を考える
~思い込みを捨て、ファクトで営業を考える~ Unlearn(思い込みを外す)
変化できない営業に見られる特徴の一つが、経験や感覚だけで状況を判断してしまうことです。「この顧客は価格しか見ていない」「競合が安かったから負けた」「この商品は市場では売れない」「担当者との関係は良好だから大丈夫だ」これらはすべて、事実である可能性があります。しかし同時に、単なる「本人の解釈」である可能性もあります。ここを区別しなければなりません。
「事実」と「解釈」を分ける
例えば営業担当者が、「価格が高くて失注しました」と報告したとします。しかし、顧客に確認すると、「価格だけではなく、提案内容が当社の課題に十分対応していなかった」という回答が返ってくるかもしれません。
営業担当者が「価格で負けた」と考えれば、次回は値引きを考えます。しかし、本当の原因が提案内容だったのであれば、値引きをしても問題は解決しません。
つまり、原因認識を間違えると、改善行動まで間違えるのです。
営業には「仮説」と「事実」の区別が必要
営業では仮説を持つことが重要です。しかし、「おそらくこうだろう」と考えることと、「実際にそうだった」ことは別です。
そこで営業には、仮説 → 確認 → 事実 → 判断という思考プロセスが必要になります。
例えば、「顧客は価格を重視しているのではないか」と仮説を立てたのであれば、「今回の選定では、価格・品質・納期・サポートのうち何を最も重視されていますか」と確認すればよいのです。
数字は自分の思い込みを修正してくれる
営業活動には確認できる数字が数多くあります。商談件数、提案件数、受注率、失注率、平均単価、粗利率、商談期間、既存顧客継続率などです。感覚では、「かなり商談している」と思っていても、数字を見ると少ないかもしれません。「提案力には自信がある」と思っていても、提案後受注率が低ければ改善余地があります。数字には、営業担当者自身の思い込みを修正する力があります。
強い営業は「自分の正しさ」に執着しない
営業で重要なのは、自分の意見を守ることではありません。顧客と市場で実際に起きていることを正しく理解することです。だからこそ、「私はこう思う」より「事実はどうなっているのか」を優先します。自分の考えと事実が違っていたら、自分の考えを修正する。この柔軟性こそが変化する力です。変化できる営業とは、自分の正しさを証明する人ではありません。事実によって自分の考えを更新できる人なのです。


