営業マインドセット(第13回:営業は顧客を追う仕事ではなく、選ばれる仕事である)

 「営業は顧客を追う仕事ではなく、選ばれる仕事である」

営業という仕事に対して、多くの人が最初に抱くイメージがあります。「お客様を追いかける仕事」です。電話をかける。訪問する。提案する。何度も足を運ぶ。確かに営業活動にはそのような側面があります。しかし、営業として成長するほど気づく事実があります。

本当に成果を出している営業は、顧客を追いかけていない。顧客から選ばれているのです。

・追う営業ほど苦しくなる

成果が安定しない営業には共通点があります。

常に追いかけている。

返事を待つ

見積もりの回答を催促する

検討状況を確認する

価格で競争する

つまり主導権が顧客側にあります。

この状態では営業は苦しい状態です。案件は不安定になり、価格競争に巻き込まれ、最後は値引きしか武器がなくなります。

追う営業とは、自ら価値を作れていない営業とも言えます。

・選ばれる営業は何が違うのか

では、顧客から選ばれる営業は何が違うのでしょうか。

それは商品知識ではありません。話術でもありません。実はもっと本質的な部分にあります。顧客が営業に求めているのは、「商品説明」ではありません。「意思決定の支援」です。顧客自身も気づいていない課題を整理し、選択肢を提示し、判断を助ける。そんな営業は顧客から頼られます。そして競合ではなく、「あなたにお願いしたい」と言われるようになります。

・顧客は商品より人を見ている

同じ商品。同じ価格。同じ条件。それでも契約先が変わることがあります。

なぜか。顧客は営業担当者を見ているからです。

信頼できるか

約束を守るか

誠実か

知識があるか

相談しやすいか

顧客は想像以上に人を見ています。商品差が小さい市場ほど、その傾向は強くなります。

つまり選ばれる営業になるとは、人として信頼される存在になることでもあります。

・選ばれる営業は売り込まない

不思議なことに、選ばれる営業ほど売り込みません。なぜなら顧客の課題解決に集中しているからです。売り込む営業は、「何を売るか」を考えます。選ばれる営業は、「どう役立つか」を考えます。売り込まれることを好む顧客はいません。しかし、自分の課題を理解してくれる人を嫌う顧客もいません。だから結果として選ばれます。

・選ばれる営業は紹介が増える

営業力の本当の指標は何か。それはは紹介件数ではないでしょうか。顧客は本当に信頼した相手しか紹介しません。なぜなら自分の信用がかかっているからです。つまり紹介が増えるということは、顧客から選ばれている証拠です。反対に紹介がまったく発生しない場合は、顧客との関係性を見直す必要があるかもしれません。選ばれる営業は新規開拓だけでなく、顧客が次の顧客を連れてきてくれます。だから成果が安定します。

・選ばれるために必要なこと

選ばれる営業になるために必要なのは、特別な才能では有りません。むしろ当たり前を徹底することです。

約束を守る

レスポンスを早くする

顧客を理解する

業界知識を学ぶ

誠実に対応する

利益より信頼を優先する

というように地味なのです。

しかしこれを継続できる営業は少ない。だから差が生まれるのです。選ばれる営業は一夜にして生まれません。日々の積み重ねによって作られる。

営業は顧客を追いかけ続ける仕事ではない。

顧客から選ばれる仕事である。

追うことばかり考えると苦しくなる。

選ばれることを考えると成長が始まる。

商品を磨く。

知識を磨く。

人間力を磨く。

信頼を積み上げる。

そうしていくうちに、営業活動は変わる。

「契約してください」と言う営業から、「ぜひお願いしたい」と言われる営業へ。

営業人生の転機は、この発想の転換から始まるのです。

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