営業はお願いする仕事ではなく、価値を交換する仕事である
営業という仕事に対して、誤った認識を持っている人がいます。それは、「営業とはお願いして買ってもらう仕事である」という考え方です。この考え方を持っている営業は、自信を失いやすく、価格交渉にも弱くなります。なぜなら、自分自身が「買っていただく立場」だと思っているからです。しかし本来の営業とは違います。営業とは、価値と価値を交換する仕事です。
・「買ってください営業」は苦しくなる
営業経験の浅い人ほど、
買ってもらえない
断られる
比較される
値引きを要求されるたびに精神的なダメージを受けます。
なぜでしょうか。それは、「お願いしている」という感覚があるからです。お願いする側は弱い立場になります。すると、
無理な値引きを受け入れる
過剰サービスを約束する
不利な条件で契約するという状態になりやすくなります。
結果として利益が失われ、顧客との関係も歪んでしまいます。
・営業は対等なパートナーである
営業担当者は顧客より下ではありません。もちろん上でもありません。対等です。
顧客には課題があります。営業には解決策があります。顧客は課題解決という価値を受け取り、営業は対価として利益を受け取ります。これは極めて健全な交換です。
例えば病院を考えてみましょう。医師は患者に対して、「お願いですから治療を受けてください」とは言いません。患者の問題を解決するために診断し、治療し、その対価を受け取ります。営業も本質的には同じです。
・値引きに負ける営業の共通点
価格交渉に弱い営業には特徴があります。それは、価値ではなく価格を語っていることです。顧客から「もっと安くなりませんか」と言われたとき、価値を説明できない営業は値引きしか選択肢がありません。
しかし、
売上向上効果
コスト削減効果
生産性向上効果
リスク低減効果
を定量的に示せれば話は変わります。顧客は価格ではなく投資対効果を考え始めます。トップ営業は価格の話をする前に価値の話を終わらせています。
・「売る」のではなく「交換する」
営業の本質を一言で表現すると、「売る」ではありません。「交換する」です。顧客はお金を支払います。営業は価値を提供します。価値が対価を上回れば契約は成立します。逆に価値が不足していれば契約は成立しません。非常にシンプルな原理です。つまり営業力とは、話術ではなく価値創造力なのです。
・トップ営業が考えていること
成果を出す営業担当者は常に次の問いを持っています。
この提案で顧客は何を得るのか
顧客の利益はいくら増えるのか
顧客のリスクはどれだけ減るのか
顧客の未来はどう変わるのか
そして商談の最後に、「買ってください」とは言いません。代わりに、「この価値は御社にとって投資する意味がありますか」と確認します。ここに営業の本質があります。
・営業マネージャーが注意すべきこと
部下に対して、
今月あと何件売れ
とにかく数字を作れ
何でもいいから契約を取れという指導ばかりしていると、お願い営業が増殖します。
一方で、
顧客へどんな価値を提供したのか
顧客の利益はいくら増えたのか
顧客の課題をどれだけ解決したのか
を問い続ける組織は強くなります。
なぜなら営業の思考が、売上中心から価値中心へ変わるからです。


