「営業は顧客を追う仕事ではなく、選ばれる仕事である」
営業という仕事に対して、多くの人が最初に抱くイメージがあります。「お客様を追いかける仕事」です。電話をかける。訪問する。提案する。何度も足を運ぶ。確かに営業活動にはそのような側面があります。しかし、営業として成長するほど気づく事実があります。
本当に成果を出している営業は、顧客を追いかけていない。顧客から選ばれているのです。
・追う営業ほど苦しくなる
成果が安定しない営業には共通点があります。
常に追いかけている。
返事を待つ
見積もりの回答を催促する
検討状況を確認する
価格で競争する
つまり主導権が顧客側にあります。
この状態では営業は苦しい状態です。案件は不安定になり、価格競争に巻き込まれ、最後は値引きしか武器がなくなります。
追う営業とは、自ら価値を作れていない営業とも言えます。
・選ばれる営業は何が違うのか
では、顧客から選ばれる営業は何が違うのでしょうか。
それは商品知識ではありません。話術でもありません。実はもっと本質的な部分にあります。顧客が営業に求めているのは、「商品説明」ではありません。「意思決定の支援」です。顧客自身も気づいていない課題を整理し、選択肢を提示し、判断を助ける。そんな営業は顧客から頼られます。そして競合ではなく、「あなたにお願いしたい」と言われるようになります。
・顧客は商品より人を見ている
同じ商品。同じ価格。同じ条件。それでも契約先が変わることがあります。
なぜか。顧客は営業担当者を見ているからです。
信頼できるか
約束を守るか
誠実か
知識があるか
相談しやすいか
顧客は想像以上に人を見ています。商品差が小さい市場ほど、その傾向は強くなります。
つまり選ばれる営業になるとは、人として信頼される存在になることでもあります。
・選ばれる営業は売り込まない
不思議なことに、選ばれる営業ほど売り込みません。なぜなら顧客の課題解決に集中しているからです。売り込む営業は、「何を売るか」を考えます。選ばれる営業は、「どう役立つか」を考えます。売り込まれることを好む顧客はいません。しかし、自分の課題を理解してくれる人を嫌う顧客もいません。だから結果として選ばれます。
・選ばれる営業は紹介が増える
営業力の本当の指標は何か。それはは紹介件数ではないでしょうか。顧客は本当に信頼した相手しか紹介しません。なぜなら自分の信用がかかっているからです。つまり紹介が増えるということは、顧客から選ばれている証拠です。反対に紹介がまったく発生しない場合は、顧客との関係性を見直す必要があるかもしれません。選ばれる営業は新規開拓だけでなく、顧客が次の顧客を連れてきてくれます。だから成果が安定します。
・選ばれるために必要なこと
選ばれる営業になるために必要なのは、特別な才能では有りません。むしろ当たり前を徹底することです。
約束を守る
レスポンスを早くする
顧客を理解する
業界知識を学ぶ
誠実に対応する
利益より信頼を優先する
というように地味なのです。
しかしこれを継続できる営業は少ない。だから差が生まれるのです。選ばれる営業は一夜にして生まれません。日々の積み重ねによって作られる。
営業は顧客を追いかけ続ける仕事ではない。
顧客から選ばれる仕事である。
追うことばかり考えると苦しくなる。
選ばれることを考えると成長が始まる。
商品を磨く。
知識を磨く。
人間力を磨く。
信頼を積み上げる。
そうしていくうちに、営業活動は変わる。
「契約してください」と言う営業から、「ぜひお願いしたい」と言われる営業へ。
営業人生の転機は、この発想の転換から始まるのです。


