営業マインドセット(第5回:失敗から学ぶ)

営業は断られない仕事ではなく、断られてから始まる仕事である

営業という仕事に就いたばかりの人が最初にぶつかる壁があります。それは、「断られること」です。電話をかけても断られる。アポイントを依頼しても断られる。提案しても断られる。見積もりを出しても断られる。営業を始めたばかりの頃は、断られるたびに自信を失う人も少なくありません。しかし、ここで知っておかなければならないことがあります。営業とは、断られない仕事ではありません。むしろ、断られてから始まる仕事なのです。

・「NO」は終わりではなく情報である

多くの営業は断られると、「嫌われた」「興味を持たれなかった」「自分の説明が悪かった」と考えます。しかし実際には違う場合が多くあります。

顧客が「NO」と言う背景には、

 タイミングが悪い

 予算がない

 優先順位が低い

 社内調整が必要

 現状に不満を感じていない

 リスクを恐れているなど様々な理由があります。

つまり、「NO」は拒絶ではなく情報なのです。優秀な営業は断られた瞬間に落ち込むのではなく、「なぜNOなのか」を考え始めます。

・失注は営業の通知表である

失注を恐れる営業は成長が遅くなります。なぜなら失敗から学ばなくなるからです。一方でトップ営業は、失注案件を徹底的に分析します。

例えば、

 顧客の課題認識は十分だったか

 決裁者を把握していたか

 競合との差別化はできていたか

 導入効果を数値化できていたか

 信頼関係は構築できていたかを振り返ります。

つまり失注は、営業力を映し出す鏡なのです。

・成長する営業は敗因を探す

成果が出ない営業ほど、

 景気が悪い

 商品力が弱い

 競合が安い

 顧客が理解してくれないと外部要因を探します。

一方で成果を出す営業は、まず自分の改善点を探します。なぜなら、自分で変えられる部分にしか成長の可能性がないことを知っているからです。他責思考は安心感を与えます。しかし成長は止まります。自責思考は苦しいものです。しかし成長を生み出します。

・トップ営業ほど多く断られている

意外に思われるかもしれませんが、トップ営業ほど断られる回数は多い傾向があります。なぜでしょうか。それは行動量が圧倒的だからです。

例えば、

普通の営業が10件提案して2件受注するとします。トップ営業は50件提案して10件受注します。受注率は同じです。しかし断られる回数は、8回と40回です。つまりトップ営業は、断られることを恐れないのです。成功した件数ではなく、挑戦した件数が違うのです。

・「まだ早い」が最大のチャンスになる

顧客から、

 今は必要ない

 また今度 検討しておきます

と言われることがあります。多くの営業はそこで諦めます。しかし優秀な営業は違います。なぜ今ではないのか。何が変われば検討できるのか。いつなら優先順位が上がるのか。を確認します。その結果、半年後、一年後、二年後に受注することもあります。営業とは瞬間の勝負ではありません。長期戦なのです。

・逆境が営業力を磨く

営業人生には必ず逆風があります。

 大型案件の失注

 クレーム

 顧客離れ

 市場環境の悪化

 競争激化

しかし営業力が大きく伸びるのは、順風満帆な時ではありません。逆境の時です。なぜ失敗したのか。何を改善するべきか。次はどうするのか。この問いを繰り返すことで営業は成長します。鉄が鍛えられるのは火の中です。営業もまた同じです。

・営業マネージャーが育てるべき文化

管理職が最も注意すべきことがあります。それは、失敗を責める文化です。失敗を責め続ける組織では、社員は挑戦しなくなります。

すると、

 安全案件しか追わない

 新規開拓を避ける

 提案を控えるようになります。

逆に強い組織は、失敗そのものではなく、失敗から学ばないことを問題視します。その文化が営業力を育てます。

・本当に怖いのは断られることではない

営業人生で本当に怖いのは、断られることではありません。失注することでもありません。本当に怖いのは、断られることを恐れて挑戦しなくなることです。挑戦しなければ失敗はありません。しかし成長もありません。営業とは、断られながら前進する仕事です。そして、断られた数だけ学びが増えます。

 三流の営業は断られることを恐れる。

 二流の営業は断られた理由を考える。

 一流の営業は断られた経験を資産に変える。

 「NO」は営業人生の終わりではない。

 次の「YES」への入り口である。

 あなたは今日、何回断られただろうか。

 そして、その断りから何を学んだだろうか。

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