営業マインドセット(第2回:価値交換)

 営業はお願いする仕事ではなく、価値を交換する仕事である

営業という仕事に対して、誤った認識を持っている人がいます。それは、「営業とはお願いして買ってもらう仕事である」という考え方です。この考え方を持っている営業は、自信を失いやすく、価格交渉にも弱くなります。なぜなら、自分自身が「買っていただく立場」だと思っているからです。しかし本来の営業とは違います。営業とは、価値と価値を交換する仕事です。

 ・「買ってください営業」は苦しくなる

営業経験の浅い人ほど、

 買ってもらえない

 断られる

 比較される

 値引きを要求されるたびに精神的なダメージを受けます。

なぜでしょうか。それは、「お願いしている」という感覚があるからです。お願いする側は弱い立場になります。すると、

 無理な値引きを受け入れる

 過剰サービスを約束する

 不利な条件で契約するという状態になりやすくなります。

結果として利益が失われ、顧客との関係も歪んでしまいます。

営業は対等なパートナーである

営業担当者は顧客より下ではありません。もちろん上でもありません。対等です。

顧客には課題があります。営業には解決策があります。顧客は課題解決という価値を受け取り、営業は対価として利益を受け取ります。これは極めて健全な交換です。

例えば病院を考えてみましょう。医師は患者に対して、「お願いですから治療を受けてください」とは言いません。患者の問題を解決するために診断し、治療し、その対価を受け取ります。営業も本質的には同じです。

・値引きに負ける営業の共通点

価格交渉に弱い営業には特徴があります。それは、価値ではなく価格を語っていることです。顧客から「もっと安くなりませんか」と言われたとき、価値を説明できない営業は値引きしか選択肢がありません。

しかし、

 売上向上効果

 コスト削減効果

 生産性向上効果

 リスク低減効果

を定量的に示せれば話は変わります。顧客は価格ではなく投資対効果を考え始めます。トップ営業は価格の話をする前に価値の話を終わらせています。

・「売る」のではなく「交換する」

営業の本質を一言で表現すると、「売る」ではありません。「交換する」です。顧客はお金を支払います。営業は価値を提供します。価値が対価を上回れば契約は成立します。逆に価値が不足していれば契約は成立しません。非常にシンプルな原理です。つまり営業力とは、話術ではなく価値創造力なのです。

・トップ営業が考えていること

成果を出す営業担当者は常に次の問いを持っています。

 この提案で顧客は何を得るのか

 顧客の利益はいくら増えるのか

 顧客のリスクはどれだけ減るのか

 顧客の未来はどう変わるのか

そして商談の最後に、「買ってください」とは言いません。代わりに、「この価値は御社にとって投資する意味がありますか」と確認します。ここに営業の本質があります。

・営業マネージャーが注意すべきこと

部下に対して、

 今月あと何件売れ

 とにかく数字を作れ

 何でもいいから契約を取れという指導ばかりしていると、お願い営業が増殖します。

一方で、

 顧客へどんな価値を提供したのか

 顧客の利益はいくら増えたのか

 顧客の課題をどれだけ解決したのか

を問い続ける組織は強くなります。

なぜなら営業の思考が、売上中心から価値中心へ変わるからです。

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