営業の基礎問題(利益編 3)

 第1問 

「粗利(売上総利益)」と「営業利益」の違いとして正しいものはどれか?

A. 粗利は営業外収益を含むが、営業利益は含まない 

B. 粗利は売上高から売上原価を引いたもので、営業利益はそこから販売費および一般管理費を引いたもの 

C. 粗利は税引後利益で、営業利益は税引前利益である 

D. 粗利と営業利益は同じ意味で使われる

正解: B. 粗利は売上高から売上原価を引いたもので、営業利益はそこから販売費および一般管理費を引いたもの

解説:「粗利(売上総利益)」は、売上高から売上原価(商品や製品を作るための直接的なコスト)を差し引いた金額です。これは「売ったもの自体からどれだけ儲かったか」を示します。一方、「営業利益」は、その粗利からさらに販売費(広告費、営業活動費用など)と一般管理費(人件費、オフィス維持費など)を差し引いたものです。つまり営業利益は「本業を回していくために必要なコストも考慮したうえで、最終的にどれだけ儲かったか」を表しています。営業活動全体の収益性を見る指標なので、粗利よりもさらに一歩踏み込んだ利益指標です。

・ Aの選択肢:営業外収益(例:受取利息など)は営業利益には含まれず、経常利益の段階で考慮されます。 

・ Cの選択肢:税金の話は当期純利益の段階です。粗利も営業利益も税引前です。 

・ Dの選択肢:粗利と営業利益は厳密に違う指標です。混同しないよう注意しましょう。

 第2問 

粗利(売上総利益)に含まれないものは次のうちどれか?

A. 商品の原材料費 

B. 商品の製造人件費 

C. 営業担当者の交通費 

D. 仕入商品の購入費用

正解:👉 C. 営業担当者の交通費

解説:粗利(売上総利益)は、売上高から「売上原価」を引いて求めます。 

売上原価に含まれるのは、 

・ 商品の原材料費(A) 

・ 製造に直接かかわる人件費(B) 

・ 仕入商品そのものの購入費用(D) 

など、「商品を作ったり仕入れたりするための直接コスト」です。一方、営業担当者の交通費(C)は、販売費の一部であり、粗利には含まれず、営業利益を計算するときに考慮される費用です。つまり、営業交通費は「販売費および一般管理費(販管費)」に分類されます。

  第3問 

営業利益を算出する際、「粗利」から追加で差し引かれるのはどれか?

A. 売上原価 

B. 販売費および一般管理費(販管費) 

C. 支払利息 

D. 法人税

正解: B. 販売費および一般管理費(販管費)

解説:営業利益は、次の流れで求めます。 

【売上高】−【売上原価】=【粗利(売上総利益)】−【販売費および一般管理費(販管費)】=【営業利益】

販売費には、営業交通費、広告宣伝費、販売促進費などが含まれます。 

一般管理費には、人件費、事務所維持費、間接部門費用などが含まれます。 

支払利息(C)は営業外費用、法人税(D)は最終段階の税引後に関わるため、営業利益とは別の段階で扱われます。

 第4問 

次のうち、「営業利益」は分かるが「粗利」が分からないと困る具体的な場面はどれか?

A. 会社の売上目標を立てるとき 

B. 商品ごとの採算性を評価するとき 

C. 投資家への財務報告を作成するとき 

D. 会社全体の資金繰りを計画するとき

正解:B. 商品ごとの採算性を評価するとき

解説:商品単位で「この商品は儲かっているか?」を見極めるには、売上高に対して粗利(売上総利益)がどれだけ出ているかが不可欠です。営業利益は会社全体の本業収益性を表す指標ですが、個別商品ごとの原価管理や採算評価には直接向いていません。つまり、粗利がないと、

– どの商品が高収益か 

– どの商品は原価割れリスクがあるか 

といった重要な判断ができなくなります。売上目標(A)、財務報告(C)、資金繰り計画(D)には営業利益も重要ですが、商品ごとの分析は粗利が鍵です。

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営業の基礎問題(利益編 2)

第1問 

営業利益とは次のうちどれを指すか? 

A. 売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いた利益 

B. 売上高からすべての費用を差し引いた利益 

C. 営業活動による現金収支の差額 

D. 税引前当期純利益に特別利益を加えたもの

正解: A. 売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いた利益 

解説:営業利益とは、企業の「本業による儲け」を表す指標です。売上総利益(売上高-売上原価)から、販売費(広告宣伝費、販売促進費など)および一般管理費(人件費、管理部門費用など)を引いたものです。つまり、企業が「通常の営業活動でどれだけ利益を上げているか」を示します。投資収益や特別損益を含まないため、本業の実力を測る重要な数字です。

  第2問 

売上高に対する営業利益の割合を表す指標はどれか? 

A. 売上総利益率 

B. 営業利益率 

C. 経常利益率 

D. 当期純利益率

正解: B. 営業利益率 

解説:営業利益率とは、売上高に対して営業利益がどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。 

計算式は【営業利益 ÷ 売上高 × 100】です。この指標が高いほど「本業で効率よく利益を上げている」ことを意味します。逆に、売上が大きくても営業利益率が低いと、コスト負担が重く、利益体質が弱いことを示す場合があります。

営業活動の効率性を測る上で非常に重要な数字です。

 第3問 

次のうち、利益を増やすために営業担当者が直接できるアクションとして最も適切なものはどれか? 

A. 設備投資の予算削減提案をする 

B. 売上単価を引き上げる交渉をする 

C. 配当政策を見直す提言をする 

D. 財務費用の見直しをする

正解:B. 売上単価を引き上げる交渉をする 

解説:営業担当者が利益に直接貢献できるポイントは、「売上金額を増やす」か「原価率を下げる」ことです。 そのため、値引きせず適正な単価で販売する、もしくは単価を引き上げる交渉を成功させることは、営業利益に直結します。一方、設備投資、配当政策、財務費用の見直しは主に経営や財務部門が担う領域であり、営業担当者が直接手を出すものではありません。 営業活動を通じて単価アップや高付加価値提案を行うことが、利益貢献に最も直結する行動です。

営業の基礎問題(利益編 1)

第1問  下記の条件の時、損益分岐点はいくらになるか概算で求めてください。

・ 売上高:500百万円 

・ 総利益率(粗利率):21% 

・ 営業利益率:▲2%(=営業赤字2%) 

・ 経費(販管費など)は変わらない とする

・ 求めるもの:損益分岐点売上高(概算)

正解: 約 547百万円(概算)

解説:まず損益分岐点売上高とは、「利益ゼロ(損益トントン)」となる売上高のことです。この問題では、今現在、営業赤字(▲2%)なので、売上が少し足りていない状態です。

経費を削減する方法で営利のマイナスを埋める方法もありますが、営業としては売上の拡大で営利のマイナスを埋めていく方法を考えたいと思います。

① 現在の粗利額を求める 

粗利=売上 × 総利益率 

=500百万円 × 21% 

=105百万円

② 現在の営業損失額を求める 

営業損失=売上 × 営業利益率 

=500百万円 × (▲2%) 

=▲10百万円

③ 経費を求める 

営業利益は、粗利-経費=営業利益 

なので、経費=粗利-営業利益

ここに数字を代入すると、経費=105百万円-(▲10百万円)=115百万円

(ポイント:赤字なので、▲(マイナス)を引くと「加算」になります)

④ 損益分岐点売上を求める 

損益分岐点売上高=経費 ÷ 総利益率

つまり、=115百万円 ÷ 21% =547.6百万円

⑤ 注意:損益分岐点売上高の計算に誤解がないか? 

ここで、「経費は変わらない」と書かれていて、総利益率も固定と考えられるため、単純にこの547.6百万円が「必要売上高」ということになります。営業として、すぐに損益分岐点売上を把握するには、簡易的なこの方法(概算)でよいのではないでしょうか。

別の考え方で、現状の利益率(営業利益率)を考えると、

▲ 2%の赤字を解消するには、売上を▲2% ÷ 21% ≈ 約9.5%増すればよい。

500百万円 ×(1+9.5%)≒ 547百万円

なので、損益分岐点売上高は、約547百万円

まとめ:

・ 現在:売上500百万円、営業赤字▲10百万円 

・ 経費=115百万円(固定費)

・ 必要な粗利=115百万円(=経費)

・ 必要な売上=経費 ÷ 粗利率=547百万円 

 よって、損益分岐点売上高は約547百万円です!

【参考:問題に対する要点整理】 

・ 粗利率を使う(21%) 

・ 営業利益率の赤字幅から必要な売上増を考える 

・ 経費は変わらないので、粗利=経費を満たす売上高を計算する

営業の基礎問題(ヒアリング編 10)

 第1問 

状況:提案内容に担当者は好感触。ただし、社内決裁が必要。担当者がこう言いました。 

「稟議は出しますけど、ちょっと上がうるさくて…。」このとき、担当者を巻き込みクロージングに向かうために最も適切な質問はどれか?

A)「では、稟議を提出したら結果を教えてください。」 

B)「上司の方が納得しやすいポイント、一緒に整理しませんか?」 

C)「やっぱり難しいですかね?」 

D)「追加で資料があればご用意しますので言ってください。」

正解:B「上司の方が納得しやすいポイント、一緒に整理しませんか?」

解説:担当者だけに負担をかけず、「一緒に整理する」スタンスを取ることで担当者を巻き込み、味方化することができます。AやDは受け身すぎ、Cは諦めムードになってしまい逆効果です。

 第2問 

状況:商談中、担当者がこう言いました。「私は御社の提案がいいと思います。でも、最終的には本部長判断なので…。」

このとき、担当者を巻き込んで支援を得るために最も適切な働きかけはどれか?

A)「本部長には別途こちらからアプローチさせてください。」 

B)「本部長が重要視されるポイントを、一緒に想定してみませんか?」 

C)「ではご連絡をお待ちします。」 

D)「やはり今回は見送りですかね?」

正解:B「本部長が重要視されるポイントを、一緒に想定してみませんか?」

解説:担当者に「本部長の視点」を一緒に考えてもらうことで、社内説明用の武器を渡すことができます。 Aのように直接接触を申し出ると、担当者の立場を脅かしてしまうので注意。 

Bのように、担当者を「内部の提案者」に育てる意識が重要です。

第3問 

状況:見積もり提出後、担当者からこう言われました。「正直、価格は他社のほうが安いんです。でも内容は御社の方がいいと思ってます。」

このとき、クロージングに向けて担当者に働きかけるべきアプローチはどれか?

A)「どちらを取るかはお任せします。」 

B)「ご自身がおすすめできるポイントを一緒にまとめましょうか?」 

C)「うちもさらに値下げします!」 

D)「やはり価格が最重要ですよね?」

正解:B「ご自身がおすすめできるポイントを一緒にまとめましょうか?」

解説:担当者自身が「内容はいい」と感じているなら、その感覚を稟議や上司説明用の材料にするのがベストです。 担当者自身の言葉で提案を語れる状態に持っていくことで、内部説得力がグッと上がります。

営業の基礎問題(ヒアリング編 9)

第1問 

状況:営業担当者が商談している相手(現場リーダー)がこう言いました。「基本的には好印象です。ただ、上司にも一応確認しますね。」

このとき、隠れた決裁者ニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「上司の方は価格を一番重視される方ですか?」 

B)「ご上司が重視されるポイントについて、事前に教えていただけますか?」 

C)「では、上司の方に直接ご説明に伺いましょうか?」 

D)「上司の方のお名前と連絡先を教えてください。」

正解:B「ご上司が重視されるポイントについて、事前に教えていただけますか?」

解説:いきなり直接交渉(CやD)を持ちかけると、担当者の顔を潰してしまうリスク大。まずは、担当者経由で決裁者が何を重視するかの情報を引き出し、準備を整えるのがスマートです。Aも悪くはないですが、価格だけを想定してしまうと、意図がずれる危険もあります。

 第2問 

状況:商談相手(部門課長)がこう言いました。 

「部長に稟議をあげてみますけど、あの人かなり慎重派なので…。」

このとき、隠れた決裁者ニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「部長がこれまで導入を決めたポイントは何でしたか?」 

B)「部長に直接ご説明できる機会はありますか?」 

C)「では、稟議書だけ拝見させてください。」 

D)「慎重派というのは予算の面でしょうか?」

正解:A「部長がこれまで導入を決めたポイントは何でしたか?」

解説:部長が「慎重」という情報は重要なヒント。その慎重さの裏にある「決断基準(過去のパターン)」を聞き出せば、その基準に合わせた提案ができるからです。 

いきなり直接会う(B)より、まず勝ち筋の把握が優先です。

第3問 

状況:顧客担当者がこう言いました。 

「仕様はいいんですが、社長がコスト意識強いので…。」

このとき、隠れた決裁者ニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「社長は他にどんな点も気にされる傾向がありますか?」 

B)「では、値下げのご提案もご用意します。」 

C)「仕様面で不安なところは本当にないですか?」 

D)「コスト意識というのはどの程度のイメージですか?」

正解:A「社長は他にどんな点も気にされる傾向がありますか?」

解説:コストだけでなく、実は「ブランド」「サポート体制」「納期」など、社長が重視する他の要素があるかもしれません。「コストだけに最適化」してしまう(BやD)と、全体ニーズを見落とすリスクがあります。まずは総合的な決裁基準を聞き出すのが正解です。

営業の基礎問題(ヒアリング編 8)

第1問 

状況: 

法人顧客がこう言いました。 

「とにかくコストを下げたいんです。」

このとき、奥に潜むニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「具体的にいくら下げたいですか?」 

B)「なぜコスト削減を急がれているんですか?」 

C)「弊社なら一番安いプランもご用意できます!」 

D)「どのコスト項目を削減対象にされていますか?」

正解:B「なぜコスト削減を急がれているんですか?」

解説:コスト削減と言っていても、 

・利益率を上げたい 

・予算圧縮が上から指示された 

・競争力を高めたい 

など、背景は様々です。「なぜ?」を聞き、目的・背景を深堀りすることで、単なる価格勝負でない提案が可能になります。金額(A)や項目(D)だけを聞いても、本当の課題解決にはつながりにくいです。

 第2問 

状況:個人顧客がこう言いました。 

「この商品、もっと手軽に使えるといいんだけどな。」

このとき、奥に潜むニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「どんな場面で”手軽さ”が欲しいと感じましたか?」 

B)「別の商品もご覧になりますか?」 

C)「手軽さを重視されるということは、忙しいんですか?」 

D)「手軽なものならこちらが人気です!」

正解:A「どんな場面で”手軽さ”が欲しいと感じましたか?」

解説:「手軽に使いたい」といっても、 

・持ち運びしやすさ 

・操作がシンプルなこと 

・短時間で結果が出ること 

…など、意味合いは顧客によって違います。 

具体的な使用場面を聞き出すことで、本当に求めている「手軽さ」の正体がわかり、ズレない提案ができます。

 第3問 

状況:法人顧客がこう言いました。 

「もっと従業員の満足度を上げたいと考えています。」

このとき、奥に潜むニーズを探るために最も適切な質問はどれか?

A)「満足度を上げたい理由を教えてもらえますか?」 

B)「それなら福利厚生パッケージをご紹介します!」 

C)「何か不満の声が出ているんですか?」 

D)「満足度アップの施策はすでに検討済みですか?」

正解:A「満足度を上げたい理由を教えてもらえますか?」

解説:満足度を上げたい=表面的な要望ですが、 

・離職率の低下 

・採用力アップ 

・モチベーション向上 

など、目的は様々です。 

理由を聞かないと、どんな施策が効果的かが見えてきません。いきなり提案(B)や状況確認(C・D)に走ると、ニーズの深掘りが浅くなります。

営業の基礎問題(ヒアリング編 7)

第1問 

状況:法人顧客に業務改善提案を検討中。 

顧客からこう聞きました。 

「特に今の業務フローに問題はないと思っています。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「本当に全く問題ないですか?」 

B)「例えば、最近一番負荷がかかった業務はどんなものですか?」 

C)「改善をお考えなら、弊社製品がおすすめです!」 

D)「今の業務フローをすべて一覧表にしてもらえますか?」

正解:B「例えば、最近一番負荷がかかった業務はどんなものですか?」

解説:Aのような質問だと「はい」か「いいえ」で終わってしまい、会話が止まります。 

一方Bは、具体例を引き出す質問なので、相手が詳細に話してくれる可能性が高いです。 

深堀りには、「どんな」「どのような」系のオープンクエスチョンが鉄則です。

 第2問 

状況:個人顧客が車の買い替えを検討中。 

こう言っています。 

「今の車もそんなに悪くないですけど、そろそろ…って感じです。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「そろそろ買い替えをお考えですか?」 

B)「どんな点で”そろそろ”と感じられたんですか?」 

C)「今すぐ契約されますか?」 

D)「今お乗りの車種を教えてください。」

正解:B「どんな点で”そろそろ”と感じられたんですか?」

解説:AはYes/Noで終わる質問、Cはクロージングが早すぎ、Dは情報収集止まり。 

一方Bは、感情の動きに注目して深掘りできる質問です。 

「なぜ」「どんな点で」という問い方が、相手に自由に語らせるコツです。

 第3問 

状況:法人顧客の総務担当にオフィス移転提案を検討中。 

相手はこう言いました。 

「まあ、いずれはオフィスも見直さないととは思ってます。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「具体的にいつ頃をイメージされていますか?」 

B)「移転の意思決定はもう済んでいますか?」 

C)「はい、ではまた時期がきたらご連絡します。」 

D)「今のオフィスで一番ご不便を感じている点はどこですか?」

正解:D「今のオフィスで一番ご不便を感じている点はどこですか?」

解説:AやBはタイミングを聞いているだけなので、相手が「未定です」と答えたら終わってしまいます。Dは、今ある不便さ=移転ニーズの源泉を具体的に引き出す質問です。Yes/Noではなく、「具体的な状況や感情」を話してもらうことが重要です。

営業の基礎問題(ヒアリング編 6)

第1問 

状況:法人顧客がこう話しています。 

「特に今すぐ困っていることはないですね。」

このとき、課題を顕在化させるために適切な質問はどれか?

A)「では、今回はご提案は不要ですね?」 

B)「今後さらに改善できたらいいなと思う業務はありますか?」 

C)「すぐ導入する場合の予算感だけ教えてください。」 

D)「類似企業ではこのシステムが導入されていますが、興味ありませんか?」

正解:B「今後さらに改善できたらいいなと思う業務はありますか?」

解説:「困っていない」と言われたら、”未来志向”で潜在ニーズを探るのがポイントです。いきなり提案断念(A)や、売り込み(D)に行くと、潜在課題を拾えずチャンスを逃します。予算の話(C)は、ニーズが見えてからで十分です。

 第2問 

状況:個人顧客が保険相談でこう話しています。 

「特に今の保険に大きな不満はないです。」

このとき、課題を顕在化させるために適切な質問はどれか?

A)「将来的に見直すとしたら、どんなタイミングだと思いますか?」 

B)「不満がないなら契約内容の見直しは不要ですね。」 

C)「一番安いプランをご紹介しましょうか?」 

D)「ほかに加入している保険を全部教えてください。」

正解:A「将来的に見直すとしたら、どんなタイミングだと思いますか?」

解説:「今は不満がない」という言葉も、未来の変化(結婚・出産・転職など)でニーズが生まれる可能性があります。だから「未来に備えた質問」が大事です。すぐクロージング(B・C)や情報収集(D)だけに走るのは顧客視点がずれます。

 第3問 

状況:法人顧客のIT担当者がこう言いました。 

「現状、セキュリティ事故も特に起きていないので、特別な対策は考えていません。」

このとき、課題を顕在化させるために適切な質問はどれか?

A)「事故が起きた場合のリスク対応計画は整っていますか?」 

B)「では今回はセキュリティ強化の提案は不要ですね?」 

C)「他社事例をご紹介しましょうか?」 

D)「具体的なセキュリティ要件表をください。」

正解:A「事故が起きた場合のリスク対応計画は整っていますか?」

解説:「問題が起きていない」ときこそ、リスク想定の質問をして危機意識を喚起するのがプロの技です。 今起きていない=今後も起きないわけではないため、未来リスクへの備えを考えさせることで、顧客自身が課題を認識するきっかけを作れます。

営業の基礎問題(ヒアリング編 5)

 第1問 

状況:法人顧客がこう話しました。 

「今の物流システムだと繁忙期に対応しきれなくて、多少の遅延は出ています。」

次に取るべき深掘り質問はどれか?

A)「弊社なら遅延ゼロを保証できます!」 

B)「遅延が出ると、どの業務に一番影響が出ていますか?」 

C)「コスト重視で対応したいですか?」 

D)「繁忙期の取引先数を教えてもらえますか?」

正解:B「遅延が出ると、どの業務に一番影響が出ていますか?」

解説:課題が出たときは、「その課題がどんな悪影響を引き起こしているか」を深掘るのが鉄則です。影響がわかれば、「改善すべき理由」が明確になり、提案が通りやすくなります。いきなり提案(A)やコスト話(C)に行くと、顧客の本当の困りごとを取りこぼします。

 第2問 

状況:個人顧客が住宅リフォーム相談中にこう言いました。 

「最近、冬場の廊下がすごく寒くて困っています。」

次に取るべき深掘り質問はどれか?

A)「それなら断熱材を強化しましょう!」 

B)「廊下の寒さが一番気になるのはどの時間帯ですか?」 

C)「他にリフォームを考えている箇所はありますか?」 

D)「リフォームのご予算はどれくらいですか?」

正解:B「廊下の寒さが一番気になるのはどの時間帯ですか?」

解説:課題が出たら、「状況の具体化」が次のステップです。いつ、どんな場面で困っているのかを細かく聞くことで、最適な改善策(提案)につながります。すぐに提案(A)や予算(D)にいくのは、顧客の本音を十分に引き出せない典型パターンです。

 第3問 

状況:法人顧客の経理担当者がこう話しました。

「毎月の請求書処理にすごく手間がかかって、残業も増えてるんですよね。」

次に取るべき深掘り質問はどれか?

A)「どの作業工程に一番時間がかかっていますか?」 

B)「うちなら一括請求システムをすぐにご提案できます!」 

C)「それは人手不足が原因でしょうか?」 

D)「請求ミスが出ることはありますか?」

正解:A「どの作業工程に一番時間がかかっていますか?」

解説:「手間がかかっている」と聞いたら、まずはどの部分にボトルネックがあるかを特定するのが優先です。作業工程がわかれば、課題解決の方向性も明確になります。 すぐ提案(B)や勝手な仮説(C)を立てると、相手の状況に合わないズレた提案になりがちです。

営業の基礎問題(ヒアリング編 4)

 第1問 

状況:法人顧客に対して、業務効率化ソフトの提案を検討中。 

ヒアリングで担当者はこう言いました。 

「現状、手作業が多くて時間はかかっていますが、まあ何とか回っています。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「それなら特に問題ないですね?」 

B)「どの作業に特に時間がかかっていますか?」 

C)「弊社のシステムならすぐに解決できます!」 

D)「予算はどれくらい確保されていますか?」

正解:B「どの作業に特に時間がかかっていますか?」

解説:「何とか回っている」という発言の裏には、潜在的な不満が隠れている場合があります。 

ここで「具体的に時間がかかる作業」を聞き出せれば、課題を顕在化でき、提案につなげやすくなります。 

問題ないと受け取る(A)とチャンスを逃し、すぐ提案(C)や予算の話(D)に飛ぶのは時期尚早です。

 第2問 

状況:個人顧客が住宅リフォームを検討中。 

ヒアリングでこう話しています。 

「キッチンが古くなってきたのが気になりますが、特に急ぎではないんですよね。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「急ぎでないなら今は提案しない方がいいですね?」 

B)「気になっている具体的な点はどこですか?」 

C)「最新のリフォームプランを今すぐご紹介します!」 

D)「他社さんにも相談されていますか?」

正解:B「気になっている具体的な点はどこですか?」

解説:「急ぎでない」という言葉だけで提案をやめる必要はありません。まずは「どこに不満や不安を感じているか」を丁寧に深掘りすれば、興味・関心を高めることができます。焦って提案(C)や競合確認(D)をするより、相手の感情や関心に寄り添う質問が重要です。

 第3問 

状況:法人顧客へのシステム提案のための初回ヒアリング。 

担当者はこう言いました。 

「今使っているシステムに大きな不満はありませんが、もう少し使いやすくできたらいいなとは思っています。」

次に取るべき質問はどれか?

A)「使いやすくするにはどんなことができれば理想ですか?」 

B)「それなら現状維持で問題ないですね?」 

C)「当社システムの最新機能をご紹介しましょうか?」 

D)「現在のシステムの利用料金を教えてください。」

正解:A「使いやすくするにはどんなことができれば理想ですか?」

解説:ここでは、顧客が感じている「もっと良くしたい」という意欲を逃さず、理想のイメージを具体的に引き出すのが正解です。現状維持を促す(B)、急いで機能紹介(C)、料金(D)の話に逸れるのは、ニーズを十分に引き出せない原因になります。

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