営業の基礎問題(基礎編 13)

第1問

顧客から「他社の方が安い」と強く値引きを要求された際、営業として最も適切な初期対応はどれか?

A. 他社の提示価格を聞いたうえで、それ以下の価格を即答する

B. 「弊社は品質が違うので」と値引きに応じず差別化だけを主張する

C. 他社との比較で顧客の評価基準を探り、重視する価値を確認する

D. 値引きが難しい旨だけを伝え、見積書を再提出する

正解:C. 他社との比較で顧客の評価基準を探り、重視する価値を確認する

解説:顧客の「価格」への反応の背景には、コスト意識・他社との比較・不安感・駆け引きなど多様な意図がある。そこで安易に値引きや差別化だけで返すのではなく、まずは顧客の評価軸(重視している価値)を探り、「なぜその価格が妥当だと思うのか」「どこを比較しているのか」などを丁寧に聞き出す必要がある。

第2問

BtoB商談において値引きを求められた際、最も長期的な利益確保に寄与する営業の対応はどれか?

A. 値引きに応じる代わりに、追加受注や契約期間延長などの条件交渉を行う

B. 値引きに一切応じず、価格の正当性を繰り返し主張する

C. 上司に相談し、判断を委ねることで顧客との対立を回避する

D. 値引きに応じてスムーズに契約を締結し、信頼を獲得する

正解:A. 値引きに応じる代わりに、追加受注や契約期間延長などの条件交渉を行う

解説:値引きに応じる場合でも「対価交換の原則」に基づいて対応することが重要。価格だけを下げると利益率が減少し、取引の継続性や信頼性が低下するリスクがある。一方、追加発注や支払い条件の改善など、相互メリットのある条件交渉を行えば、長期的な利益と関係性の維持が期待できる。

第3問

ある顧客が「上司から価格をもっと下げろと言われていて…」と相談調で値引きを要請してきた。最も信頼構築につながる対応はどれか?

A. 同情的に話を聞き、特別に割引対応することを約束する

B. 上司への説明に使えるよう、自社の価値・実績を論理的に整理して提供する

C. 値引きが難しいと即答し、話題を切り替える

D. 他社の価格や条件を詳しく聞き出し、情報収集に徹する

正解:B. 上司への説明に使えるよう、自社の価値・実績を論理的に整理して提供する

解説:顧客自身も社内調整に苦慮している状況では、単なる値引きではなく「社内説明に使える材料」を提供することが、営業としての信頼構築につながる。価格に見合う価値、実績、他社事例などを整理し、顧客が自信を持って社内説明できるよう支援する姿勢が、関係性を深めるうえで極めて効果的。

営業の基礎問題(基礎編 12)

第1問

以下のうち、顧客とのラポールが形成されている兆候として最も適切なのはどれか?

A. 顧客が提案に対して一切の反論をせず、黙って話を聞いてくれる

B. 商談中に顧客が突然、競合他社の悪口を言い始めた

C. 顧客が業務に関係のない雑談やプライベートの話題を自発的に持ち出す

D. 顧客からの質問が一切なく、こちらの話を終始メモしている

正解:C. 顧客が業務に関係のない雑談やプライベートの話題を自発的に持ち出す

解説:ラポールが形成されると、顧客は心を開き、商談とは直接関係のない話題や価値観、感情を共有し始める傾向があります。これは信頼と心理的安全性が確保されている証拠です。AやDは一見好反応に見えても「関心がない」可能性もあり、要注意です。

第2問

顧客が「この前の話、家に帰ってからも考えていて…」と語った場合、ラポールの視点で捉えるとどう解釈すべきか?

A. 自社の提案内容が複雑で、理解されていない可能性が高い

B. 顧客が自分との関係性に対して、一定の信頼を置いている状態と考えられる

C. 商談が長引いたために顧客にストレスがかかっていた

D. 顧客が単に悩みやすい性格なので、特に意味はない

正解:B. 顧客が自分との関係性に対して、一定の信頼を置いている状態と考えられる

解説:「帰宅後も考えていた」という発言は、商談内容や営業担当者の言葉が印象に残り、顧客の中で個人的な意味を持った状態を示しています。これは、営業担当者が信頼される相手として顧客の思考や感情に影響を与えている証拠であり、ラポールが進行していると考えられます。

第3問

ラポールを深める過程で、営業担当者が「自己開示」を行う際の注意点として最も適切なのはどれか?

A. 顧客の自己開示を引き出すには、先に自分の情報を多く話すべきである

B. 自己開示はビジネスにふさわしくないため、避けたほうがよい

C. 自己開示は、相手との関係性の段階に応じて適度に行うべきである

D. 自己開示をすると、商談の本筋から外れるため時間の無駄になる

正解:C. 自己開示は、相手との関係性の段階に応じて適度に行うべきである

解説:自己開示は、ラポール形成において効果的な手法ですが、「どのタイミングで・どの深さまで開示するか」が非常に重要です。相手との関係性が浅い段階で重すぎる話題を出すと、逆に距離を置かれる可能性があります。Cのように段階を踏んで適切な量と内容で開示することが信頼につながります。

営業の基礎問題(基礎編 11)

第1問

以下のうち、営業初期におけるラポール形成の戦略として最も効果が高いとされるのはどれか?

A. 商品やサービスの強みを丁寧に説明し、顧客の理解を促す

B. 顧客の業界動向や最近の取り組みに言及し、関心と理解を示す

C. 初回訪問ではなるべく商談を短くまとめ、次回のアポイントに注力する

D. 競合と差別化した提案内容を初回から伝えて主導権を握る

正解:B. 顧客の業界動向や最近の取り組みに言及し、関心と理解を示す

解説:ラポール形成においては「自分(顧客)に関心を持ってくれている」と相手が感じることが重要です。Bのように、顧客のビジネス背景や取り組みに触れ、関心とリサーチ力を示すことが、共感や信頼の第一歩になります。AやDは説明主体になりすぎると、一方的に感じられて逆効果になることもあります。

第2問

以下の顧客対応のうち、「共感」を活用してラポールを深めていると言える行動はどれか?

A. 顧客の課題に対して、すぐに自社ソリューションの機能を説明した

B. 顧客が現状の悩みを話したとき、「その気持ち、よくわかります」と共感を言語化した

C. 顧客が自分と違う意見を述べたときに、事実ベースで論破した

D. 顧客が話している最中に話題を転換し、目的の商材紹介に移った

正解:B. 顧客が現状の悩みを話したとき、「その気持ち、よくわかります」と共感を言語化した

解説:共感の言語化は、相手に「話を理解しようとしてくれている」「心情に寄り添ってくれている」と感じさせ、心理的距離を一気に縮める強力なラポール技術です。特にBのように、共感を言葉にして返す行動は信頼の土台になります。AやC、Dは一見効率的でも、顧客の心理を無視しており逆効果となる可能性があります。

第3問

顧客とのラポール構築において、「ミラーリング(相手の言動を合わせる)」の注意点として最も適切なものはどれか?

A. 相手の話し方をすべて真似ることで、自然と好意を得られる

B. 相手の身振りや言葉をそのまま模倣することで、短期的な信頼関係が築ける

C. 相手の表現やペースに自然に調和することが重要であり、過剰な模倣は逆効果になり得る

D. ミラーリングは営業において使うべきではない、信頼の基盤にはならない

正解:C. 相手の表現やペースに自然に調和することが重要であり、過剰な模倣は逆効果になり得る

解説:ミラーリングは有効なラポール形成手法ですが、やりすぎは「わざとらしさ」「不自然さ」につながり、逆に相手に不快感を与えることがあります。大切なのは、「自然に」「相手のリズムに調和する」こと。声のトーン、スピード、話題の展開などをさりげなく合わせることで、相手は「この人は話しやすい」と感じやすくなります。

営業の基礎問題(基礎編 10)

第1問

顧客に対して「初月は無料です。2か月目以降、自動的に有料プランに移行します」と説明したサブスクリプション型提案で、解約率が非常に低かった。この現象に最も深く関わる行動経済学的効果はどれか?

A. サンクコスト効果

B. デフォルト効果

C. アンカリング効果

D. 所有効果(エンダウメント効果)

正解:B. デフォルト効果

解説:デフォルト効果とは、「選択しないと自動的に選ばれる選択肢(初期設定)」がある場合、多くの人がそのまま選択してしまう傾向のこと。無料から有料への自動移行は、顧客が「解約」という能動的行動を取らない限り継続されるため、高い維持率につながります。

第2問

営業担当者が「◯◯プランは本来12万円ですが、今回に限り8万円で提供できます」と提示したところ、顧客は8万円を「お得」と感じた。このとき、顧客が影響を受けている可能性が高いのは次のうちどれか?

A. フレーミング効果

B. アンカリング効果

C. ヴィヴィッドネス効果

D. ステータスクオーバイアス

正解:B. アンカリング効果

解説:アンカリング効果とは、先に提示された数値や情報(ここでは12万円)が、その後の判断の基準(アンカー)となってしまう現象。実際には8万円が妥当かどうかは関係なく、「12万円→8万円」という対比で「割安」に感じる心理が働いています。

第3問

顧客が「もうここまで資料を読んで、検討に時間を使ったのだから」と言って契約を決断した場合、最も強く影響している心理メカニズムはどれか?

A. 損失回避性

B. 一貫性の原理

C. サンクコスト効果

D. ヒューリスティックバイアス

正解:C. サンクコスト効果

解説:サンクコスト効果(埋没費用効果)とは、「すでに費やした時間・労力・金銭をムダにしたくない」という思考が働き、非合理な意思決定をしてしまう心理効果です。営業では、事前に顧客にある程度の“思考負荷”をかけることでクロージングにつなげる戦略にも応用されます。

営業の基礎問題(基礎編 9)

第1問

営業担当者が、2つのプラン(Aプラン:機能少ないが安価/Bプラン:高機能で高額)を提示したうえで、あえて機能も価格も中途半端な「Cプラン」を追加で提示したところ、多くの顧客がBプランを選ぶようになった。このとき顧客行動に影響を与えているのはどれか?

A. アンカリング効果

B. 極端回避性

C. デフォルト効果

D. 誘引効果(おとり効果)

正解:D. 誘引効果(おとり効果)

解説:誘引効果(おとり効果)とは、ある選択肢を相対的に魅力的に見せるために、わざと劣った第三の選択肢を提示することで、特定の選択に誘導する現象です。営業では「本当に売りたいプラン」に意図的に注目を集めるためのテクニックとして使われます。

第2問

営業担当者が保険商品の提案時に「この保険に加入しない場合、事故時に◯◯万円の損失が出る可能性があります」と説明したところ、加入率が大幅に上がった。このとき働いている行動経済学上の原理はどれか?

A. 利得回避性

B. 損失回避性

C. フレーミング効果

D. ナッジ理論

正解:B. 損失回避性

解説:損失回避性(ロスアバージョン)とは、人間は「得をすること」よりも「損をしないこと」に対して強く反応する傾向があるという心理特性です。営業では、リスクや逸失利益を具体的に示すことで意思決定を後押しするテクニックとして使われます。

第3問

ある営業チームでは、見積もりを3日以内に提出した顧客には特典を付けるという「期間限定インセンティブ」を設けたところ、意思決定スピードが大幅に上がった。この施策が活用している行動経済学の理論はどれか?

A. フレーミング効果

B. メンタルアカウンティング

C. ナッジ理論

D. 時間割引率の影響

正解:C. ナッジ理論

解説:ナッジ理論は、人々の選択を「自由に保ちながらも望ましい方向にそっと後押しする」アプローチです。営業では、意思決定の“面倒さを減らしたり、“今動くと得”という選択環境を設計することで、自然な行動変容を引き起こすことができます。

営業の基礎問題(基礎編 8)

第1問

新規顧客への初回アプローチにおいて、営業担当者が「御社の取り組みを拝見し、非常に共感しました」と伝えたあと、「実は、私も以前似た業界にいました」と話を展開する。こうした親近感の醸成に関係する心理効果はどれか?

A. バンドワゴン効果

B. 同調圧力

C. 類似性の法則

D. 返報性の原理

正解:C. 類似性の法則

解説:「類似性の法則」は、人は自分と共通点のある相手に好意を抱きやすいという心理傾向です。初回接点での信頼獲得や心理的距離の短縮には非常に有効で、自己開示や共通点提示が営業アプローチにおいて重要な要素となります。

第2問

商談中、顧客が不満を口にした際、営業担当者が「それはご不便をお感じになりますよね」と感情に寄り添う応答を行った上で、「その背景について少し詳しく教えていただけますか?」と質問を続けた。これはどの心理スキルに基づくアプローチか?

A. エンパシー・リスニング

B. バックトラッキング法

C. ミラーリング効果

D. フット・イン・ザ・ドア・テクニック

正解:A. エンパシー・リスニング

解説:エンパシー・リスニング(共感的傾聴)は、相手の感情に共感しながら聴く技法です。単なる情報収集ではなく、相手の感情を理解・受容することで信頼を築き、より深いニーズを引き出すことができます。

第3問

営業のクロージングで、担当者が「このご提案がもし御社にフィットしないようであれば、今回は見送っていただいて構いません」とあえて一歩引いた表現をしたところ、顧客の購入意思が強まった。この現象に関係する心理効果はどれか?

A. ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

B. 心理的リアクタンス

C. フレーミング効果

D. ウィンザー効果

正解:B. 心理的リアクタンス

解説:心理的リアクタンスとは、「選択を制限された」と感じると、逆にその選択をしたくなる心理反応です。クロージングであえて「買わなくてもいい」と伝えることで、顧客は「自分で選んでいる」という自由を感じ、意思決定しやすくなります。

営業の基礎問題(基礎編 7)

第1問

営業担当者が、顧客の過去の選択に敬意を表しつつ、「そのご判断があったからこそ、今回のアップグレード提案にも意味があります」と説明することで、顧客の継続的意思決定を促す。このとき働いている心理効果はどれか?

A. バンドワゴン効果

B. 一貫性の原理

C. ハロー効果

D. アンカリング効果

正解:B. 一貫性の原理

解説:「一貫性の原理」は、人は自分の過去の発言や選択と整合性のある行動を取りたがる傾向があるという心理法則です。過去の選択を肯定し、そこからの“自然な流れ”として次の提案を示すことで、顧客は受け入れやすくなります。

第2問

提案の初期段階で高めの金額プランを提示し、その後「実際はこの中間プランが一番人気です」と中位案を推すことで顧客の受容性を高める。このとき営業で使われている心理的テクニックはどれか?

A. コントラスト効果

B. ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック

C. アンカリング効果

D. サンクコスト効果

正解:C. アンカリング効果

解説:アンカリング効果は、最初に提示された情報(この場合は高額プラン)が基準点となり、その後の提案(中間プラン)を「割安・妥当」と感じさせる心理効果です。価格設定や交渉術でも広く用いられます。

第3問

ある営業担当者は、新製品の提案において「この機能に不安があるという声も一部にはありますが、それに対して我々はこう対応しています」とネガティブな側面も事前に提示する。これが顧客の信頼を高めるのはなぜか?

A. 認知的不協和の解消

B. 両面提示効果

C. ハロー効果

D. バックファイア効果

正解:B. 両面提示効果

解説:両面提示効果とは、ポジティブな情報だけでなくネガティブな要素もあえて示すことで、相手の信頼感を高め、説得力を増す手法です。営業ではリスクや欠点も包み隠さず伝えることで、「誠実な提案」と受け取られやすくなります。

営業の基礎問題(基礎編 6)

第1問

顧客との交渉の場面で、営業担当者が「このプランは他のお客様にも非常に好評で、すぐに在庫がなくなる可能性があります」と伝えることで購入を後押ししようとする。このとき活用されている心理的効果はどれか?

A. 単純接触効果(ザイアンス効果)

B. 希少性の原理

C. 両面提示の法則

D. スノッブ効果

正解:B. 希少性の原理

解説:「希少性の原理」は、人は「限定」「残りわずか」などの情報に反応して、価値をより高く感じてしまう心理傾向です。営業では購入意思を高めるテクニックとしてよく使われます。Dのスノッブ効果(他人が持っていないから欲しい)は似て非なる概念です。

第2問

法人顧客に対する提案時、営業担当者が「御社のような業界リーダーであれば、このような成長戦略にチャレンジされるのが当然かと思います」と語り、無意識に相手の行動を導く。このとき活用されている心理学的テクニックはどれか?

A. 一貫性の原理

B. 権威への服従

C. ラベリング効果

D. 返報性の原理

正解:C. ラベリング効果

解説:ラベリング効果とは、「あなたは○○な人ですね」と第三者から言われることで、そのラベル通りに行動してしまう心理傾向です。ここでは「業界リーダー」という肯定的ラベルが行動を促すきっかけとなっています。

第3問

営業プレゼンの中で、「競合他社ではこの機能は標準ではありませんが、当社は標準装備です。さらに価格も割安です」と強調する。これはどの心理効果を狙ったものであるか?

A. コントラスト効果

B. 確証バイアス

C. フレーミング効果

D. 認知的不協和

正解:A. コントラスト効果

解説:コントラスト効果は、比較対象を提示することで本来の価値を強調する心理効果です。ここでは「競合より劣っていない・むしろ優れている」ことを際立たせるため、対比構造を用いています。確証バイアスは意思決定後の情報収集傾向に関わります。

営業の基礎問題(基礎編 5)

第1問

ある製造業の法人営業チームは、新たな製品の提案先として「高収益だが競合が多いA社」「収益は低いがシェア拡大中のB社」「リスクはあるが成長市場を持つC社」の3社を検討している。このとき、意思決定の妥当性を論理的に導くために最も適したフレームワークの組み合わせはどれか?

A. ファイブフォース分析 × VRIO分析

B. STP分析 × バリュープロポジションキャンバス

C. SWOT分析 × 意思決定マトリクス(評価基準)

D. 4P分析 × AIDMAモデル

正解:C. SWOT分析 × 意思決定マトリクス(評価基準)

解説:SWOT分析で各企業へのアプローチにおける内部要因・外部要因を整理し、意思決定マトリクス(重要度 × 評価点)によって各選択肢を数値的に比較する手法は、戦略的な営業判断に極めて有効です。

第2問

ある営業マネージャーは、提案活動の質と効率を向上させるため、営業プロセス全体を「顧客目線」で設計し直そうとしている。その際に最も適したフレームワークの組み合わせはどれか?

A. PEST分析 × ファイブフォース分析

B. カスタマージャーニーマップ × バリュープロポジションキャンバス

C. 3C分析 × VRIO分析

D. PDCAサイクル × AIDMAモデル

正解:B. カスタマージャーニーマップ × バリュープロポジションキャンバス

解説:カスタマージャーニーマップにより、顧客の行動・感情・接点を可視化し、バリュープロポジションキャンバスで顧客の期待に合致する価値を設計することで、「売り手主導」から「買い手主導」への営業プロセス変革が可能になります。

第3問

あなたのチームは、新規事業向けに営業戦略を立案している。事業リスクを抑えつつ初期顧客獲得のために最も重要なアプローチは、「顧客の課題を最小コストで素早く検証」すること。この目的に最も適した営業的アプローチ手法・フレームワークはどれか?

A. PDCAサイクルによるプロセス改善

B. ファネル分析による確度別管理

C. リーンキャンバスによる仮説検証型営業

D. AIDMAモデルによる訴求順序の整理

正解:C. リーンキャンバスによる仮説検証型営業 解説:リーンキャンバスは、最小限のリソースで「仮説 → 検証 →学び → 修正」を短期サイクルで回す新規事業やスタートアップ向け手法です。営業活動においても、課題仮説をもとに顧客インタビューやテスト提案を行い、市場ニーズを早期に把握できます。

営業の基礎問題(基礎編 4)

第1問

あなたの担当する法人顧客は、競合他社との価格比較を重視する傾向が強く、価格以外の価値を伝えにくい状況にあります。このような市場環境において、「競争優位性」を構造的に分析するために最も適したフレームワークはどれか?

A. ファイブフォース分析

B. 3C分析

C. VRIO分析

D. STP分析

正解:C. VRIO分析

解説:VRIO分析は、自社のリソースやケイパビリティが「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣困難性(Inimitability)」「組織活用性(Organization)」を備えているかを評価し、競争優位を築けるかを検証します。価格競争以外の価値訴求には有効です。

第2問

ある営業マネージャーは、既存市場での競争が激化している中、新たな収益源を模索している。自社の強みを活かして新たな機会を探索するために最も適したフレームワークはどれか?

A. SWOT分析

B. PEST分析

C. ファイブフォース分析

D. STP分析

正解:A. SWOT分析

解説:SWOT分析は、内部要因(Strength, Weakness)と外部要因(Opportunity, Threat)を組み合わせて戦略の方向性を導き出すフレームワークです。特に「強み×機会(S×O)」の掛け合わせは、新規チャレンジに有効です。

第3問

ある営業チームは、見込み顧客との初回商談で相手の意思決定プロセスが読み切れず、提案が空振りするケースが続出しています。この状況を改善するために有効なフレームワークはどれか?

A. FABE(Feature-Advantage-Benefit-Evidence)

B. DMU(Decision Making Unit)分析

C. AIDMAモデル

D. 4P分析

正解:B. DMU(Decision Making Unit)分析

解説:DMU分析は、法人営業などにおいて「誰が意思決定に関与しているのか(決裁者・影響者・使用者など)」を可視化するためのフレームワークです。BtoB営業では、提案相手と決裁者が異なることが多いため、これを把握することで商談成功率が大きく高まります。

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