「モノ消費」「コト消費」「イミ消費」

「モノ消費」「コト消費」「イミ消費」は、日本の消費の変遷を表すキーワードです。

【モノ消費】 「モノ消費」とは、物理的な製品や商品を購入することに重点を置いた消費の形態です。過去の日本では、経済成長期や高度成長期において、物質的な豊かさや所有欲求が高まり、消費者は製品やブランド品などの物的な価値を追求しました。一つの象徴としては、高級ブランド品の購入や高額な車の所有などが挙げられます。

【コト消費】 「コト消費」とは、経験や体験に重きを置いた消費の形態です。2000年代以降、日本の消費者は所有物に固執せず、旅行・観光、飲食、イベントなどの体験やコミュニケーションを重視するようになりました。消費者は自分自身や家族、友人との思い出づくりや豊かな経験を追求し、新たな価値を見出す傾向があります。また、SNSの普及により、体験を共有することが容易になり、より一層コト消費が広まりました。

【イミ消費】 「イミ消費」とは、商品やサービスに対する意味や価値を重視した消費の形態です。近年の日本では、物的な所有や経験だけではなく、商品やサービスが持つストーリーやブランドの哲学、社会的な影響などに着目し、それに共感や意味を見出す消費が増えています。消費者は個々の商品やブランドが持つバリューを重視し、その背景やメッセージに共感することで、消費の選択を行います。例えば、環境に配慮した商品や社会貢献活動に積極的な企業の製品を支持する傾向があります。

    これらの消費の形態は相互に関連しており、変遷してきました。過去には物的な所有や物質的な価値を追求すすることが大切な価値観となっていました。

    モノ消費からコト消費への変遷は、日本の経済や社会の変化、価値観の転換などが背景にあります。以下に変遷の要因をいくつか挙げます。 高度成長期や経済成長期において、物的な豊かさや所有欲求が主眼でしたが、次第に消費者の関心は所有物だけではなく、充実した経験や心地よいライフスタイルへとシフトしていきました。: 2000年代初頭には、リーマンショックをはじめとする経済的な不安定要因が存在しました。このような経済状況や資源の制約により、消費者は消費を見直し、より節約や効率的な使い方を求めるようになりました。 若者層を中心に、働き方や生活スタイルが多様化しました。一方で、個々のアイデンティティや自己表現の重視も増してきました。このような変化により、所有物に固執せず、体験やコミュニケーションを重視するコト消費が支持されるようになりました。

      コト消費からイミ消費への変遷は、より意味や価値を求める消費者の意識の変化によるものです。 環境問題や社会的な課題への関心が高まり、消費者は商品やサービスが持つ社会的な価値や環境への配慮を求めるようになりました。企業のCSR活動や持続可能な取り組みに共感する消費が広がり、イミ消費へのシフトが生じました。商品やブランドの背景にある哲学やストーリーテリングの重要性が大事なこととされます。イミ消費では、消費者が自己のパーソナリティやアイデンティティを表現するために、商品やサービスに対して共感や意味を見出す傾向があります。消費者は自分の価値観や個性に合致するブランドや製品を選び、それを通じて自己を表現しようとします。 インターネットの普及により、消費者は商品やブランドに関する情報に簡単にアクセスできるようになりました。商品やブランドの情報を詳細に調べ、その哲学やストーリーについて深く理解することができます。これにより、消費者はより意味のある商品やブランドを選ぶ傾向が強まりました。イミ消費では、消費者とブランドや企業の関係が重要視されます。消費者はブランドとのコミュニケーションやエンゲージメントを通じて、商品やサービスに対する共感や意味を感じようとします。ブランドが提供する体験やコミュニティに参加することで、消費者はより深い関係を築きます。

        これらの変遷は、消費者の意識や価値観の変化、社会や経済の変化、技術の進歩など様々な要因によって形成されました。モノ消費からコト消費へ、そしてイミ消費への移行は、より豊かな経験や意味のある消費を追求する消費者のニーズの変化を反映しています。

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