営業の基礎問題 (小売業の基礎知識 5)

問題1 商品政策(品揃え最適化)に関する問題

ある小売企業では、売場効率を高めるためにカテゴリ別の棚割りを再設計しようとしている。棚割り最適化において、プロダクトミックス全体の利益最大化を狙う際に最も重視すべき考え方はどれか。

A. 各SKUの売上金額に応じて棚スペースを比例配分する。

B. 各SKUの限界利益と弾力性、交差弾力性を考慮して棚スペースを配分する。

C. 欠品頻度の高いSKUを優先して棚スペースを増やす。

D. 売れ行きの遅いロングテール商品は棚からすべて排除する。

正解:B

解説:

「棚割りは売上の単純比例ではなく、利益貢献度×価格弾力性×クロスカテゴリ効果」を踏まえて最適化します。

特にプロダクトミックス全体の利益を考える場合、

 限界利益(粗利)

 自カテゴリ内・別カテゴリとの交差弾力性(互いへの影響)

 代替・補完関係

  が重要。 Aは単純すぎ、C・Dは部分最適に陥る可能性が高く、全体最適には対応できません。

問題2 需要予測に関する問題(高度)

小売チェーンがデータ分析チームと連携し、需要予測モデルを改善しようとしている。

季節変動とトレンド変動の両方が大きいカテゴリー(例:衣料品)の需要予測精度を高める手法として、最も適切なのはどれか。

A. 単純移動平均法を用い、過去3か月の売上だけを基礎に予測する。

B. トレンド成分と季節成分を分離して分析できる分解法(decomposition)を用いる。

C. 変動が大きいカテゴリーは需要予測を行わず、発注は担当者の経験に依存させる。

D. 過去の最大売上を基準に安全在庫を多めに積み上げて対応する。

正解:B

解説:

時間系列分解法(トレンド・季節性・不規則要因の分離)は1級レベルで必須。

これにより季節性(夏物・冬物)とトレンド(流行・人口変動による長期変化)を同時に扱えるため、需要予測精度が向上します。

Aは季節変動に弱く、Cは精度が不十分、Dは過剰在庫のリスクが極めて高い。

問題3 マーケティング戦略(流通チャネル)に関する問題

メーカーが自社ECを強化しつつ小売店との関係も維持したいと考えている。

この場合に採用すべき「チャネルコンフリクトの管理」の考え方として最も適切なのはどれか。

A. ECチャネルを優先し、小売店向け出荷を段階的に縮小する。

B. 小売店とECで価格差を大きくつけ、ECのほうが安くなるよう設定する。

C. チャネルごとに役割を明確化し、差別化された価値提供を設計する。

D. チャネル間の競争をあえて放置し、市場が自然に調整するのを待つ。

正解:C

解説:

チャネルコンフリクト対策の王道は 「チャネルの役割分担」。

オムニチャネル戦略

 チャネルごとの機能特化(小売店=体験・即時性、EC=利便性など)

 価格以外の価値の差別化

  が重要視されます。

  A・Bはチャネルを弱め関係悪化を招き、Dは長期的にブランド価値を毀損する可能性があります。

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