営業は「感情で話すべきか、論理で話すべきか」という問いは、実はどちらか一方ではなく、役割が違うので使い分けが必要というのが本質です。
1. 感情だけで話すのはよくない理由
感情だけで話すと話がふわふわして論点が分からない、お客様が判断しづらい、「勢いだけ」「根拠がない」と見られるといった問題が起きます。
営業はお客様のお金や労力を使ってもらう仕事なので、根拠・理由・比較を示すための論理は絶対に必要です。
2. 論理だけで話すのも成功しづらい
逆に、論理だけだと冷たい、自分ごとに感じられない、「頭では理解したけど買う気にならない」という状態になりやすいです。
お客様は“人間”なので、不安・期待・安心・信頼などの感情が行動を決める部分があります。
3. 営業に必要なのは「論理で説明し、感情で納得してもらう」
この順番が大切です。
● 論理の役割
“なぜ必要なのか”を説明する
事実やデータで信頼をつくる
比較や根拠で安心してもらう
● 感情の役割
「この人から買いたい」と思ってもらう
不安を取り除く
期待や前向きな気持ちを引き出す
この両方がそろうと、商談がスムーズに進みます。
4. 実際の現場でのバランス
営業の会話はだいたい次のように進めると効果的です。
(1) 共感(感情)
「その状況、大変ですよね」
(2) 課題整理(論理)
「つまり、◯◯と△△が原因と考えられます」
(3) 提案(論理)
「そこで、こういう方法が効果的です」
(4) 安心提供(感情)
「同じ状況だった企業でも、こういう改善がありました」
(5) 背中を押す(感情+論理)
「始めるタイミングとしては今が一番リスクが少ないです」
このように、論理で理解させ、感情で前へ進んでもらうという構造が最も自然です。
営業は
論理で信頼をつくり、感情で行動をつくる仕事です。
論理=説明力
感情=共感力・安心感
両方そろって初めてお客様の意思決定が進みます。


