ラポールとは、お客様と「安心して話せる関係」ができている状態のことです。
緊張や警戒がとれ、自然に情報を話してくれるようになる“心理的な橋”と考えるとわかりやすいです。
なぜ営業でラポールが重要なのか?
信頼できない相手には本音(予算・本当の悩み・決裁者情報など)を話さない
本音がわからないと、適切な提案ができず受注率が下がる
競合よりも「あなたに任せたい」と思ってもらうための前提になる
つまり、ラポール=ヒアリング・提案の質を大きく左右する“入口の技術”です。
ラポール構築の3つの柱(シンプルで実践的)
① 安心感をつくる(姿勢・表情・トーン)
最初の数十秒で決まる部分。
笑顔・落ち着いた声のトーン
姿勢を少しお客様側に向ける
聞く姿勢(うなずき・相槌)を明確に示す
相手が話しやすい“間”をつくる
➡ 「この人は敵じゃない」と思ってもらうことがスタート。
② 共通点・共感をつくる(ミラーリング)
相手が「この人と話しやすい」と感じるための工夫。
相手の話し方のスピードを軽く合わせる
相手の興味・価値観に合わせた話題を使う
「わかります」「たしかにその通りですね」と感情面まで丁寧に拾う
過度ではない範囲のミラーリング(姿勢・リアクション)
➡ 相手は「似ている人」に心を開きやすい。
③ 有益な情報提供(小さな価値提供)
会話の早い段階で
「この人と話すと役に立つ」と感じてもらう。
小さな業界情報・市場の変化の共有
相手が困っていることへの簡単なヒント
すぐ使える小さなアドバイス
➡ 信頼は“与える”から始まる。売り込みは逆効果。
■ ラポール構築の NGパターン(避けるべきこと)
自分の話が多い(自己PR過多)
いきなり商品説明を始める(売り込み感)
相手の言葉を途中で遮る
相手の価値観を否定する
無理な距離の詰め方(馴れ馴れしさ)
➡ ラポールは「距離感の最適化」であり、距離の詰めすぎは逆効果。
ラポールができているときの状態(サイン)
相手の発言量が増えている
雑談の“質”が高まる(表面的→内面的へ)
予算・決裁者・導入条件を自然に話してくれる
相手の質問が増える(=興味と信頼のシグナル)
営業でのラポール構築を一言で言うと
「この人なら安心して話せる」と相手に思ってもらうための、意図的なコミュニケーション設計のこと。


