問題1
物流におけるABC(活動基準原価計算)の適用目的として最も適切なものはどれか?
A. 在庫回転率を上げるための在庫削減手法の確立
B. 各物流活動にかかるコストを正確に把握し、収益性の高い取引先や商品群を特定するため
C. ピッキング作業の自動化による作業効率の最大化
D. トラック輸送の積載率を改善するためのルート最適化分析
正解:B
解説:
ABC(Activity Based Costing)は、各業務活動ごとにコストを配賦し、実際にかかっている間接費を正確に把握するための原価計算手法です。営業にとっては、物流費の構造を理解し、取引先別・商品別の「真の収益性」を評価するために重要です。選択肢Bはその目的を的確に表しています。
問題2
次のうち、物流ABCで「コストドライバー(コストの要因)」として最も適切でないものはどれか?
A. 出荷件数
B. 保管日数
C. 荷主企業の売上高
D. ピッキング回数
正解:C
解説:
コストドライバーとは、活動ごとにコストの発生要因を示す指標のことです。出荷件数・保管日数・ピッキング回数などは、それぞれが活動(出荷、保管、ピッキング)に連動しており、物流コストの配賦基準となります。一方、Cの「売上高」は物流活動とは直接関係がないため、ABCのコストドライバーとしては適切ではありません。
問題3
営業担当がABC分析によって把握できる「高コスト低収益取引先」に対して最も合理的なアクションとして適切なのはどれか?
A. 即時に取引停止を打診する
B. 値引きをして継続的な取引を促す
C. 物流条件(出荷頻度・ロット)などの見直しを提案する
D. 物流費の社内吸収を営業部門が申し出る
正解:C
解説:
ABC分析により「物流コストの高い取引先」が明らかになった場合、まずは出荷ロットの集約、納品頻度の調整、納品場所の変更など、物流条件の見直しを通じてコスト削減を提案するのが合理的です。選択肢Cはコスト構造に基づいた営業的アプローチとして最も適切です。


