営業の基礎問題 (債権管理 11)

問題1

商品の「所有権の移転時期」に関する契約書の定めとして、適切な理解はどれか?

A. 所有権は売買契約書の締結時に必ず移転する

B. 所有権の移転は法律で定められており、契約当事者が自由に定めることはできない

C. 所有権の移転時期は、契約書で特約しない限り、原則として引渡時に移転する

D. 所有権の移転には、必ず登記手続きが必要である

正解:C

解説:民法上、動産の所有権は、当事者の合意があれば契約時に移転しますが、特段の合意がなければ「引渡し」によって移転します。ただし、契約書で「検収完了後に移転する」「代金全額支払い後に移転する」などの特約がある場合は、それに従います。営業実務ではリスク管理の観点から、所有権の移転時期を明記しておくことが重要です。

問題2

以下のうち「所有権留保」に関する説明として正しいものはどれか?

A. 所有権留保とは、代金支払前であっても買主にリスクを移転する条項である

B. 所有権留保は、売主が代金を受領するまでは商品の所有権を保持することを意味する

C. 所有権留保の条項は、買主の希望により遡及して適用される

D. 所有権留保は一部代金が支払われた時点で自動的に解除される

正解:B

解説:所有権留保とは、売主が商品を引き渡した後でも、買主が代金を全額支払うまではその商品の所有権を保持する契約上の手当です。買主が支払い不能などのトラブルを起こした際、売主は商品を回収する権利を保持できます。これは特に分割払いや後払いの取引でリスクヘッジとして用いられます。

問題3

商品の「瑕疵担保責任」に関して、売主側が注意すべきこととして最も適切なのはどれか?

A. 商品に瑕疵があっても、納品した時点で売主の責任は終了する

B. 契約書で免責条項を入れておけば、故意または重過失の瑕疵でもすべて免責される

C. 契約書で定めがない場合、買主は相当期間内に通知すれば、瑕疵について売主に責任を追及できる

D. 一度でも商品を使用した場合、買主は瑕疵の主張ができなくなる

正解:C

解説:民法上、売主は隠れた瑕疵がある場合に「瑕疵担保責任(契約不適合責任)」を負います。契約書に定めがない場合でも、買主は「相当期間内」に通知すれば、修補・代替品請求・代金減額・契約解除・損害賠償を求めることが可能です。免責条項は有効に定めることはできますが、故意や重過失がある場合は無効とされることがあるため、注意が必要です。

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