営業の基礎問題 (債権管理 10)

問題1

相殺が禁止されるケースとして、最も適切なものはどれか?

A. 相殺される債権が弁済期にある場合

B. 相殺される債権が損害賠償請求権である場合

C. 相手方の意思に反する場合

D. 相殺される債権が差押えを受けた後のものである場合

正解:D

解説:相殺は、法律上認められる場合を除き、原則として債権者が他人の権利を害することなく行える手段です。しかし、すでに差押えを受けている債権については、差押え後に取得した債権での相殺は原則として禁止されています。これは、第三者(差押債権者)の権利を保護するためです。

問題2

以下の契約条項の法的効力として正しいものはどれか?

「いかなる場合も当社に対する債権をもって相殺することはできない。」

A. 債権者の一方的な都合により相殺禁止は無効である

B. 相殺禁止条項は原則として有効であり、契約当事者を拘束する

C. 相殺禁止条項は消費者契約に限り有効である

D. 相殺禁止条項は道義的拘束力を持つが、法的拘束力はない

正解:B

解説:契約自由の原則に基づき、相殺禁止条項は原則として有効です。つまり、相手方が契約において「相殺は一切できない」と定めている場合、それに同意して契約した当事者はその条項に従わなければなりません。ただし、公序良俗や信義則に反する場合など例外はあります。

問題3

次のうち、「期限の利益の喪失」に該当しないケースはどれか?

A. 債務者が破産手続開始の申立てを行った場合

B. 債務者が担保物件を勝手に処分した場合

C. 債務者が支払を1日遅延した場合(契約条項に特に定めがない)

D. 債務者が融資元本の一部を任意で繰上返済した場合

正解:D

解説:期限の利益の喪失は、債務者が信頼を損なう行為をした場合や契約違反をした場合などに適用されます。しかし、Dのように「任意で一部繰上返済」する行為は、むしろ信用性の高さを示す行動であり、期限の利益の喪失には該当しません。A〜Cはいずれも契約によっては期限の利益を失う原因となります。

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