営業の基礎問題 (債権管理 9)

問題1

「相殺」に関する理解として正しいものはどれか?

A. 相殺は契約当事者の合意がなければ一切行えない

B. 相殺は一方的に行えるが、相手に通知する義務はない

C. 相殺とは、一方の債権を他方の債務と差し引いて帳消しにすること

D. 相殺は金銭の貸し借りにしか使えない

正解:C

解説:相殺とは、相手に対して持つ債権を、自分がその相手に対して負っている債務と差し引き、互いに帳消しにする法的手段です。例えば、相手に10万円の売掛金があるが、同時に相手から10万円を借りていた場合、相殺することで双方の債権債務が消滅します。相殺は法律上の要件を満たせば一方的に行うことができますが、通知は必要です。

問題2

「期限の利益の喪失」に関して、正しい説明はどれか?

A. 支払い期日が来る前でも、契約書に記載されていれば即時支払い義務が生じることがある

B. 期限の利益の喪失とは、営業成績に期限があることを意味する

C. 一度期限の利益を喪失しても、再契約すれば無効化できる

D. 期限の利益の喪失は、原則として債権者の都合でいつでも適用できる

正解:A

解説:「期限の利益」とは、契約で決められた支払い期限までに支払えば良いという債務者の権利のことです。これを喪失すると、期日前であっても即時に全額の支払いを求められる可能性があります。例えば、「手形が不渡りになった場合」や「契約違反をした場合」は、契約書に定めておくことで期限の利益を喪失し、全額一括請求が可能になります。

問題3

以下の契約条項の目的として最も適切なものはどれか?

「債務者が支払を怠った場合には、当然に期限の利益を失い、債務の全額を直ちに支払うものとする。」

A. 債権者の支払義務を軽減するため

B. 債務者の信用度を高めるため

C. 債務者の支払遅延に備え、早期回収を可能にするため

D. 契約を即時解除することを保証するため

正解:C

解説:この条項は、債務者が支払いを怠った場合に「期限の利益(分割払いや支払猶予)」を失わせ、全額を一括で回収できるようにするものです。営業の現場では、売掛金の早期回収を実現するためにこうした条項が用いられます。信用リスクの高い取引相手との契約では特に重要です。

Young woman giving an OK hand sign indoors

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP