営業の基礎問題 (債権管理 6)

問題1 

顧客が支払いを長期にわたり滞納しているにも関わらず、営業担当が独断で納品を継続していた場合に起こりうる最も深刻なリスクはどれか?

A. 顧客からの信頼を失う 

B. 納期遅延によるクレームが増える 

C. 社内の在庫管理に影響が出る 

D. 貸倒損失によって会社に財務的な損害が発生する 

正解:D 

解説:支払遅延が続く中で納品を続けることは、未回収債権の膨張につながり、最終的に「貸倒損失」という重大な財務リスクを企業にもたらします。与信管理は社内の重要統制の一部であり、営業個人の裁量で逸脱してはならない領域です。

 問題2 

営業担当者が契約書を交わさずに商品の出荷を進めたところ、顧客から支払拒否を受けました。このとき問題となる最も重要なポイントはどれか?

A. 出荷時の上司への報告漏れ 

B. 営業目標の未達 

C. 契約条件の不明確さによる法的リスク 

D. 競合との比較価格の不備 

正解:C 

解説:契約書がない状態で出荷を進めると、納品・支払条件、返品条件などに関してトラブルが起きた際、法的に自社の立場が弱くなります。与信管理だけでなく、「契約を結んでから商品を出荷する」というプロセス管理も営業に求められる基本行動です。

問題3 

ある顧客が「キャンペーンを利用して、支払いを半年後にしてほしい」と依頼してきました。このような申し出に対して営業がまず取るべき対応はどれか?

A. キャンペーン内容が売上に貢献するなら柔軟に対応する 

B. 営業部門内で相談し、条件を変更して即決する 

C. 支払条件の延長による与信リスクを社内で精査する 

D. 顧客の要望なので、できるだけ早く了承する 

正解:C 

解説: 一見魅力的な注文でも、支払条件が通常より延びる場合は「与信期間の延長=リスクの増加」となります。こうしたケースでは、経理部やリスク管理部門と連携して慎重にリスク分析を行う必要があります。制度の“抜け道”を悪用されないよう、例外対応は厳重な審査が必要です。

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