営業の基礎問題 (債権管理 3)

問題1 

あなたは取引先A社(売上高100億円規模)の担当営業です。 

最近、A社の支払が1週間遅れることが増え、また新聞に「A社、金融機関と借入返済条件を交渉中」との記事が出ました。 

今のところ支払遅延は限定的ですが、違和感を覚えています。

この時、最初に取るべきアクションとして最も適切なものはどれか?

A. A社への出荷・納品を即座に停止する 

B. A社の与信限度額を社内に報告し、引き下げを検討する 

C. A社に直接事情を聴きに行き、追加注文を促す 

D. A社に対する売掛金を即時ファクタリングで現金化する手続きを始める 

正解  B. A社の与信限度額を社内に報告し、引き下げを検討する

解説  まずすべきは社内でリスク共有と与信見直しの提案です。 

出荷停止やファクタリングなどは、会社の正式方針なしに勝手に進めるべきではありません。営業独断で動くと、取引悪化や会社損失リスクが増します。

 問題2 

あなたの担当する取引先B社(中堅製造業)が、突然一部銀行から「融資打ち切り」を受けたという情報が入りました。 

B社からは「問題ない、取引は続けてほしい」と伝えられていますが、次回納品予定分(1,000万円)について、どう対応すべきか問われています。

あなたの対応方針として最も妥当なものはどれか?

A. 次回納品を停止し、B社の財務状況を正式に再確認する 

B. 次回納品は通常どおり行い、代わりに支払条件を一括前払いに変更する 

C. とりあえず少額だけ納品し、リスク分散を図る 

D. 取引を即座に全面停止する 

正解  A. 次回納品を停止し、B社の財務状況を正式に再確認する

解説  金融機関の動き(融資打ち切り)は重大リスクのシグナルです。 

取引先からの口頭説明だけを鵜呑みにせず、社内管理部門と連携して、正式に財務情報を再取得・再評価しなければなりません。 

勝手な少額納品や条件変更は、逆に法的リスクを負う可能性もあります。

問題3 

取引先C社(売上の10%を占める重要顧客)で経営者交代がありました。 

新経営陣は「資金繰りを見直すため、支払サイト(支払い条件)を60日→90日に延長したい」と要請してきました。

このとき営業担当として取るべき最も適切な対応はどれか?

A. 重要顧客なので要請に従い、社内決裁を待たず支払サイトを変更する 

B. 変更要請を受けた事実を社内に即時報告し、リスク影響評価を求める 

C. 90日支払いなら売上単価を引き上げるよう交渉する 

D. 取引停止をちらつかせ、従来サイト維持を強硬に迫る 

正解  B. 変更要請を受けた事実を社内に即時報告し、リスク影響評価を求める

解説  支払サイト延長は、取引先の資金繰り悪化リスクを示している可能性があります。 

営業判断だけで条件変更してはいけません。 

必ず社内(管理部門・経営層)に報告し、リスク評価を経たうえで対応方針を決めるべきです。(単独交渉や強行策はリスクを悪化させるだけ)

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