第1問
営業戦略立案において「売上目標を前年比110%とする」とだけ定めた場合に、最も大きな戦略的リスクはどれか?
A. 現場の営業担当者が数字に追われ、短期的な売り方に偏る
B. 営業部門のモチベーションが過剰に高まり、期待値を超える動きが出る
C. 顧客のニーズ変化に迅速に対応できる余地が広がる
D. 成果主義が浸透し、部門間の連携が加速する
正解:A
解説:目標数字だけが提示され、戦略・方針・施策が伴わない場合、営業現場は「目標達成のための手段」を自ら選ばざるを得なくなり、短期成果や値引き、既存顧客頼みの営業に偏るリスクが高まります。売上目標はあくまで戦略の「成果指標」であり、何をどうすべきかという道筋とセットで語られるべきです。
第2問
次のうち、「営業プロセス指標(KPI)」を重視する戦略の意図として最も適切なものはどれか?
A. 営業成績の良し悪しを最終的な受注額でのみ判断するため
B. 価格競争に巻き込まれないよう、個別対応を徹底させるため
C. 成果につながる行動パターンを可視化し、再現性を高めるため
D. 営業部門に裁量を与え、自由なやり方を促進するため
正解:C
解説:KPIは「過程の管理」を意味します。例えば「アポ数」「提案数」「決裁者との面談率」などのプロセス指標を管理することで、成果に至るまでの行動を数値化・改善可能にし、営業活動の再現性や属人性の排除を狙えます。これは組織的営業力の強化において極めて重要な考え方です。
第3問
次の戦略のうち、LTV(顧客生涯価値)最大化の考え方に最も合致するものはどれか?
A. 新規開拓数を最大化することで、全体売上の底上げを図る
B. 売上比率の高い既存顧客への販売単価を一律で引き上げる
C. 顧客ごとの課題に応じた提案を継続的に行い、関係性を深化させる
D. 短期キャンペーンを通じて初回購入を促す施策を繰り返す
正解:C
解説:LTV(Life Time Value)は「一顧客あたりの継続的な価値」を最大化する発想であり、単発の取引よりも顧客との関係性の深化と継続的な取引に重きを置きます。Cは、まさにその発想に基づいた戦略的アプローチです。AやDは短期的には成果が出ても、LTV観点では不十分です。


