営業の基礎問題 (カスタマーサクセス編 1)

 第1問 

 顧客がプロダクトの導入初期フェーズで想定以上に利用が進まない場合、カスタマーサクセス担当が最初に注力すべき行動として最も適切なものはどれか。

A. 機能の再説明とトレーニングセッションの開催を即座に提案する 

B. 顧客のKPIや業務フローを再確認し、活用されない背景の仮説を立てる 

C. 利用頻度が高い他社事例を共有し、行動喚起を促す資料を送付する 

D. セールスと連携して、再度トップ層への導入プレッシャーをかける

正解:B

解説:この段階では、表面的な解決(AやC)や圧力的なアプローチ(D)ではなく、顧客が「なぜ使えていないか」の構造的原因を探る必要があります。カスタマーサクセスの本質は、顧客の業務とプロダクトの接点を再構築し、成果に向けたサポートを行うことです。選択肢Bは、顧客の業務KPIや導入目的を再度確認し、利用されない要因の仮説を立てるという本質的なアプローチであり、初動として最も重要です。

第2問 

 カスタマーサクセスの活動として、顧客のLTV(ライフタイムバリュー)最大化に最も貢献する行動はどれか。

A. 継続的なサポート体制を保証し、契約更新率を高める 

B. プロダクトの機能追加情報を定期的に伝え、利用範囲を拡大する 

C. 顧客の事業目標に寄与する成果をモニタリングし、成功事例を共有する 

D. NPS(ネットプロモータースコア)調査で満足度を定期的に測定する

正解:C

解説:LTVの最大化とは、単に「長く使ってもらう」ことではなく、「顧客に継続して価値を感じてもらい、追加購入や拡張、紹介などの好循環を生むこと」です。そのためには、顧客の業績や成果に貢献し、それを可視化・再現可能な形で提供することが最も効果的です。選択肢Cは、事業貢献の可視化とナレッジ共有という視点で、LTV向上に直結する戦略的な活動です。

第3問 

 顧客の利用状況に問題はないが、担当者が頻繁に交代する企業に対して、長期的なカスタマーサクセスを実現するための最適な対応はどれか。

A. 担当者変更の都度、導入背景と過去の成果を説明するオンボーディングを実施する 

B. 利用マニュアルやFAQを常に最新化し、誰が担当でも対応できるようにする 

C. 経営層や決裁者との関係構築を強化し、サクセスの方針を全社で合意しておく 

D. 現場の担当者に対してこまめなリマインドやフォローを実施し、離職リスクを低減する

正解:C

解説:担当者の頻繁な交代がある企業では、現場対応だけでなく「組織としての合意形成」と「経営層とのリレーション」が極めて重要です。担当者が変わっても事業としての方針が継続されるように、経営層を巻き込んだステークホルダー戦略が必要になります。選択肢Cは、属人的対応から脱却し、サクセスを全社の合意事項にする視点を含んでおり、長期的な成果に直結します。

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