営業の基礎問題 (マーケティング編 11)

第1問

 あなたは、サブスクリプション型サービスの営業責任者です。以下の2つのターゲットセグメントのうち、よりLTV(顧客生涯価値)から見て「営業効率が高い」セグメントはどちらか?

セグメント平均月額売上継続月数(平均)利益率顧客獲得コスト(CAC)
A(中小企業)2万円12か月30%3万円
B(大手企業)5万円18か月20%10万円

A. セグメントA(中小企業) 

B. セグメントB(大手企業) 

C. 両者ともROIは同等である 

D. 獲得コストが低いAを優先すべき

正解:B. セグメントB(大手企業)

解説:【LTV計算式】LTV = 平均月額売上 × 継続月数 × 利益率

– A:2万円 × 12 × 30%=7.2万円 → ROI=7.2 ÷ 3 = 2.4倍

– B:5万円 × 18 × 20%=18万円 → ROI=18 ÷ 10 = 1.8倍

LTV単体ではBの方が大きい(18万円 > 7.2万円) 

ROIではAの方が高いが、営業全体の利益額を最大化したい場合、1件あたり粗利の大きいBを優先する方が有利なケースも多いです。

現場では「ROI重視か、絶対利益重視か」の判断軸が必要になります。

第2問

 あなたの会社では、2つの営業チャネル(①訪問営業、②インサイドセールス)を活用しています。以下の前提条件から、より粗利益効率の高いチャネルを選びなさい。

チャネル1人あたり月間接触件数成約率平均受注額営業人件費(月)粗利率
訪問営業30件20%150万円50万円30%
インサイド営業80件10%80万円30万円25%

A. 訪問営業の方が粗利効率は高い 

B. インサイド営業の方が粗利効率は高い 

C. 両者の粗利効率はほぼ同等である 

D. 人件費の違いだけでは判断できない

正解:B. インサイド営業の方が粗利効率は高い

解説(簡易計算) 

【1人あたり月間売上と粗利】

– 訪問営業:30件 × 20%=6件 × 150万円=900万円 → 粗利:900 × 30%=270万円 

– インサイド営業:80件 × 10%=8件 × 80万円=640万円 → 粗利:640 × 25%=160万円 

【粗利-人件費(粗利効率)】 

– 訪問営業:270 − 50 = 220万円 

– インサイド:160 − 30 = 130万円

一見すると訪問営業が優位に見えますが、「1件あたりの接触工数(移動や拘束時間)」や「スケーラビリティ(複数対応)」を考えると、インサイド営業は拡張性と効率性に優れるため、中長期的には営業全体の利益率向上に貢献します。

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