営業の基礎問題 (マーケティング編 10)

第1問

 あなたの営業部では、SaaS型サービスを3つの異なる顧客セグメントに展開しています。各セグメントは、初年度受注単価・継続率(解約率)・営業コストが異なります。どのセグメントにリソースを集中させるとLTV(顧客生涯価値)が最大化できるでしょうか?

 ※顧客は毎年契約更新。解約率は毎年同じ。LTVは以下で計算: 

LTV = 初年度売上 × 利益率 × {1 / 解約率} – 獲得コスト

セグメント初年度売上利益率年間チャーン率(解約率)顧客獲得コスト
スタートアップ企業60万円40%25%5万円
中堅企業100万円35%15%10万円
大企業150万円30%10%30万円

A. スタートアップ企業(低単価・高チャーン) 

B. 中堅企業(バランス型) 

C. 大企業(高単価・低チャーン) 

D. 中堅と大企業を併用すべき

正解:C. 大企業(高単価・低チャーン)

解説:LTV計算を行います(LTV = 単価 × 利益率 × {1 / 解約率} − 獲得コスト)

【スタートアップ企業】 

LTV = 60万 × 0.4 × (1 / 0.25) − 5万 

= 60万 × 0.4 × 4 − 5万 

= 96万 − 5万 = 91万円

【中堅企業】 

LTV = 100万 × 0.35 × (1 / 0.15) − 10万 

= 100万 × 0.35 × 6.666… − 10万 

= 233.3万 − 10万 = 約223.3万円

【大企業】 

LTV = 150万 × 0.3 × (1 / 0.10) − 30万 

= 150万 × 0.3 × 10 − 30万 

= 450万 − 30万 = 420万円

→ 大企業セグメントは獲得コストが最も高いが、チャーン率の低さ(継続年数の長さ)と単価の高さによりLTVが圧倒的に高い。 

→ つまり、「顧客を獲得した後の継続率(解約率)」が、LTV最大化のカギであることが分かります。

補足:営業戦略における実践ポイント

– 「チャーン率の高い顧客」は、単価が高くても早期離脱でLTVが小さくなる 

– 長期継続が期待できるセグメントには、多少コストをかけてもリターンが大きい 

– 初期売上だけでなく、LTVを指標にした戦略配分が必要 

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