営業の基礎問題 (マーケティング編 9)

第1問

 あなたの会社はSaaS型業務支援ツールを販売しており、3業界をターゲットにしています。業界によって価格許容度と顧客獲得難易度が異なります。営業リソース(人員と時間)に限りがある中で、来期重点ターゲットを1業界に絞る必要があります。利益インパクトの最大化を狙う場合、どの業界を選ぶべきでしょうか?

業界平均受注単価月間商談可能数/営業1名成約率利益率提案件数の上限(営業人員×4名)
コンサル業界150万円15件30%40%60件
製造業界100万円20件20%50%80件
飲食業界 70万円30件15%  60%120件 

A. コンサル業界(高価格・高成約率) 

B. 製造業界(バランスタイプ) 

C. 飲食業界(大量提案・低単価) 

D. 飲食と製造を併用し、母数を増やすべき

正解:A. コンサル業界(高価格・高成約率)

解説:【コンサル業界】 

提案件数=60件(上限) 

成約数=60 × 30% = 18件 

売上=18 × 150万 = 2,700万円 

利益=2,700万 × 40% = 1,080万円

【製造業界】 

提案件数=80件 

成約数=80 × 20% = 16件 

売上=16 × 100万 = 1,600万円 

利益=1,600万 × 50% = 800万円

【飲食業界】 

提案件数=120件 

成約数=120 × 15% = 18件 

売上=18 × 70万 = 1,260万円 

利益=1,260万 × 60% = 756万円

→ 飲食業界は数が取れても単価が低く、利益額も頭打ち。製造業界は効率的だが、価格許容度の低さが利益総額に響く。 

→ コンサル業界は提案件数が最も少ないが、高価格 × 高成約率 × 高利益率の三拍子で、最も営業利益を生む。

このように、単に「件数」や「成約率」で判断せず、LTV×効率性の総合判断が戦略には不可欠です。

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