営業の基礎問題 (マーケティング編 8)

第1問

 あなたの営業部では以下3つの業種別セグメントを対象に提案活動を行っています。来期はリソース集中のため、どれか1セグメントに重点配分する必要があります。最も粗利益インパクトが大きいのはどのセグメントか?

セグメント月間提案件数成約率平均受注額粗利率営業コスト/成約1件
製造業60件10%300万円 30%20万円 
小売業80件8%150万円35%15万円
IT企業40件20%100万円50%10万円

A. 製造業セグメント 

B. 小売業セグメント 

C. IT企業セグメント 

D. 小売業とIT企業を併用すべき

正解:C. IT企業セグメント

解説:【製造業】 

成約件数:60 × 10% = 6件 

売上:6 × 300万 = 1,800万円 

粗利:1,800 × 30% = 540万円 

コスト:6 × 20万 = 120万円 

利益:540 − 120 = 420万円

【小売業】 

成約件数:80 × 8% = 6.4件 

売上:6.4 × 150万 = 960万円 

粗利:960 × 35% = 336万円 

コスト:6.4 × 15万 = 96万円 

利益:336 − 96 = 240万円

【IT企業】 

成約件数:40 × 20% = 8件 

売上:8 × 100万 = 800万円 

粗利:800 × 50% = 400万円 

コスト:8 × 10万 = 80万円 

利益:400 − 80 = 320万円

→ 粗利益ベースでは製造業だが、コストを引いた最終利益ではIT企業が中間に位置し、かつ成約率・効率性が高く、リスクが分散されている。特に限られた営業人員を有効活用するには、成約率と効率性に優れるIT企業セグメントが最も適している。

第2問

 あなたの会社はBtoB商材を販売しています。以下の3つの「顧客規模別セグメント」から、来期の最重点ターゲットを選ぶ必要があります。最も利益効率が高いのはどのセグメントか?

顧客規模潜在顧客数成約率平均売上単価利益率商談コスト(1件)
大企業100社15%1,000万円20%50万円
中堅企業300社10%500万円25%20万円  
中小企業800社5%150万円30%10万円 

A. 大企業 

B. 中堅企業 

C. 中小企業 

D. 中堅と中小企業のミックスが最適

正解:B. 中堅企業

解説:【大企業】 

成約件数:100 × 15% = 15社 

売上:15 × 1,000万 = 1.5億円 

利益:1.5億 × 20% = 3,000万円 

コスト:15 × 50万 = 750万円 

利益差引:3,000 − 750 = 2,250万円

【中堅企業】 

成約件数:300 × 10% = 30社 

売上:30 × 500万 = 1.5億円 

利益:1.5億 × 25% = 3,750万円 

コスト:30 × 20万 = 600万円 

利益差引:3,750 − 600 = 3,150万円

【中小企業】 

成約件数:800 × 5% = 40社 

売上:40 × 150万 = 6,000万円 

利益:6,000万 × 30% = 1,800万円 

コスト:40 × 10万 = 400万円 

利益差引:1,800 − 400 = 1,400万円

→ 売上総額が同じでも、コスト効率・利益率で見た場合は中堅企業が最も高収益。中小企業は件数が多い割に利益が出にくく、営業工数負荷が高い割に費用対効果が低い。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP