営業の基礎問題 (マーケティング編 7)

第1問

 営業部では、今期の売上拡大施策として以下の2つのキャンペーンの実施を検討しています。どちらも同じ予算枠で、どちらか一方のみ実施可能な状況です。より利益面で効果が高い施策を選んでください。

施策内容コスト成約数増加平均単価粗利率
Aオンライン広告キャンペーン200万円40件50万円25%
B紹介インセンティブ施策100万円25件80万円40%

A. A施策(オンライン広告) 

B. B施策(紹介インセンティブ) 

C. どちらも同程度の効果 

D. コストが低いBを選ぶべき

正解:B. B施策(紹介インセンティブ)

解説:【A施策】 

売上:40件 × 50万円=2,000万円 

粗利:2,000万円 × 25%=500万円 

利益=500 − 200=300万円

【B施策】 

売上:25件 × 80万円=2,000万円 

粗利:2,000万円 × 40%=800万円 

利益=800 − 100=700万円

→ 施策Bは成約数は少ないものの、利益額で2倍以上の差があります。営業施策の評価では、件数の多寡ではなく「粗利益−施策コスト」の観点で判断することが重要です。

第2問

 営業本部では、来期の重点営業エリアを以下の2地域のうちどちらにするか決める必要があります。どちらのエリアに重点配分すべきか、利益最大化の観点で選んでください。

地域成約率平均受注額営業交通費(1件あたり)営業人件費(月)1人あたり月間提案件数粗利率
地方都市12%120万円2万円40万円50件35%
都市圏8%200万円0.5万円60万円80件30%

A. 地方都市の方が粗利率が高いため優先 

B. 都市圏の方が移動コストが安く、売上も高いため優先 

C. 粗利金額で地方都市が上回る 

D. 地域戦略は利益ではなく顧客層で決めるべき

正解:B. 都市圏の方が移動コストが安く、売上も高いため優先

解説:【地方都市】 

提案数:50件 → 成約数=50 × 12%=6件 

売上:6件 × 120万=720万円 

粗利:720 × 35%=252万円 

交通費:2万×6件=12万円 

利益=252 − 40(人件費)−12=200万円

【都市圏】 

提案数:80件 → 成約数=80 × 8%=6.4件 

売上:6.4件 × 200万=1,280万円 

粗利:1,280 × 30%=384万円 

交通費:0.5万×6.4件=3.2万円 

利益=384 − 60 − 3.2=約321万円

→ 都市圏の方が粗利額も最終利益も大きいため、営業効率も高い。数字で見ると、地方=成約率と粗利率は高いが、コスト構造に劣るという典型例です。

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