営業の基礎問題(基礎編 21)

第1問

顧客が「他社とも比較してから決めたい」と言った場合に、裏に隠れている心理として最も該当するものはどれか。

A. 情報収集が不十分なまま決断することへの不安

B. 価格交渉のために比較中を演出している

C. 自社に対する不信感があり、慎重になっている

D. 購入を先延ばしにするための曖昧な拒否表現

正解:A. 情報収集が不十分なまま決断することへの不安

解説:「他社と比較したい」という発言の裏には、今の情報では判断できない/納得できないという不安が隠れているケースが大半です。単なる断り文句に聞こえることもありますが、営業の提案が顧客の意思決定に足る材料になっていないことのサインでもあります。

BやDも一部当てはまる場合はありますが、本質はAのように不安の払拭不足に起因します。

第2問

顧客との関係が良好で、やりとりもスムーズなのに、提案が前に進まないときに最も想定すべき心理はどれか。

A. 決断を避けて現状維持を選ぶ決定回避バイアスが働いている

B. 営業の提案に具体性が足りず、次のアクションが見えない

C. 予算の執行時期を見ていてタイミングを待っている

D. 他部門が強く反対しており、社内政治的な対立がある

正解:A. 決断を避けて現状維持を選ぶ決定回避バイアスが働いている

解説:人間の心理には、「選択による失敗を避けたい」「現状を維持したい」という決定回避バイアス(Decision Avoidance Bias)が強く働きます。

関係性が良好で拒否もされないのに進まない場合、この心理が作用していることが多く、営業はリスクを取らずに進める道筋(小さな意思決定)を用意してあげる必要があります。

B~Dも可能性はありますが、最も普遍的で気づきにくいのがAの心理です。

第3問

顧客が自分の意思でコントロールしたいという心理が強い場合、営業が取るべき最も適切なスタンスはどれか。

A. 提案を控え、相手の主導で話を進めることに徹する

B. あえて提案しすぎないことで、顧客の主導感を尊重する

C. 「この選択がベスト」と断言し、強く導く

D. 自社の実績や権威を使い、納得感で誘導する

正解:B. あえて提案しすぎないことで、顧客の主導感を尊重する

解説:顧客に「自分で決めた」「自分で選んだ」という自己決定感(Autonomy)を与えることは、納得感・満足感に直結します。そのため、過度な提案や一方的なリードは、相手のコントロール欲求を脅かし、反発を生むことがあります。

Bのように、あえて選択肢を少し残す・顧客の意見を待つなど、譲る営業の姿勢がこのタイプには有効です。

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