第1問
顧客が商談中に「沈黙」した際、営業として最も望ましい対応はどれか。
A. 沈黙が気まずくなる前に、次の説明や提案を早めに進める
B. 顧客が情報を処理する時間だと判断し、静かに待つ
C. 沈黙の理由を尋ねて、本音を引き出すようにする
D. 話題を切り替え、感情的な距離感を和らげる
正解:B. 顧客が情報を処理する時間だと判断し、静かに待つ
解説:商談中の沈黙は多くの場合、顧客が頭の中で情報の整理や判断をしている状態であり、「営業が話しすぎた後」や「重要な提案を聞いた後」に起こります。この沈黙に耐えられず話し始めると、顧客の考える余白を奪ってしまい、判断を妨げる可能性があります。
Bのように、沈黙を思考のサインと捉えて尊重する姿勢が信頼構築につながります。
第2問
顧客が「ちょっと考えさせてください」と言う心理の裏に最も当てはまりやすいものはどれか。
A. 提案内容の魅力は感じているが、社内調整が必要で決断を保留している
B. 本当は断りたいが、直接的に拒否すると関係にヒビが入ると感じている
C. 納得はしているが、価格交渉のための時間稼ぎをしている
D. 他の営業とも話を聞く予定なので、比較するために時間が必要である
正解:B. 本当は断りたいが、直接的に拒否すると関係にヒビが入ると感じている
解説:「考えさせてください」は営業現場で非常によく聞くフレーズですが、その多くはNoを直接伝えるのを避けるためのクッション表現です。
特に信頼関係が浅い段階では、Bのような対人関係の心理的配慮(断る罪悪感)が背景にあることが多いです。A~Dの状況もあり得ますが、最も頻出し、かつ見落とされがちなのがBの心理です。
第3問
顧客が提案内容に明確な異論を示さず、「いいですね」と肯定的に反応し続けている状態で最も注意すべきリスクはどれか。
A. 最終段階で突然競合製品に乗り換える可能性がある
B. 複数のキーマンに情報が伝わっておらず、社内稟議で止まるリスクがある
C. 内容を理解していないが、恥ずかしくて質問できないままになっている可能性がある
D. 他部署で類似製品をすでに導入しており、重複投資を避けるために否決される可能性がある
正解:C. 内容を理解していないが、恥ずかしくて質問できないままになっている可能性がある
解説:顧客が終始うなずき、「いいですね」と肯定的な反応を続けると、営業側は「納得している」と誤解しがちです。しかし実際は、内容を深く理解していないが質問や反論ができない心理状態であることもあります。これは「無知を悟られたくない」「話を止めたくない」といった顧客側の防衛的心理によるものです。
営業は「ここまででご不明点はありますか?」ではなく、「今の部分、どのあたりが一番響きましたか?」のように理解度を確認する問いを挟む工夫が必要です。
