第1問
顧客が「価格重視」のスタンスを崩さない場合、価値訴求型営業として最も効果的なアプローチはどれか。
A. 「価格重視」では将来コストが膨らむ可能性があると論理的に指摘する
B. 価格比較を一旦受け入れたうえで、自社のコストメリットを強調する
C. 顧客が抱えている「失敗したくない心理」に目を向け、リスク回避視点で話を展開する
D. 自社が選ばれている他社事例を紹介し、客観的な信頼感を持たせる
正解:C. 顧客が抱えている「失敗したくない心理」に目を向け、リスク回避視点で話を展開する
解説:価格を重視する背景には「選択ミスをしたくない」「失敗したくない」という心理的なリスク回避欲求があることが多く、これに寄り添うことが重要です。Cはその前提に立った上で、価格以上の安心感や確実性という価値を訴求する方向に導きます。
AやBは論理優先で顧客の心理的抵抗を刺激しやすく、Dは信頼の補強にはなるものの、価格への固執を崩すには弱いです。
第2問
価値訴求を前提とした「提案ストーリー」の組み立て方として最も適切なのはどれか。
A. 製品・サービスの機能を網羅的に提示し、価格とのバランスを説明する
B. 顧客の現状課題・理想状態・その間の障壁に焦点を当てて構成する
C. 「まず価格」「次に活用法」という流れでコスト意識を先に満たす
D. 競合製品との違いをフックにして話をスタートさせる
正解:B. 顧客の現状課題・理想状態・その間の障壁に焦点を当てて構成する
解説:価値訴求型の提案では、顧客の「課題→理想→実現手段」という構造を描くことで、製品やサービスが価格ではなく目的達成の手段として理解されるようになります。Bの構成は「課題解決の必要性」を前提に据えるため、自然と価格の話題から距離を置くことができます。
AやCは逆に価格意識を強化し、Dは競争軸の話に入りやすくなります。
第3問
顧客が価値を理解できていない状態のまま価格を求めてきた場合、営業として最も有効な行動はどれか。
A. 「価格だけでなく導入効果にも目を向けてください」と正直に伝える
B. 一度価格を提示し、導入後の支援内容を後で補足する
C. 価格を提示せず、顧客にとっての成果を一緒に定義する対話に切り替える
D. 顧客の業界内での位置付けや競争状態を調査し、説得材料とする
正解:C. 価格を提示せず、顧客にとっての成果を一緒に定義する対話に切り替える
解説:価値が理解されていない状態で価格提示をしても、高いと感じられるだけで終わる可能性が高いです。Cのように、まずは何のために導入するのかという成果定義の対話に戻すことで、価格に依存しない思考の土台を顧客に築かせることが重要です。
Aは誠実だが一方的、Bは順序が逆転し、Dは社内調査には有効でも対話的効果は弱いです。
