営業の基礎問題(基礎編 10)

第1問

顧客に対して「初月は無料です。2か月目以降、自動的に有料プランに移行します」と説明したサブスクリプション型提案で、解約率が非常に低かった。この現象に最も深く関わる行動経済学的効果はどれか?

A. サンクコスト効果

B. デフォルト効果

C. アンカリング効果

D. 所有効果(エンダウメント効果)

正解:B. デフォルト効果

解説:デフォルト効果とは、「選択しないと自動的に選ばれる選択肢(初期設定)」がある場合、多くの人がそのまま選択してしまう傾向のこと。無料から有料への自動移行は、顧客が「解約」という能動的行動を取らない限り継続されるため、高い維持率につながります。

第2問

営業担当者が「◯◯プランは本来12万円ですが、今回に限り8万円で提供できます」と提示したところ、顧客は8万円を「お得」と感じた。このとき、顧客が影響を受けている可能性が高いのは次のうちどれか?

A. フレーミング効果

B. アンカリング効果

C. ヴィヴィッドネス効果

D. ステータスクオーバイアス

正解:B. アンカリング効果

解説:アンカリング効果とは、先に提示された数値や情報(ここでは12万円)が、その後の判断の基準(アンカー)となってしまう現象。実際には8万円が妥当かどうかは関係なく、「12万円→8万円」という対比で「割安」に感じる心理が働いています。

第3問

顧客が「もうここまで資料を読んで、検討に時間を使ったのだから」と言って契約を決断した場合、最も強く影響している心理メカニズムはどれか?

A. 損失回避性

B. 一貫性の原理

C. サンクコスト効果

D. ヒューリスティックバイアス

正解:C. サンクコスト効果

解説:サンクコスト効果(埋没費用効果)とは、「すでに費やした時間・労力・金銭をムダにしたくない」という思考が働き、非合理な意思決定をしてしまう心理効果です。営業では、事前に顧客にある程度の“思考負荷”をかけることでクロージングにつなげる戦略にも応用されます。

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