第1問
新規顧客への初回アプローチにおいて、営業担当者が「御社の取り組みを拝見し、非常に共感しました」と伝えたあと、「実は、私も以前似た業界にいました」と話を展開する。こうした親近感の醸成に関係する心理効果はどれか?
A. バンドワゴン効果
B. 同調圧力
C. 類似性の法則
D. 返報性の原理
正解:C. 類似性の法則
解説:「類似性の法則」は、人は自分と共通点のある相手に好意を抱きやすいという心理傾向です。初回接点での信頼獲得や心理的距離の短縮には非常に有効で、自己開示や共通点提示が営業アプローチにおいて重要な要素となります。
第2問
商談中、顧客が不満を口にした際、営業担当者が「それはご不便をお感じになりますよね」と感情に寄り添う応答を行った上で、「その背景について少し詳しく教えていただけますか?」と質問を続けた。これはどの心理スキルに基づくアプローチか?
A. エンパシー・リスニング
B. バックトラッキング法
C. ミラーリング効果
D. フット・イン・ザ・ドア・テクニック
正解:A. エンパシー・リスニング
解説:エンパシー・リスニング(共感的傾聴)は、相手の感情に共感しながら聴く技法です。単なる情報収集ではなく、相手の感情を理解・受容することで信頼を築き、より深いニーズを引き出すことができます。
第3問
営業のクロージングで、担当者が「このご提案がもし御社にフィットしないようであれば、今回は見送っていただいて構いません」とあえて一歩引いた表現をしたところ、顧客の購入意思が強まった。この現象に関係する心理効果はどれか?
A. ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック
B. 心理的リアクタンス
C. フレーミング効果
D. ウィンザー効果
正解:B. 心理的リアクタンス
解説:心理的リアクタンスとは、「選択を制限された」と感じると、逆にその選択をしたくなる心理反応です。クロージングであえて「買わなくてもいい」と伝えることで、顧客は「自分で選んでいる」という自由を感じ、意思決定しやすくなります。
