営業活動では、「感覚」や「頑張り」だけでは成果を出し続けることはできません。
「数字」を意識させることは、個々の営業パーソンの成長だけでなく、チーム全体の成果を最大化するために不可欠な要素です。
1. なぜ「数字を意識する」ことが重要なのか?
営業において「数字を意識する」ことの重要性は、主に以下の5つの理由によって説明できます。
(1)目標を明確化し、達成への道筋を具体化できる
(2)営業活動を「再現性のあるプロセス」にできる
(3)改善点を客観的に分析し、成果を最大化できる
(4)モチベーションを維持し、成長を促進できる
(5)組織全体の生産性を向上させる
それぞれ詳しく解説します。
2. 「数字を意識させる」ことの具体的なメリットと影響
1)目標を明確化し、達成への道筋を具体化できる
営業は成果が求められる仕事ですが、「なんとなく頑張る」では目標達成はできません。
部下が「数字」を意識することで、以下のように目標達成までのプロセスが明確になります。
目標が明確化される
例:「月間契約数10件を達成する」
達成するための行動計画が立てやすくなる
例:「10件の成約には、50件の商談が必要 → 商談数を増やすにはアポを100件獲得する」
数字を基準に行動を調整できる
例:「今月は商談数が30件と少ない → 早急にアポ取りを強化しよう」
このように、「目標 → 具体的な行動」へと落とし込み、日々の営業活動を計画的に進めることができるのが、数字を意識する最大のメリットです。
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(2)営業活動を「再現性のあるプロセス」にできる
営業は属人的なスキルに依存しがちですが、「数字を意識する」ことで誰でも成果を出せる仕組みを作ることができます。
例:トップ営業と数字の分析
項目 トップ営業 普通の営業 差異
月間売上 500万円 200万円 2.5倍
商談数 60件 30件 2倍
成約率 30% 20% 1.5倍
これを分析すると、「トップ営業は商談数が多く、成約率も高い」とわかる
部下に「商談数を増やす」「成約率を上げるトークを学ぶ」などの具体的指導ができる
数字を使うことで、成果を出すための営業プロセスを標準化できるため、全員の成長につながる。
(3)改善点を客観的に分析し、成果を最大化できる
営業の成果が出ない場合、感覚や経験だけでは正しい改善策が見えにくいですが、数字を意識すれば、どこに問題があるのかを明確に特定できる。
アポ率が低い → トークスクリプトを見直す、ターゲットを変更する
商談数は多いが成約が少ない → クロージング手法を強化する
リピーターが少ない → アフターフォローを改善する
このように、「どの指標がボトルネックになっているのか」を分析し、的確な改善策を打ち出せる。
(4)モチベーションを維持し、成長を促進できる
営業は成果が明確に数値化される仕事だからこそ、数字を意識することでモチベーションを維持できる。
達成感を得られる
「目標の80%達成!」 → 「あと2件で達成だ!」とやる気が上がる
競争意識が高まる
ランキングやインセンティブを設定すると、数字を伸ばそうと努力する
成長を実感できる
「先月は契約5件だったが、今月は8件達成!」 → 成長が可視化され、自己肯定感が上がる
数字を活用することで、営業の成功体験を増やし、継続的な成長を促せる。
(5)組織全体の生産性を向上させる
営業チーム全体が数字を意識すると、組織全体の売上向上や効率化にもつながる。
全員が同じ目標に向かって行動できる
→ 「今月は売上1,000万円を目指す!」と全員が一丸となる
チームの課題を素早く発見し、対策を講じられる
→ 「アポ数は多いのに成約が少ない → クロージング研修を実施しよう」
管理者が適切なマネジメントをしやすい
→ 「Aさんは成約率が高いがアポ数が少ない → アポ数を増やせばもっと成果が出る」
数字を意識することで、個人の成果だけでなく、組織全体の成長と生産性向上を実現できる。
3. 部下に「数字を意識させる」具体的な方法
1️ KPI(重要指標)を設定し、日々意識させる
→ 例:「今月の目標は〇〇件」「1日〇件のアポを取る」
2️ 数字を「見える化」して管理する
→ 営業ダッシュボード、ホワイトボード、アプリを活用
3️ 定期的なフィードバックと改善アドバイスを行う
→ 「アポ率が低いから、アプローチ方法を見直してみよう」
4️ 成果を出したらしっかり評価する
→ 「今月は契約〇件達成!よく頑張った!」と具体的に褒める.
