部下を自律的に動くように

 1. 指示ではなく「目的」を伝える教育

自律性がない状態は、「何のためにやるのか」が理解できていないとよく起こります。

自律的な部下は、目的を理解して自分で判断できます。

教育ポイント

 行動の理由・背景を説明する

 「達成したい状態」を先に示す

 手段は部下に考えさせる

×「この資料作って」

○「顧客の意思決定を早めるための材料を揃えたい。どんな資料が必要だと思う?」

2. 考えるクセをつける質問教育

自律性を育てるには、「先に答えを渡さない」ことが大切です。

質問を使うことで、部下は自分の頭で整理する習慣がつきます。

使える質問例

 「まずどんな状況だと思う?」

 「選択肢は他に何がある?」

 「あなたなら次の一手は何にする?」

 「成功の条件は何だと思う?」

質問=思考の筋トレです。

3. 小さな裁量を渡す

いきなり大きな仕事を丸投げすると失敗します。

小さな領域から任せる範囲を広げていくと、自信と経験が蓄積されます。

段階例

①部分的なタスク

②案件の一部工程

③顧客の一部領域

④一案件の全体管理

⑤ゾーン/業界担当

「成功体験」が自律性の基盤になります。

 4. 進捗ではなく「判断基準」を教える

自律的に動けない人は、判断するときの軸を持っていません。

基準があると、マネージャーの指示がなくても方向性を誤りません。

教えるべき基準

 どの顧客を優先するか

 どの案件の確度が高いか

 どの行動が売上に直結するか

 どのタイミングで上司へ相談すべきか

基準がある=迷わない状態です。

5. フィードバックは「行動の意図」まで扱う

自律性は、結果だけで褒めたり叱ったりしても育ちません。

なぜその行動を選んだのか、「意図」に触れるフィードバックが重要です。

×「もっと訪問しなさい」

○「訪問件数を増やそうとした意図は良い。次は見込み顧客の優先順位をどう考える?」

「意図 → 行動 → 結果」のつながりを理解すると自主判断が正確になります。

6. 振り返り習慣を仕組みにする

自律性は、自己振り返りができるかどうかで決まります。

短い振り返りの型(週1)

①. うまくいったこと

②. 課題

③. 次の1週間で改善する行動

④. 必要な支援

この4点を押さえるだけで、部下は自分で改善サイクルを回せます。

7. 成果ではなく「成長行動」を承認する

自律性を奪うのは、「成果だけを評価する文化」です。

過程の改善や挑戦を認めることで、自ら動く力が育ちます。

承認の対象例

 仮説を立てて動いた

 新しいトークを試した

 失敗を共有した

 自分で改善ポイントを挙げた

努力・工夫を認めると、行動の主体が本人に戻ります。

まとめ:営業で部下を自律的に動かす教育の7原則

①目的を共有する

②質問で考えさせる

③小さな裁量から任せる

④判断基準を教える

⑤行動の意図に触れるフィードバック

⑥振り返りを仕組みにする

⑦成長行動を承認する

正しい営業管理

 1. 結果だけを見るのではなく、プロセスを管理する

売上(結果)だけを追う管理は間違いやすい方法です。

正しい管理は、結果を生むプロセスを継続的に見ることです。

見るべきプロセスの代表例

 商談数

 新規アポイント

 主要案件の進捗

 ヒアリングの質

 提案内容の妥当性

プロセスが整えば、結果は自然に出ます。

2. 数字は「量」と「質」の両方で見る

営業数字は片側だけでは正しく判断できません。

 ●量(活動の多さ)

 訪問回数

 コール数

 新規接触数

 提案数

 ●質(活動の中身)

 商談化率

 受注率

 失注理由の整理

 決裁者との面談率

量 × 質 を見ることで、「どこが詰まっているか」が明確になります。

3. パイプライン管理(案件管理)を徹底する

正しい営業管理の中心はパイプライン管理です。

見るポイント

 案件のステージ

 受注確度

 いつ決まる予定か

 どこで止まっているか

 次に何をすべきか

案件が可視化されていると、

「どこにテコ入れすべきか」が一眼で分かります。

 4. 主要案件に集中する

営業成果の大部分は、限られた主要案件で決まります。

正しい管理は、

「重要で影響が大きい案件に時間を配分する」

ことです。

忙しいだけの営業を避け、

インパクトの高い案件にリソースを集中させます。

5. 部下の判断基準を揃える

管理がうまくいかない理由の多くは、

部下ごとに判断基準がバラバラだからです。

揃えるべき基準

 どの顧客を優先するか

 どの案件を深掘りすべきか

 相談のタイミング

 見込み判断のルール

 提案書に必要な要素

基準が揃うと、チームが迷わなくなります。

6. 短いサイクルで振り返る(週1が理想)

正しい管理は「頻度の管理」です。

月1回の管理では遅すぎ、誤差がそのまま積み重なります。

週1回の短い振り返りで

 うまくいったこと

 課題

 次の1週間の行動

 必要なサポート

  を確認します。

誤差を早く修正できるため、成果のズレが最小になります。

7. フィードバックは行動の意図に踏み込む

結果だけを評価すると、部下は委縮し、自律性が育ちません。

正しい営業管理では、

「なぜその行動を選んだのか」=行動の意図

を扱います。

意図が分かると、

 判断のクセ

 認知のズレ

 思考の弱点

  を改善でき、自律的に動けるようになります。

8. 行動計画は誰が・何を・いつまでにを必ずセットにする

曖昧な行動は実行されません。

行動計画は必ず具体化します。

例:

 「A社:決裁者と来週金曜までに面談」

 「B社:見積根拠を再調整し、○日までに再提出」

行動が明確だと、管理しやすく、部下も動きやすいです。

9. 管理は追い詰めるためではなく、成果の再現性を上げるため

正しい営業管理とは、

プレッシャーをかけることでも、数字を読み上げることでもありません。

目的は

「継続的に成果が出る仕組みを作ること」

です。

これはマネージャーが行える最高の価値提供です。

まとめ(正しい営業管理の9原則)

1. 結果だけでなくプロセスを管理する

2. 数字は量と質を両方見る

3. 案件(パイプライン)管理を徹底する

4. 主要案件に集中する

5. 判断基準を揃える

6. 週1の短いサイクルで振り返る

7. 行動の意図をフィードバックする

8. 行動計画は「誰が・何を・いつまでに」

9. 管理の目的は成果の再現性づくり

Man and woman in suits standing side by side

準備の重要性

準備の重要性は、一言でいえば 「成功の確率を高め、失敗のリスクを減らすための土台づくり」 です。営業に限らず、仕事全般で準備が大事と言われます。

 1 余裕が生まれ、対応力が上がる

準備をしておくと、当日慌てずに済みます。

余裕があると、お客様の反応を見ながら話したり、予期せぬ質問にも落ち着いて対応できます。

 2 ミスや漏れが減る

人は忙しくなるとどうしても「抜け」が出ます。

しかし、事前に資料・段取り・想定問答を確認しておけば、凡ミスを大幅に減らせます。

 3 伝えたいことが整理され、説得力が増す

準備段階で内容を整理しておくことで、

 何を伝えるか

 どう順序立てるか

 どんな根拠を示すか

  が明確になります。

  結果として話に一貫性が生まれ、説得力が高まります。

  4 相手への誠意が伝わる

きちんと準備している営業は、お客様から「この人は真剣に向き合ってくれている」と思われます。

準備そのものが、無言の信頼構築につながります。

  5 トラブル時にすぐ軌道修正できる

事前に「こういう質問が来たらこう答える」「この資料がダメなら代替案」などを考えておけば、想定外の状況も想定内に変わります。

結果として、場をコントロールする力が強まります。

  まとめ

準備とは「時間を使って前もって成功の条件を整えること」。

これを怠ると、

 説得力が弱い

 話が散らかる

 信頼を失う

  といった悪影響が出ます。

  逆に、準備をしっかりするだけで、同じ内容でも成果が大きく変わります。

営業向け 購買心理チェックリスト

営業担当者が「お客様の購買心理を正確に見抜き、適切な打ち手を選ぶため」のチェックリストをまとめました。

■ 営業向け 購買心理チェックリスト(5段階モデル対応)

【① 認知段階:知ったばかり】

お客様の状態チェック

 ☐ 商品・サービスの存在を知ったばかりである

 ☐ 課題との関連性をまだ深く理解していない

 ☐ 営業と会う目的があいまい

営業側の行動チェック

 ☐ 一方的に説明せず、状況や背景を先に確認している

 ☐ 「なぜこの話が自分に関係するのか」をわかりやすく伝えている

 ☐ 初回の印象(信頼・誠実さ・理解しようとする姿勢)を丁寧に構築している

【② 興味段階:少し気になっている】

お客様の状態チェック

 ☐ 商品のメリットに一定の興味を示している

 ☐ 質問が増えてきている

 ☐ 「自社でも使えるか?」のイメージを持ち始めている

営業側の行動チェック

 ☐ お客様の課題と商品を関連付けて説明できている

 ☐ お客様の言葉で語ったニーズ・困りごとを正しく復唱し整理している

 ☐ 興味を深めるための小さな成功例や実例を提示している

【③ 比較・検討段階:本当に良いかを見極めている】

お客様の状態チェック

 ☐ 他社との比較を意識している

 ☐ 価格・仕様・導入のハードルなど具体的な質問が出ている

 ☐ 社内の関係者に説明しようとし始めている

営業側の行動チェック

 ☐ 他社との差別化ポイントを誇張せずに明確に伝えている

 ☐ 導入後のイメージ(効果・手順・運用)を具体的に示している

 ☐ ネガティブ要素(価格・手間・リスク)も正直に説明して信頼構築ができている

【④ 確信段階:買っても大丈夫だと思えている】

お客様の状態チェック

 ☐ 「もし導入するとしたら…」という前向きな仮定の発言がある

 ☐ 導入スケジュールや社内稟議の話題が出ている

 ☐ 不安点が「あと数点」程度に絞られている

営業側の行動チェック

 ☐ 根拠(実績・データ・事例)を適切に補強している

 ☐ 不安点をひとつずつ丁寧に解消している

 ☐ 購買のリスクを下げる提案(試用、保証、段階導入など)を提示している

【⑤ 購入段階:最終決断の直前】

お客様の状態チェック

 ☐ 最終確認(条件・価格・契約内容)に集中している

 ☐ 社内の決裁者を巻き込み始めている

 ☐ 迷いはあるが、ほぼ前向きである

営業側の行動チェック

 ☐ 最終条件をシンプルに整理し、お客様が判断しやすい形で提示している

 ☐ クロージングが押し付けにならず、「次のステップ提案」になっている

 ☐ 契約後のフォロー(アフターケア・導入支援)を明確に約束している

■ 補助チェック:購買心理を動かす共通要素

信頼要素

 ☐ 誠実な態度

 ☐ 過剰な自社アピールを避けている

 ☐ お客様の話を遮らず最後まで聴けている

価値訴求要素

 ☐ 「商品説明」より「お客様の成果」に焦点を当てている

 ☐ 数字・事例で根拠を示している

 ☐ 抽象的な表現を具体化できている

不安解消要素

 ☐ 価格以上の価値を論理的に説明できる

 ☐ 導入後の失敗リスクを減らす提案が用意されている

 ☐ 社内説得の材料(資料・根拠)が提供できている

購買心理

購買心理とは、「お客様が買おうと決めるまでの心の動き」のことです。営業やマーケティングではこの流れを理解すると、提案の質やタイミングが大きく変わります。

 1 認知:まず「知る」ことから始まる

お客様は、知らない商品は買えません。

広告、紹介、営業の働きかけなどで「こういう商品があるんだ」と気づくところが最初のステップです。

2 興味:少し気になり始める

知った瞬間にすぐ買うことはほとんどありません。

「自分に関係ありそうだ」「便利そう」と思うと、興味が生まれます。

3 比較・検討:本当に良いかどうか確かめる

お客様はリスクを避けたいので、必ず何かと比べます。

 他社商品との比較

 値段、機能、評判

 営業担当者への信頼

営業の説明や誠実さが特に効いてくるのがこの段階です。

4 確信:買っても大丈夫だと思える瞬間

「よし、これなら失敗しないだろう」と安心できたとき、購買決定に向けて気持ちが固まります。

ここでは 根拠・実績・他社導入例・保証 などが効果的です。

5 購入:行動に移す

最後に「買います」と行動が伴います。

この瞬間は感情7割・理性3割であることが多く、営業の一押しや共感が決め手になります。

 営業に役立つポイント

 人は「論理だけで買う」のではなく「感情で動き、論理で正当化」します。

 不安やリスクを減らせば、意思決定は早くなります。

 お客様の段階(認知〜比較〜確信)を見極めると、押し売りにならず自然に前に進められます。

営業会議テンプレート

営業会議の実施例です。

1. 会議情報

・日時:

・参加者:

・議長:

・共有資料:

2. 数値進捗

・目標:

・実績(現時点):

・達成率:

・前年同期比:

・主要KPIの進捗:

3. 主要案件の状況

案件名:

顧客名:

ステータス:

障害要因:

必要なアクション:

上司のサポート要否:

4. 課題と要因分析

・現状の課題:

・原因の仮説:

・影響範囲:

5. 次のアクション(行動計画)

担当者:

アクション:

期限:

期待される成果:

6. その他共有事項

・競合情報:

・社内連携:

・顧客動向:

7. 決定事項(誰が・何を・いつまでに)

・担当者:

・タスク:

・期限:

営業会議の基本

1. 営業会議の目的は状況を正しく把握し、次の行動を決めること

営業会議は「報告の場」ではなく、

課題を明確にし、打ち手を決める場 です。

目的が曖昧になると、

・長いだけの会議

・責任追及の場

・数字読み合わせ

になってしまい、生産性が下がります。

2. 会議前に「共有すべき情報」をそろえておく

準備不足の会議は混乱を生みます。

事前に情報を揃えるだけで会議の質が劇的に上がります。

最低限そろえるもの

 月次数字(売上・受注・進捗率)

 パイプライン(主要案件の状況)

 課題の仮説

 次回までの行動予定

 会議用のデータ(事前共有が理想)

会議中に初めて資料を見ると、議論が浅くなります。

3. 報告は「事実 → 解釈 → 次の行動」で整理する

営業会議でありがちなのが、

「長い説明」「背景ばかり」「言い訳混じりの報告」。

これを防ぐための型がこれです。

1) 事実(何が起きているか)

2) 解釈(なぜそうなっているか)

3) 行動(次に何をするか)

この型に統一するだけで、会議が驚くほどスムーズになります。

4. 数字は進捗と質の両方で見る

営業会議では、ただ数字を読むだけでは不十分です。

見るべきポイントは2つ:

 ①進捗(量)

 目標達成率

 受注件数

 商談数

 訪問数

 ②質(中身)

 商談化率

 受注率

 失注理由

 ファネルの詰まり箇所

 トーク・提案内容の問題

数字の「量」だけ追うと、根本原因が見えなくなります。

5. 主要案件の詰まりを特定する

売上の多くは主要案件で決まります。

営業会議では、この案件がどこで止まっているかを明確にします。

決裁者と会えていない

 見積りの根拠が弱い

 顧客内の合意形成が進んでいない

 競合対策が甘い

 ヒアリングが不足している

「止まっている理由」を特定すると、次の打ち手が明確になります。

6. 課題より行動を決める

会議後に動きが出ない理由は、

課題は分かったが、行動が決まっていないこと。

決めるべき行動の例

 来週までに誰に会うか

 どの案件を優先するか

 どのトークを改善するか

 ロールプレイの実施

 上司同行の依頼

「課題→行動」の流れを絶対にセットで扱います。

7. 会議の進行を短く・速く・一点集中で

営業会議はダラダラすると、部下の集中力が切れます。

ポイントは3つ:

1. 優先度の高い議題だけ扱う

2. 1人の持ち時間を短くする(3〜5分目安)

3. 数字読み合わせは事前配布で省略

時間を絞ると、自然に本質的な議論になります。

8. 決まったことを誰が・いつまでにを明確にして終える

最後に曖昧なまま終わると、行動につながりません。

会議の締めでは必ず

・誰が

・何を

・いつまでにやるか

を確認します。

できれば議事録を即日共有するのが理想です。

まとめ

営業会議の基本は、

①課題を明確にし

②数値と質を両方見て

③主要案件の詰まりを特定し

④行動を決め

⑤時間は短く

⑥決めたことを確実に実行する

ことです。

営業メモを取る理由

営業メモは「記録」ではなく「武器」です。うまく使うと、商談の質が大きく上がります。

  営業メモの有効活用方法

 1. 忘れないためではなく戦略の材料にする

 多くの営業は覚えておくためのメモで終わっています。

 しかし本当に使えるメモは、

  「次にどう動くかを決めるための材料」

  になります。

 顧客の発言・感情・状況・キーパーソンなど、次の一手につながる情報を中心に残します。

2. メモの型を統一する

メモの取り方がバラバラだと、見返すときに時間がかかります。

以下のような固定フォーマットをつくると使いやすくなります。

 事実(Fact):顧客が言ったこと・数値・状況

 気づき(Find):商談中に感じたポイント(例:価格より納期重視)

 次の一手(Action):次回の提案・準備事項・アポ候補

  → 商談を振り返る→次に生かす流れが自然に作れます。

3. できるだけその場か直後に書く

 時間がたつと、言い方やニュアンスなど重要な情報が抜け落ちます。

 商談後5分だけでもメモ時間を確保すると精度が格段に向上します。

4. CRMやチーム内で共有する

 個人のノートに閉じるのではなく、CRM・共有フォルダ・Teams等へ転記します。

 チームで顧客を理解できるようになり、引き継ぎ・代行対応がスムーズになります。

 「誰が見てもわかるメモ」は、チームの資産です。

5. 伏線を書いておくと次の商談で差が出る

たとえば:

 「4月に新しい担当者が入る予定」

 「秋に設備更新がある可能性」

 「来年の予算は〇月に決まる」

こうした未来のヒントを残しておくと、時期を逃さずアプローチでき、他社より一歩先を取れます。

6. メモを見返す振り返り時間を習慣化する

 毎週15分でもいいので、過去のメモを読み返す時間を作ります。

 出てくる気づき:

   案件の停滞原因

   集中すべき顧客

   提案タイミングのズレ

 メモは蓄積して価値が高まるタイプのデータなので、定期レビューが効果絶大です。

7. メモは短くてOK。キーワード優先。

 長文にしようとすると続かなくなります。

 会話の核心だけをキーワードで記録すれば十分です。

  例:「価格△、納期◎」「決裁者:部長」「新拠点→設備増強?」

  まとめ

営業メモは「未来の成果を作るための情報バンク」です。

使い方を整えるだけで、提案力が上がり、商談スピードも上がります。

営業の専門書や営業手法の解説本で「債権管理(売掛金管理)」があまり扱われない理由

営業の専門書や営業手法の解説本で「債権管理(売掛金管理)」があまり扱われない理由は、とてもシンプルです。

  なぜ営業本に債権管理が出てこないのか

 ① 営業スキルと債権管理は管轄が違うと見なされている

多くの企業では、

 営業:売ることが仕事

 管理部門(経理・財務):回収や与信が仕事

という役割分担がされています。

そのため、出版社も著者も

「営業の本では、売る力・提案力・ヒアリング力がテーマ」

と考えやすく、債権管理は別領域扱いになりがちです。

② 読者が求めているテーマから外れやすい

営業本の大半は、次のようなニーズを満たすために書かれています。

 もっと売りたい

 商談を成功させたい

 提案スキルを上げたい

 顧客との関係を深めたい

一方、債権管理は

「攻め」ではなく「守りの領域」

なので、営業本の読者が最初から求めていないと判断され、あえて扱わないことが多いのです。

③ 債権管理は業種・社内ルール差が大きく、一般化しにくい

債権管理は企業ごとにルールが大きく違います。

 与信枠の決め方

 回収手続き

 請求サイクル

 社内承認フロー

 取引条件(締め・支払サイト)

営業本は多くの読者に当てはまる内容を意識するため、

ルールが細かく企業ごとに違うテーマは避けられがちです。

④ トラブルや不良債権の話は重いので、書籍のトーンと合いにくい

営業本の多くは、

 成果が出る

 気持ちが前向きになる

 やれば変わる

といったポジティブな内容で構成されます。

一方で債権管理は、

「未回収」「倒産」「焦げ付き」「督促」

といったネガティブな要素が中心。

読者のモチベーションを下げる懸念があり、あまり取り上げられません。

⑤ 著者が営業出身の場合、専門知識が不足しやすい

営業のプロは売ることの専門家ですが、債権回収の専門家ではありません。

逆に、債権管理の専門家は経理や法務の側にいます。

そのため、営業本を書ける立場の人が

「債権管理まで詳しく説明できる」

ケースが少なく、内容に含まれにくいのです。

  ただし、実際の現場では営業が最も債権管理に影響する

書籍で扱われにくい一方、現場の実情は逆です。

 支払い条件を決めるのは営業

 与信リスクを最も早く察知できるのも営業

 回収が遅れる兆しを拾えるのも営業

 信用を築くのも壊すのも営業

つまり、営業こそ債権管理の第一線です。

しかし書籍で語られないため、

現場の営業が学ぶ機会が不足し、トラブルが起きやすい——

これが多くの企業の現実のギャップです。

  まとめ

営業本で債権管理が扱われない理由は、

「営業本は売る話に集中」「債権管理は守りで専門性が高い」「読者のニーズとマッチしにくい」

という事情が大きいからです。

営業マネージャーが部下を「効果的かつ正しく」

 1. 指示ではなく「目的」を共有する

部下が動かない原因の多くは、「なぜそれをやるのか」が見えていないことです。

目的が理解できると、自分で考えて動けるようになります。

例:

×「来週までにこのリストに電話して」

○「新商品の初速を高めるために、関心度が高い見込み客に早くアプローチしたい」

2. 仕事の「基準」を明確にする

営業は裁量が大きい分、基準が曖昧だと動きがバラバラになります。

 行動基準(例:訪問数、フォロー期限)

 行動品質(例:提案前に必ず課題ヒアリングを3項目取る)

 結果基準(例:案件化率・商談の定義)

基準=チェックポイント です。

3. 行動を見える化する

管理は「追い詰めるため」ではなく、「問題を早く発見するため」です。

数字・プロセスの可視化は必須。

 パイプライン(案件のステータス)

 進捗(曜日ごとの活動)

 行動ログ(ヒアリング内容・ネクストアクション)

見える化があると、介入ポイントを正確に掴めます。

4. 誤差をすぐに修正する短いサイクルをつくる

週1回以上の短い振り返りが効果的です。

誤差が小さいうちに修正すれば、部下の負担も小さくなります。

 「うまくいった点」→強みを明確に

 「改善ポイント」→次の1週間でできる行動に絞る

 「次の行動宣言」→本人のコミットメントを促す

5. できた行動を即フィードバックする

人は「できた瞬間に承認される」と行動が定着します。

 事実に基づいて褒める

 具体的に「どの行動が良かったか」を言う

 改善点は提案型で伝える(例:○○するともっと良くなる)

6. 部下ごとのタイプを踏まえて動かす

同じ指示でも、部下のタイプによって刺さるポイントが違います。

 自律型:裁量を渡し、目的を共有すると動く

 慎重型:判断基準・手順を丁寧に示すと動く

 やる気型:小さな成功体験を積ませると加速

 受動型:短いサイクルと明確な期待が必要

7. 「正しい優先順位」を示す

営業は仕事量が多いため、優先順位が曖昧だと実力があっても成果が出ません。

優先順位の基本は

①売上インパクト

②緊急度

③関係性維持の必要性

これを常に整理して伝えることが重要です。

8. 行動ではなく「成長の仕組み」を作る

属人的な根性論ではなく、再現性のある仕組みが部下を動かします。

 標準トーク

 商談の型

 資料テンプレート

 失注理由の分析フロー

 ロールプレイの定例化

仕組みがあれば、誰が担当しても一定以上のパフォーマンスが出ます。

まとめ

営業で部下を効果的に正しく動かすには、

①目的を共有し

②基準を明確にし

③行動を見える化し

④短いサイクルで修正し

⑤フィードバックを素早く行い

⑥タイプに合わせて支援し

⑦優先順位を示し

⑧仕組みを整える

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