営業の基礎問題(基礎編 16)

第1問

価格で選ばれない営業において、顧客の意思決定を価格以外に向ける最も有効なアプローチはどれか。

A. 製品の機能とスペックの優位性を数値で比較する

B. 提案書に競合他社の価格情報を盛り込む

C. 導入後の変化と成果を、顧客の言葉で具体的に描き出す

D. 顧客の値引き要求には原則応じず、その理由を明確に伝える

正解:C. 導入後の変化と成果を、顧客の言葉で具体的に描き出す

解説:価格からの脱却には、「導入後にどう変わるか」という未来のベネフィットを顧客自身にリアルに想像させることが最も有効です。

Cは、「顧客の言葉で変化を描く」ことで納得感が高まり、価格以上の価値を見出してもらえる手法です。AやBは比較やスペックの話にとどまり、「価格との見合い」の発想から抜け出せません。

第2問

価格競争を避けるためのヒアリングとして最も効果的なのはどれか。

A. 「今回のご予算の上限を教えていただけますか?」

B. 「この製品で重要視されているスペックは何ですか?」

C. 「現状で最も業務に支障が出ているポイントはどこですか?」

D. 「これまでに検討された他社製品と比較してどうですか?」

正解:C. 「現状で最も業務に支障が出ているポイントはどこですか?」

解説:「業務に支障が出ているポイント=顧客の顕在課題」に踏み込むことで、価格よりも課題解決の優先度を高められます。

AやBは条件交渉レベルの話であり、価格主導の流れに巻き込まれやすくなります。Dは競合比較に偏るため、差別化ではなく競争に繋がる恐れがあります。

第3問

価格で選ばれない営業を実践する営業パーソンの特徴として、最も適切なものはどれか。

A. 常に自社商品の優位性を一貫して伝え続けている

B. 顧客の要望に柔軟に対応し、価格調整にも前向きである

C. 顧客の業界構造・競争環境・経営課題を踏まえて提案を組み立てている

D. 初回提案時に価格を先に伝え、余計な交渉を減らしている

正解:C. 顧客の業界構造・競争環境・経営課題を踏まえて提案を組み立てている

解説:「価格で選ばれない営業」は、商品軸ではなく“顧客軸”で提案を構築するのが鉄則です。Cは顧客の全体構造や経営課題に入り込み、本質的価値を提供する姿勢を表しています。AやDは営業側の都合や視点が強く、Bは柔軟に見えて価格依存型に傾く危険があります。

営業の基礎問題(基礎編 15)

第1問

提案型営業において、顧客が価格に難色を示した際に最も望ましい対応はどれか?

A. 即座に価格を再提示し、競合に負けないことを優先する

B. 「ご予算に合わないようなので再提案します」として一度撤退する

C. 顧客の投資対効果や課題解決価値を再確認し、価格の妥当性を共有する

D. 他社の価格動向や業界相場を引き合いに出し、説得にかかる

正解:C. 顧客の投資対効果や課題解決価値を再確認し、価格の妥当性を共有する

解説:提案型営業では「価格」そのものではなく、「対価として得られる価値」への納得感が受注のカギとなります。価格への反応は「納得していないサイン」であり、価値(ROI・効果・独自性)を再説明して価格=価値であると再認識させるのが営業の役割です。

第2問

顧客から「この内容でこの金額は社内で通せない」と言われたとき、提案型営業として最も建設的なアプローチはどれか?

A. 顧客のために仕様を削ってでも価格を下げる案を即座に出す

B. 顧客の意思決定プロセスをヒアリングし、社内で通すための材料を一緒に考える

C. 価格を正当化する自社の論理資料をそのまま顧客に送付する

D. 予算の少ない案件と見なしてフォローの優先度を下げる

正解:B. 顧客の意思決定プロセスをヒアリングし、社内で通すための材料を一緒に考える

解説:提案型営業では、価格を下げるのではなく、顧客の社内意思決定を支援することが大切です。そのためには「誰が稟議を通すのか」「どんな資料が必要か」「どのようなリスクが見られているか」などを共有し、顧客と“社内説得の共同作業”を行うのが効果的です。

第3問

提案内容の価値に自信があるが、顧客から「他社より高いから再考してほしい」と言われた場合、最も戦略的な価格交渉アプローチはどれか?

A. 顧客の要望に応じ、価格を下げて早期受注を目指す

B. 自社の強みを列挙し、価格差に見合う差別化要素を一方的に説明する

C. 顧客が比較している基準を質問し、その価値基準の再定義を試みる

D. 他社の弱点を指摘し、自社の正当性を攻撃的に伝える

正解:C. 顧客が比較している基準を質問し、その価値基準の再定義を試みる

解説:提案型営業の本質は、顧客の意思決定基準そのものに働きかけることにあります。単なるスペックや価格比較ではなく、「なぜそれが安いと感じるのか」「何を重視して判断しているのか」など、比較軸の定義そのものを揺さぶることで、価格交渉を「価値対価の対話」に昇華できます。

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