営業の基礎問題 (営業管理編 5)

第1問

営業マネージャーがKSFを定義する目的として最も適切なのはどれか?

A. チームの雰囲気を良くすることを最優先にするため

B. 営業担当者の働き方を自由にするため

C. 成果に直結する成功要因を特定し、重点的に取り組むため

D. 組織のKGIを削減するための手段とするため

正解:C. 成果に直結する成功要因を特定し、重点的に取り組むため

解説:KSFは、KGI(最終成果)を達成するために「絶対に外せない成功のカギ」を指します。たとえば「初回接触時の課題ヒアリング力」や「スピード感ある見積提出」など、成果を左右する重要要素に集中させることで、戦略的に営業活動を展開できます。

第2問

以下のうち、KSFの定義として最も適切なものはどれか?

A. KGIと無関係な個人のスキルセット

B. KPIと同じく、日々の行動回数を数値化した指標

C. 成果を生み出す上で特に重要となる要素・条件

D. 現場のストレスを軽減する福利厚生施策

正解:C. 成果を生み出す上で特に重要となる要素・条件

解説:KSFとは、「この要素があるからこそ成功できる」という戦略上の核心部分です。たとえば「既存顧客の深耕」や「新商品の市場認知の高さ」など、成功の再現性や効率性に直結するため、マネージャーは組織や商品特性に応じて適切に見極める必要があります。

第3問

KSFの導出プロセスとして、営業マネージャーが最も意識すべきことはどれか?

A. 他社の成功事例をそのままコピーすること

B. これまでの成功・失敗要因を分析し、共通点を探ること

C. 部下の気分や感覚に頼ること

D. なるべく多くの要因を列挙してすべて対処すること

正解:B. これまでの成功・失敗要因を分析し、共通点を探ること

解説:KSFは「この要因があった時に成果が出ていた」といった再現可能なパターンをもとに抽出されます。過去の成功パターンを分析し、共通する行動、状況、条件を明らかにすることが、KSF導出の基本ステップです。むやみに多くの要因に手を出すのではなく、絞り込むことが重要です。

営業の基礎問題 (営業管理編 4)

第1問

KGIを設定する際に、最も重視すべきポイントはどれか?

A. 達成しやすい数値目標にすること

B. 現場のモチベーションを重視して感覚的に設定すること

C. 組織のビジョンや中長期戦略と整合性を取ること

D. とりあえず前年踏襲で設定することが安全

正解:C. 組織のビジョンや中長期戦略と整合性を取ること

解説:KGIは企業や組織が「最終的に達成すべき成果」を定めた指標です。単なる現場の数値目標ではなく、企業の方向性や戦略に沿って設計される必要があります。たとえば「地域No.1のシェアを実現する」などのビジョンがあるなら、それに連動したKGI(売上・シェア率など)を定めることが重要です。

第2問

以下のうち、KGIの例として最も適切なものはどれか?

A. 商談化率20%以上

B. 提案書提出件数を毎月15件以上にする

C. 年間売上高10億円の達成

D. 1日5件以上の新規架電を行う

正解:C. 年間売上高10億円の達成

解説:KGIは「最終成果」を定めたものであり、「売上高」や「市場シェア」「契約数」などが該当します。AやB、DはKPIやKAIのレベルであり、KGIを達成するための中間的・行動的な指標です。

第3問

営業マネージャーがKGIをメンバーに示す際に、最も重要なことはどれか?

A. 数字だけを示し、詳細な説明は省く

B. 達成困難でも高いKGIを掲げてプレッシャーを与える

C. KGIがなぜ必要か、全体戦略との関係性を伝える

D. メンバーにKGIを自由に決めさせることで自律性を促す

正解:C. KGIがなぜ必要か、全体戦略との関係性を伝える

解説:KGIは「組織全体の目標」であり、現場のメンバーが自分の役割や貢献を理解するためには、その意義や背景をマネージャーが丁寧に伝える必要があります。納得感がなければ、KPIやKAIの実行にもつながりにくくなります。

営業の基礎問題 (営業管理編 3)

第1問

営業組織の成果管理において、KGIの最も適切な定義はどれか?

A. 営業担当者の行動量を測定する指標

B. 目標達成のために必要な業務プロセスの指標

C. 組織として最終的に達成すべき成果指標

D. 顧客満足度やNPSのような定性的指標

正解:C. 組織として最終的に達成すべき成果指標

解説:KGI(Key Goal Indicator)は、企業や部門としての最終的な成果(例:年間売上高、利益率、新規顧客獲得数など)を示す指標です。これをもとに、必要な行動や中間指標(KPIやKAI)を設定します。

第2問

営業マネージャーがKPIを設定する際に、特に注意すべきことはどれか?

A. KPIはなるべく抽象的で、柔軟性のある指標とする

B. KGIと直接結びつき、進捗を可視化できる指標とする

C. KPIは営業担当者個人の感覚に任せるのがよい

D. 毎月変えることで、常に新鮮な行動を促す

正解:B. KGIと直接結びつき、進捗を可視化できる指標とする

解説:KPI(Key Performance Indicator)は、KGI達成に向けた中間指標です。例えば「アポ獲得件数」「提案書提出数」など、KGIに至るプロセスの進捗を定量的に把握するためのものです。明確で継続的に追えることが重要です。

第3問

営業マネージャーがKAIを活用する主な目的として最も適切なのはどれか?

A. 部下に成果責任を押し付けるため

B. 競合との差別化を示すためのPR材料にする

C. 成果につながる具体的な行動を定着させるため

D. 報告書の枚数を増やして稼働感を出すため

正解:C. 成果につながる具体的な行動を定着させるため

解説:KAI(Key Action Indicator)は、営業成果を生むために必要な行動(例:1日3件の新規顧客架電、毎回のヒアリングで課題を3つ以上聞き出すなど)を定め、行動レベルでの改善・習慣化を促す指標です。マネージャーは部下の行動パターンを可視化し、成果との関係を分析する必要があります。

営業の基礎問題 (営業管理編 2)

第1問

 インセンティブ制度を設計する際、最も避けるべき誤りはどれか?

A. 営業行動の促進に合わせた報酬設計をする 

B. 売上額だけを評価軸とし、短期成果主義に偏る制度にする 

C. プロセス評価と成果評価を併用してバランスを取る 

D. チームインセンティブと個人インセンティブを組み合わせる

正解:B. 売上額だけを評価軸とし、短期成果主義に偏る制度にする

解説:インセンティブ制度における大きな失敗は、「売上さえ上がれば良い」という短期的かつ個人主義的な報酬設計です。このような制度は、顧客との関係性悪化や社内の非協力風土を招きやすいため、プロセス評価・協働評価・長期視点の評価軸をバランスよく取り入れる必要があります。

第2問

 商談データ分析の目的として最も適切なのはどれか?

A. 商談件数の変化から、競合企業の内部情報を予測すること 

B. 過去データから勝ちパターンと負けパターンを抽出し、再現性を高めること 

C. 顧客ごとの担当営業の力量を比較してランク付けすること 

D. 売上の多い顧客に対し、値引き率を高めること

正解:B. 過去データから勝ちパターンと負けパターンを抽出し、再現性を高めること 

解説:商談データ分析の本質的な目的は、「勝てる商談の条件(業種・商談プロセス・提案内容など)」と「負けるパターン(遅延・ニーズ不一致など)」を見極めて、再現性をもった活動へ落とし込むことです。営業活動は属人的になりがちなので、データドリブンでナレッジ共有することが組織力向上に直結します。

第3問

エリアマネジメントにおいて「面」としての市場アプローチを重視する理由として最も適切なのはどれか?

A. 広域で売上を均等化し、営業担当の移動時間を最大化するため 

B. 特定顧客への集中営業だけで、高単価商品を売りやすくするため 

C. 担当者ごとにランダムに顧客を割り振る柔軟性を確保するため 

D. 面で攻略することで、シェアの拡大と認知の相乗効果を狙うため

正解:D. 面で攻略することで、シェアの拡大と認知の相乗効果を狙うため

解説:「面で取る営業」は、地域・業界・施設群などの範囲を一体として攻略するアプローチです。これにより、口コミや紹介が波及しやすくなり、顧客との関係性や信頼形成も広がるため、結果的にシェア拡大やコスト効率の向上につながります。 

個別の点攻めでは広がりが出ません。

営業の基礎問題 (営業管理編 1)

第1問

 営業KPI設計において最も避けるべき設計ミスはどれか?

A. 成果(売上)だけでなくプロセス(訪問件数・提案件数)も指標に含めること 

B. 目標をチーム単位と個人単位の両方で設定すること 

C. 現場の活動実態に合わない指標を設定してしまうこと 

D. 達成可能な範囲でやや高めの目標を設定すること

正解:C. 現場の活動実態に合わない指標を設定してしまうこと

解説:KPI設計の最大の失敗は、現場の実態に合わない・意味のない指標を設定してしまうことです。たとえば「無意味に訪問数だけ増やす」ようなKPIは、行動の質を下げ、逆に生産性を落とします。売上だけでなくプロセスも可視化(A)、個人とチーム両方で管理(B)、やや高め設定(D)は正しい方向です。

第2問

 パイプライン管理において、最も重要な視点はどれか?

A. 案件数を無制限に増やし、とにかく量で勝負すること 

B. 各案件のステージ(進捗状況)を正確に把握し、ボトルネックを特定すること 

C. クローズが近い案件だけに注力し、初期案件は無視すること 

D. 案件進捗にかかわらず、すべての案件に同じリソースを配分すること

正解:B. 各案件のステージ(進捗状況)を正確に把握し、ボトルネックを特定すること

解説:パイプライン管理とは、案件の進捗(リード→提案→見積→受注など)を段階別に可視化・管理し、どこに課題があるかを明確にする活動です。 

営業マネジメントでは、ボトルネック(たとえば「提案フェーズで止まる」など)を発見し、対策を打つことが重要。量だけ追う(A)や初期案件を無視(C)するのは短期志向に陥ります。

第3問

 営業戦略立案において、「ターゲティング」の失敗が招くリスクとして最も適切なものはどれか?

A. 獲得単価が下がりすぎて収益性が高まる 

B. 営業コストが膨らみ、成約率が低下する 

C. 成約率は高まるが、単価が安定しすぎる 

D. 短期売上は伸びるが、長期ブランド価値が上がりすぎる

正解:B. 営業コストが膨らみ、成約率が低下する

解説:ターゲティング(狙う市場・顧客の絞り込み)を誤ると、見込みの薄い顧客に無駄なリソースを割くことになり、営業コストが増加し、成約率が低下します。 

正しいターゲティングは、「リードの質を上げ、コストパフォーマンス良く営業できる」ことが目的です。「収益性が高まる」「ブランドが上がりすぎる」といった影響は起こりません。

第4問

営業人材育成において、OJTだけに頼ることの主なリスクはどれか?

A. 個々の営業パーソンが独自のスタイルを確立できる 

B. 現場のナレッジが形式知化されず、組織全体のスキル底上げが進まない

C. 新人営業のモチベーションが過度に高まり、離職率が下がる 

D. 現場リーダーの裁量が拡大し、育成負担が減る

正解:B. 現場のナレッジが形式知化されず、組織全体のスキル底上げが進まない

解説:OJT(On the Job Training)は即戦力化に有効ですが、個々の経験・属人的ノウハウに依存しやすく、組織的にスキルを底上げする「型」や「マニュアル」が蓄積されにくいというリスクがあります。営業組織の力を高めるには、OJTに加えてオフJT(Off the Job Training)やナレッジ共有の仕組みを整えることが不可欠です。

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営業の基礎問題(基礎編 21)

第1問

顧客が「他社とも比較してから決めたい」と言った場合に、裏に隠れている心理として最も該当するものはどれか。

A. 情報収集が不十分なまま決断することへの不安

B. 価格交渉のために比較中を演出している

C. 自社に対する不信感があり、慎重になっている

D. 購入を先延ばしにするための曖昧な拒否表現

正解:A. 情報収集が不十分なまま決断することへの不安

解説:「他社と比較したい」という発言の裏には、今の情報では判断できない/納得できないという不安が隠れているケースが大半です。単なる断り文句に聞こえることもありますが、営業の提案が顧客の意思決定に足る材料になっていないことのサインでもあります。

BやDも一部当てはまる場合はありますが、本質はAのように不安の払拭不足に起因します。

第2問

顧客との関係が良好で、やりとりもスムーズなのに、提案が前に進まないときに最も想定すべき心理はどれか。

A. 決断を避けて現状維持を選ぶ決定回避バイアスが働いている

B. 営業の提案に具体性が足りず、次のアクションが見えない

C. 予算の執行時期を見ていてタイミングを待っている

D. 他部門が強く反対しており、社内政治的な対立がある

正解:A. 決断を避けて現状維持を選ぶ決定回避バイアスが働いている

解説:人間の心理には、「選択による失敗を避けたい」「現状を維持したい」という決定回避バイアス(Decision Avoidance Bias)が強く働きます。

関係性が良好で拒否もされないのに進まない場合、この心理が作用していることが多く、営業はリスクを取らずに進める道筋(小さな意思決定)を用意してあげる必要があります。

B~Dも可能性はありますが、最も普遍的で気づきにくいのがAの心理です。

第3問

顧客が自分の意思でコントロールしたいという心理が強い場合、営業が取るべき最も適切なスタンスはどれか。

A. 提案を控え、相手の主導で話を進めることに徹する

B. あえて提案しすぎないことで、顧客の主導感を尊重する

C. 「この選択がベスト」と断言し、強く導く

D. 自社の実績や権威を使い、納得感で誘導する

正解:B. あえて提案しすぎないことで、顧客の主導感を尊重する

解説:顧客に「自分で決めた」「自分で選んだ」という自己決定感(Autonomy)を与えることは、納得感・満足感に直結します。そのため、過度な提案や一方的なリードは、相手のコントロール欲求を脅かし、反発を生むことがあります。

Bのように、あえて選択肢を少し残す・顧客の意見を待つなど、譲る営業の姿勢がこのタイプには有効です。

営業の基礎問題(基礎編 20)

第1問

顧客が商談中に「沈黙」した際、営業として最も望ましい対応はどれか。

A. 沈黙が気まずくなる前に、次の説明や提案を早めに進める

B. 顧客が情報を処理する時間だと判断し、静かに待つ

C. 沈黙の理由を尋ねて、本音を引き出すようにする

D. 話題を切り替え、感情的な距離感を和らげる

正解:B. 顧客が情報を処理する時間だと判断し、静かに待つ

解説:商談中の沈黙は多くの場合、顧客が頭の中で情報の整理や判断をしている状態であり、「営業が話しすぎた後」や「重要な提案を聞いた後」に起こります。この沈黙に耐えられず話し始めると、顧客の考える余白を奪ってしまい、判断を妨げる可能性があります。

Bのように、沈黙を思考のサインと捉えて尊重する姿勢が信頼構築につながります。

第2問

顧客が「ちょっと考えさせてください」と言う心理の裏に最も当てはまりやすいものはどれか。

A. 提案内容の魅力は感じているが、社内調整が必要で決断を保留している

B. 本当は断りたいが、直接的に拒否すると関係にヒビが入ると感じている

C. 納得はしているが、価格交渉のための時間稼ぎをしている

D. 他の営業とも話を聞く予定なので、比較するために時間が必要である

正解:B. 本当は断りたいが、直接的に拒否すると関係にヒビが入ると感じている

解説:「考えさせてください」は営業現場で非常によく聞くフレーズですが、その多くはNoを直接伝えるのを避けるためのクッション表現です。

特に信頼関係が浅い段階では、Bのような対人関係の心理的配慮(断る罪悪感)が背景にあることが多いです。A~Dの状況もあり得ますが、最も頻出し、かつ見落とされがちなのがBの心理です。

第3問

顧客が提案内容に明確な異論を示さず、「いいですね」と肯定的に反応し続けている状態で最も注意すべきリスクはどれか。

A. 最終段階で突然競合製品に乗り換える可能性がある

B. 複数のキーマンに情報が伝わっておらず、社内稟議で止まるリスクがある

C. 内容を理解していないが、恥ずかしくて質問できないままになっている可能性がある

D. 他部署で類似製品をすでに導入しており、重複投資を避けるために否決される可能性がある

正解:C. 内容を理解していないが、恥ずかしくて質問できないままになっている可能性がある

解説:顧客が終始うなずき、「いいですね」と肯定的な反応を続けると、営業側は「納得している」と誤解しがちです。しかし実際は、内容を深く理解していないが質問や反論ができない心理状態であることもあります。これは「無知を悟られたくない」「話を止めたくない」といった顧客側の防衛的心理によるものです。

営業は「ここまででご不明点はありますか?」ではなく、「今の部分、どのあたりが一番響きましたか?」のように理解度を確認する問いを挟む工夫が必要です。

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営業の基礎問題(基礎編 19)

第1問

顧客が「価格重視」のスタンスを崩さない場合、価値訴求型営業として最も効果的なアプローチはどれか。

A. 「価格重視」では将来コストが膨らむ可能性があると論理的に指摘する

B. 価格比較を一旦受け入れたうえで、自社のコストメリットを強調する

C. 顧客が抱えている「失敗したくない心理」に目を向け、リスク回避視点で話を展開する

D. 自社が選ばれている他社事例を紹介し、客観的な信頼感を持たせる

正解:C. 顧客が抱えている「失敗したくない心理」に目を向け、リスク回避視点で話を展開する

解説:価格を重視する背景には「選択ミスをしたくない」「失敗したくない」という心理的なリスク回避欲求があることが多く、これに寄り添うことが重要です。Cはその前提に立った上で、価格以上の安心感や確実性という価値を訴求する方向に導きます。

AやBは論理優先で顧客の心理的抵抗を刺激しやすく、Dは信頼の補強にはなるものの、価格への固執を崩すには弱いです。

第2問

価値訴求を前提とした「提案ストーリー」の組み立て方として最も適切なのはどれか。

A. 製品・サービスの機能を網羅的に提示し、価格とのバランスを説明する

B. 顧客の現状課題・理想状態・その間の障壁に焦点を当てて構成する

C. 「まず価格」「次に活用法」という流れでコスト意識を先に満たす

D. 競合製品との違いをフックにして話をスタートさせる

正解:B. 顧客の現状課題・理想状態・その間の障壁に焦点を当てて構成する

解説:価値訴求型の提案では、顧客の「課題→理想→実現手段」という構造を描くことで、製品やサービスが価格ではなく目的達成の手段として理解されるようになります。Bの構成は「課題解決の必要性」を前提に据えるため、自然と価格の話題から距離を置くことができます。

AやCは逆に価格意識を強化し、Dは競争軸の話に入りやすくなります。

第3問

顧客が価値を理解できていない状態のまま価格を求めてきた場合、営業として最も有効な行動はどれか。

A. 「価格だけでなく導入効果にも目を向けてください」と正直に伝える

B. 一度価格を提示し、導入後の支援内容を後で補足する

C. 価格を提示せず、顧客にとっての成果を一緒に定義する対話に切り替える

D. 顧客の業界内での位置付けや競争状態を調査し、説得材料とする

正解:C. 価格を提示せず、顧客にとっての成果を一緒に定義する対話に切り替える

解説:価値が理解されていない状態で価格提示をしても、高いと感じられるだけで終わる可能性が高いです。Cのように、まずは何のために導入するのかという成果定義の対話に戻すことで、価格に依存しない思考の土台を顧客に築かせることが重要です。

Aは誠実だが一方的、Bは順序が逆転し、Dは社内調査には有効でも対話的効果は弱いです。

営業の基礎問題(基礎編 18)

第1問

「価格が高い」と顧客が反応した際、価値訴求型営業が最初に取るべき適切な対応はどれか。

A. 他社との価格差を根拠を持って丁寧に説明する

B. 「そうですね、高く見えるかもしれません」と共感しつつ、背景を確認する

C. 「そう見える理由を教えてください」と問い返し価格交渉に備える

D. 「それでも導入効果があります」と価値を即座に主張する

正解:B. 「そうですね、高く見えるかもしれません」と共感しつつ、背景を確認する

解説:価格が話題に上がった瞬間に価値訴求へ進むのではなく、まずは心理的な共感と顧客の視点に立つ姿勢が重要です。Bは共感と探求の入り口を両立しており、顧客の価値基準を探る起点として最適です。

AやDは一方通行になりやすく、Cは詰問的に受け取られる可能性があります。

第2問

「価格より価値で選んでもらう」営業スタイルを実践する際に、最も避けるべき提案姿勢はどれか。

A. 顧客の目的や課題の背景まで深掘りし、提案の土台にする

B. 価格提示を商談の後半に持ち越し、先に価値を提示する

C. 競合の価格や機能と自社を比較し、優位性を論理的に伝える

D. 投資対効果の事例を交えて、定量的に「得」を説明する

正解:C. 競合の価格や機能と自社を比較し、優位性を論理的に伝える

解説:一見論理的に見える「比較提案」ですが、それは価格軸での競争構造を強めてしまう行為です。Cは一歩間違えると、「機能 vs 価格」や「安い vs 高い」の話になりがちです。

AやB、Dはいずれも顧客の文脈・成果に基づいた価値訴求型の提案姿勢であり、価値判断を価格から逸らす方向に働きます。

第3問

価値訴求を成功させるために、営業がヒアリングの中で最も注意すべき視点はどれか。

A. 顧客が求めるスペックや条件を網羅的にリストアップすること

B. 競合比較の観点を踏まえて顧客の購買基準を引き出すこと

C. 課題だけでなく、課題が解決されたときの意味を顧客自身に語らせること

D. 顧客の購買決定プロセスを正確に把握すること

正解:C. 課題だけでなく、課題が解決されたときの意味を顧客自身に語らせること

解説:価値訴求の本質は、顧客自身が「これは意味がある」と納得する状態を引き出すことです。Cはその状態を作る重要な働きかけであり、ヒアリング時の最重要ポイントとなります。

Aは条件収集に留まり、BやDも必要ですが価値意識の転換には直結しません。

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営業の基礎問題(基礎編 17)

第1問

顧客との信頼関係を構築し、価格以外の要素で選ばれる営業活動の前提として最も適切なものはどれか。

A. 商談のたびに製品紹介資料を一新し、情報の鮮度をアピールする

B. 顧客の個人的な関心事(趣味や家族)に積極的に踏み込む

C. 顧客の立場・業務内容・社内事情に寄り添った理解を深める

D. 難しい専門用語を用いて営業の専門性を印象づける

正解:C. 顧客の立場・業務内容・社内事情に寄り添った理解を深める

解説:価格よりも「信頼」や「安心感」で選ばれる営業は、まず顧客理解の深さが土台です。Cは顧客の組織的・業務的な背景に寄り添う姿勢で、信頼構築に直結します。

AやBは一時的な印象には有効でも、本質的な信頼には繋がりにくく、Dは逆効果になる場合もあります(顧客が理解できず不信感を抱く可能性)。

第2問

価格での比較を避け、競合との「差別化」を図る方法として最も有効なのはどれか。

A. 競合の価格を分析し、顧客に対してその差を正直に伝える

B. 顧客が重視する非価格要素(運用支援・対応スピードなど)に自社の強みを結びつける

C. 自社の標準仕様とオプションの切り分けを明確に説明する

D. 顧客にとっての費用対効果を電卓でシミュレーションしてみせる

正解:B. 顧客が重視する非価格要素(運用支援・対応スピードなど)に自社の強みを結びつける

解説:差別化とは「競合が提供しづらい価値で勝負すること」です。Bは顧客が重視する「非価格要素」に焦点を当て、自社の強みと自然にリンクさせる手法。これにより価格軸から話を逸らすことができます。

AやC、Dも説明的には有効ですが、「価格」の軸を前提にしたアプローチであり、比較構造から脱しきれません。

第3問

顧客が価格を第一に比較する傾向を持っている場合、営業として最も望ましい対応はどれか。

A. 価格勝負は避け、あえて商談を打ち切ることで自社の価値を守る

B. 一旦価格で比較させたうえで、安さの限界を説明して納得を得る

C. 顧客の目的・背景を掘り下げ、「そもそも何のための購入か」を再確認させる

D. 値引きの条件を交渉材料として使い、決裁を早める

正解:C. 顧客の目的・背景を掘り下げ、「そもそも何のための購入か」を再確認させる

解説:価格訴求型の顧客であっても、「目的」や「期待される成果」に意識を戻させることで、価格ではなく目的重視の判断基準に切り替えることが可能です。Cはその流れをつくる問いかけです。

Aは短絡的で機会損失の恐れがあり、BやDは価格軸を強化してしまう危険性があります。

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