問題1
取引先が民事再生法の適用を申請した場合、営業担当者が最初に確認すべき事項として最も適切なのはどれか?
A. 取引先への新規追加融資の可否
B. 取引先との今後の契約更新条件
C. 取引先に対する既存債権の届出義務
D. 取引先の社長個人の資産状況
正解 C. 取引先に対する既存債権の届出義務
解説 民事再生法が適用されると、既存の売掛金などの債権は「債権者として届け出る義務」が発生します。
この届出を怠ると、回収可能性が著しく下がるため、最初に債権額と届出の準備を行うことが重要です。
(※契約更新や融資の話はその後の再生計画次第)
問題2
次のうち、債権の回収リスクを減少させるため、営業段階で取る「予防的手段」として最も適切なものはどれか?
A. 取引基本契約書に支払遅延時の違約金条項を明記する
B. 取引量をできるだけ増やし、取引先との関係を強化する
C. 支払条件を緩和して取引先の負担を減らす
D. 取引先から役員保証を必ず取り付ける
正解 A. 取引基本契約書に支払遅延時の違約金条項を明記する
解説 営業段階での債権管理は「契約の締結時」が非常に重要です。
支払遅延時に違約金を定めておくことで、遅延抑止力が働き、また実際に遅延が発生した際にも交渉の材料になります。
役員保証取得は一部で有効ですが、現代の取引実務では過剰要求とみなされる場合もあります。
問題3
売掛金回収サイト(回収期間)が長期化すると、企業財務に与える最も直接的な悪影響はどれか?
A. 棚卸資産回転率が低下する
B. 営業キャッシュフローが悪化する
C. 粗利益率が低下する
D. 営業利益率が低下する
正解 B. 営業キャッシュフローが悪化する
解説
売掛金の回収が遅れると、現金収入が遅延し、営業活動によるキャッシュフロー(営業CF)が悪化します。財務分析上、売上や利益が順調でも、キャッシュフローが悪化すると資金繰りリスクが高まるため、非常に危険です。
