問題1
取引先の与信管理を行う際、最も重要視すべき財務指標として最も適切なものはどれか?
A. 売上総利益率
B. 自己資本比率
C. 流動負債比率
D. 当座比率
正解 D. 当座比率
解説 与信管理では「支払い能力の即時性」が重要です。
当座比率は、現金や短期資産(即換金できる資産)で流動負債をカバーできるかを示す指標であり、支払能力の健全性を直接見ることができます。
自己資本比率も重要ですが、長期安定性の指標であり、短期の支払リスク把握には不十分です。
問題2
売掛金の回収遅延が発生した場合、営業担当がまず取るべき最も適切な初期対応はどれか?
A. 回収の督促状を弁護士名義で送付する
B. 社内の管理部門に即時報告し、指示を仰ぐ
C. 自ら出向き、詳細な事情聴取を行う
D. 債権譲渡(ファクタリング)を手配する
正解 B. 社内の管理部門に即時報告し、指示を仰ぐ
解説 営業単独で強い回収行動に出ると、取引先との関係悪化や法的リスクを招く可能性があります。まず社内の管理部門(経理部門や債権管理部門)に報告し、正式な対応方針を確認することが基本です。事情聴取や督促は、その後、正式な指示に基づいて行います。
問題3
売掛金の貸倒引当金を設定する場合、次のうち最も一般的な「会計基準」に基づく考え方はどれか?
A. すべての売掛金に対して一律5%を引き当てる
B. 顧客ごとの信用リスクに応じて個別に引当額を設定する
C. 過去3年の平均回収率に基づき一律で引き当てる
D. 債権額のうち1年以内回収見込み分のみ引き当てる
正解 B. 顧客ごとの信用リスクに応じて個別に引当額を設定する
解説
現在の一般的な会計基準(日本基準・IFRS等)では、「個別評価」と「一括評価」を使い分けます。
特にリスクが高い売掛金については、個別に信用リスクを見て引当額を設定する必要があります。一律設定や過去率だけでは不十分とされるため注意が必要です。
