営業の基礎問題 (マネージャー編 15)

第1問

営業担当者から「受注のために10%の値引きが必要」と相談された。マネージャーとして最も適切な対応はどれか?

A. 担当者の判断を尊重し、即座に値引きを承認する

B. 値引きの理由・代替策・利益影響を確認したうえで判断を保留する

C. 競合も値引きしていると予測し、10%では足りない可能性を指摘する

D. 値引きはブランド毀損につながるため、一律で禁止する方針を伝える

正解:B

解説:マネージャーの役割は、営業担当者の判断の妥当性をチェックし、利益を守る視点で再検討を促すこと。なぜ値引きが必要なのか(商談戦略・顧客の価値認識・代替策)を問い、単に目先の受注に流されない思考を育てることが重要である。

第2問

ある営業担当者が「競合が20%引いてきたので勝てません」と報告。マネージャーとして最も行うべき初動対応はどれか?

A. 自社も同等の値引きを許可して対抗させる

B. 価格ではなく、商談から撤退することを判断する

C. 競合との比較軸を分析させ、顧客が本当に重視している価値を再確認させる

D. 担当者にもっと頑張るよう鼓舞し、クロージングを急がせる

正解:C

解説:価格競争に陥る前に、競合との差別化軸を分析・言語化させることがマネージャーの役割。顧客が価格以外に重視している要素(品質、納期、保守、提案力)を整理し、そこを軸に再提案できるよう導くことで、価格に頼らない営業力を育成できる。

第3問

営業チーム内で値引き判断のばらつきが大きく、収益に悪影響が出ている。マネージャーとしてまず着手すべき施策はどれか?

A. 値引き率の上限ルールを全社一律で設定する

B. 値引き提案時に必要な「利益試算シート」の提出を義務づける

C. 各営業担当の自由裁量に任せて、現場主導で調整させる

D. 値引き判断の柔軟性を重視し、ケースバイケースで対応することを指示する

正解:B

解説:判断のばらつきを是正するには、判断の質を均一化するための「根拠と見える化」が必要。単なる一律ルールでは現場の納得感や実態に合わず、属人的な対応もリスクが大きい。利益・原価・受注確度などを明示的に見える化し、数値に基づいた判断を促すしくみを設けることが有効。

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