第1問
「学習の4段階モデル」が示唆している、人材育成上の本質的なポイントはどれか?
(マネージャーがメンバーを育てる際に特に重要となる理解)
A. スキルが定着するには、無意識的有能の段階まで放任する必要がある
B. 成果を出せない段階でも、自己効力感を持たせる工夫が必要である
C. どの段階においても、具体的な数値目標とKPIを与えることが優先される
D. 初期段階はマネージャーによる指摘を繰り返せば自然に上達する
正解:B
解説:「意識的無能」の段階では、自分の未熟さを自覚して落ち込みやすくなります。ここで自己効力感を失わせず、「今はこのフェーズで当たり前」と認識させながら支援するのが育成の鍵です。AやDは過干渉・放任の誤解を招き、Cは意識の成熟を無視した管理的アプローチです。
第2問
メンバーが「意識的有能」の段階にあると判断される状況で、マネージャーが最も適切に行うべきフィードバックはどれか?
A. スキルを「無意識レベル」で再現できるまで完全に任せる
B. 言語化されたプロセスを繰り返し確認させ、自信と習慣化を促す
C. 新しいタスクや応用課題をどんどん与え、変化に対応させる
D. 改善点よりも褒めることに重点を置き、成功体験を優先させる
正解:B
解説:「意識的有能」は、「できるけれどまだ意識的に努力が必要」な段階です。この時期はプロセスの言語化と繰り返しにより、無意識的有能へ移行できます。Aは時期尚早、Cは応用に偏り、Dは定着支援の視点が弱いと言えます。
第3問
次のうち、部下が「無意識的無能」の段階にあると判断できる状況として最も適切なものはどれか?
A. 自信なさげに動いており、指示されないと行動できない
B. 間違ったやり方で進めているが、本人はうまくやれていると思っている
C. 知識不足を自覚し、資料を読み込んだり質問をしている
D. スキルが身についており、感覚的に正しく行動できている
正解:B
解説:「無意識的無能」は、自分ができていないことすら自覚できていない未熟段階です。誤った行動を正しいと思っているBが最も典型的です。Aは「意識的無能」、Cは「意識的無能への移行」、Dは「無意識的有能」です。
