第1問
あなたの営業部では、新しい営業支援ツールの導入を検討しています。初期導入費は300万円、月額ライセンス費は10万円(1年目から)。このツールにより営業の成約率が平均10%改善され、年間売上が毎年500万円増加すると見込まれています。導入から3年間の累積ROI(=累積利益 ÷ 累積投資)として最も近いものはどれか?
A. 約50%
B. 約100%
C. 約200%
D. 約300%
正解:B. 約100%
解説:【投資総額(3年間)】
初期導入費:300万円
月額10万円 × 12か月 × 3年=360万円
合計:660万円
【利益増加(3年間)】
年500万円 × 3年=1,500万円
【ROI計算】
ROI=(1,500万円 − 660万円)÷ 660万円
ROI=840 ÷ 660 ≒ 1.27 → 約127%(最も近いのはB)
このように、単年の効果ではなく「累積で投資を上回る回収ができるか?」を評価することが戦略的意思決定において重要です。短期ROIだけで判断すると、良い投資を見逃すこともあります。
第2問
あなたのチームは、次の2つの戦略のいずれかを来期に実行できます。予算・人員はどちらか一方にしか配分できません。営業成果(粗利益ベース)でより効果が高い選択肢はどれか?
指標 | 新規開拓戦略 | 既存顧客深耕戦略 |
アプローチ可能企業数 | 500社 | 100社 |
成約率 | 5% | 30% |
平均受注額 | 150万円 | 100万円 |
利益率(粗利益) | 20% | 40% |
A. 新規開拓戦略
B. 既存顧客深耕戦略
C. 新規開拓と既存深耕を半分ずつ行う
D. 数値では判断できないため現場感覚を優先すべき
正解:B. 既存顧客深耕戦略
解説:【新規開拓戦略】
成約:500社 × 5%=25件
売上:25件 × 150万円=3,750万円
粗利益:3,750万円 × 20%=750万円
【既存顧客深耕】
成約:100社 × 30%=30件
売上:30件 × 100万円=3,000万円
粗利益:3,000万円 × 40%=1,200万円
→ 粗利益で見ると既存顧客深耕が1.6倍の成果を生む見込みです。これは、既存顧客の方が提案成功率が高く、営業効率が良いことを数値で裏付けています。
