営業の基礎問題 (マーケティング編 6)

第1問

 あなたの営業部では、新しい営業支援ツールの導入を検討しています。初期導入費は300万円、月額ライセンス費は10万円(1年目から)。このツールにより営業の成約率が平均10%改善され、年間売上が毎年500万円増加すると見込まれています。導入から3年間の累積ROI(=累積利益 ÷ 累積投資)として最も近いものはどれか?

A. 約50% 

B. 約100% 

C. 約200% 

D. 約300% 

正解:B. 約100%

解説:【投資総額(3年間)】 

初期導入費:300万円 

月額10万円 × 12か月 × 3年=360万円 

合計:660万円 

【利益増加(3年間)】 

年500万円 × 3年=1,500万円 

【ROI計算】 

ROI=(1,500万円 − 660万円)÷ 660万円 

ROI=840 ÷ 660 ≒ 1.27 → 約127%(最も近いのはB)

このように、単年の効果ではなく「累積で投資を上回る回収ができるか?」を評価することが戦略的意思決定において重要です。短期ROIだけで判断すると、良い投資を見逃すこともあります。

第2問

 あなたのチームは、次の2つの戦略のいずれかを来期に実行できます。予算・人員はどちらか一方にしか配分できません。営業成果(粗利益ベース)でより効果が高い選択肢はどれか?

指標新規開拓戦略既存顧客深耕戦略
アプローチ可能企業数500社100社
成約率5%30% 
平均受注額150万円100万円
利益率(粗利益)20%40% 

A. 新規開拓戦略 

B. 既存顧客深耕戦略 

C. 新規開拓と既存深耕を半分ずつ行う 

D. 数値では判断できないため現場感覚を優先すべき

正解:B. 既存顧客深耕戦略

解説:【新規開拓戦略】 

成約:500社 × 5%=25件 

売上:25件 × 150万円=3,750万円 

粗利益:3,750万円 × 20%=750万円

【既存顧客深耕】 

成約:100社 × 30%=30件 

売上:30件 × 100万円=3,000万円 

粗利益:3,000万円 × 40%=1,200万円

→ 粗利益で見ると既存顧客深耕が1.6倍の成果を生む見込みです。これは、既存顧客の方が提案成功率が高く、営業効率が良いことを数値で裏付けています。

Evoto

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