営業の基礎問題 (営業管理編 16)

第1問

景気後退局面での在庫戦略として最も適切な判断はどれか?

A. 在庫を一斉廃棄して財務諸表上の棚卸資産を圧縮する

B. コア商品の在庫水準を維持し、機会損失の防止を優先する

C. すべての商品で発注停止をかけ、キャッシュ確保を最優先する

D. 価格下落リスクを避けるため、在庫の再評価を先送りにする

正解:B. コア商品の在庫水準を維持し、機会損失の防止を優先する

解説:不況下でも、需要が安定しているコア商品は在庫を確保しておくことが利益確保・顧客維持に直結します。過度な在庫削減は販売機会の喪失につながるため、戦略的選別が重要です。AやCは短期的キャッシュ改善にはなっても長期的にはブランド・信頼・売上を損ないます。Dは不適切な会計処理の誘因になります。

第2問

返品率が高い商品について、販売後の返品対応における組織連携の観点で最も適切な施策はどれか?

A. 顧客対応は営業部門、返品処理は物流、損失計上は経理に分けて完全に独立管理する

B. 原因分析をマーケティング主導で行い、営業・商品開発と定期レビューの場を設ける

C. 返品処理はすべて委託業者に外注し、社内部門は関与させない

D. 各部門が返品情報を持ち寄って、月次の数値報告会で一元集計するのみとする

正解:B. 原因分析をマーケティング主導で行い、営業・商品開発と定期レビューの場を設ける

解説:返品の原因は、商品仕様・営業活動・顧客期待のギャップなど、複合要因であることが多いため、マーケティング起点の横断的なPDCAが有効です。Bのように多部門が定例で連携し、戦略・設計・品質・営業トークなどを総合的に見直すことが、返品抑制と顧客満足向上につながります。

第3問

経営層が在庫圧縮をKPIに設定した場合、副次的に発生しやすいリスクとして最も注意すべきものはどれか?

A. 売上高が増加しすぎて、納税負担が急増する

B. 在庫評価額が高騰し、資産バブルが発生する

C. 欠品リスクが高まり、顧客満足度が低下する

D. 原価が安定し、利益率が不自然に向上する

正解:C. 欠品リスクが高まり、顧客満足度が低下する

解説:在庫圧縮を進めすぎると、販売機会の逸失や納期遅延につながる欠品リスクが高まり、顧客満足度や継続取引に悪影響を与えかねません。Cは現場でも最も現実的なジレンマです。AやBは非現実的、Dは原価に直接の因果関係がないため誤りです。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


PAGE TOP