営業の基礎問題 (利益編 11)

 第1問

あなたは新しいITサービスの営業担当です。顧客(大手企業)は、現在使用しているシステムが老朽化しており、更新を検討しています。あなたの提供するサービスは、非常に高機能で最新のテクノロジーを活用しており、将来的には顧客の業務効率化やコスト削減にも寄与できると確信しています。しかし、初期導入費用が高いため、顧客は「まずは小規模で試験的に導入し、効果を確認してから本格的な導入を決定したい」と言っています。  この商談を成功に導くために、最も効果的なアプローチはどれか?

A. 初期費用を少しでも下げるために価格交渉に応じる 

B. 小規模導入を提案し、その後の拡張性を強調して顧客に長期的な価値を提供する 

C. 初期導入をフルスケールで提案し、顧客にリスクを取らせる 

D. 顧客の予算内に収めるために機能を一部削減する

正解: B. 小規模導入を提案し、その後の拡張性を強調して顧客に長期的な価値を提供する

解説:顧客は初期導入費用が高いため、小規模で試験的な導入を希望しています。この要求に応じることで、顧客のリスクを最小化し、製品の効果を実証することができます。 

その上で、拡張性や将来的なコスト削減効果、業務効率化に焦点を当てた提案を行い、長期的な利益を実感させることが重要です。 

単に初期費用を下げるのではなく、価値の提案をしっかり行うことで、最終的に顧客が大規模導入に踏み切る可能性が高まります。

 第2問 

あなたは製造業向けの高度な生産管理システムの営業担当です。顧客(中堅製造業)は、現状のシステムでは生産効率が低く、長期的にはコストがかかりすぎていると感じています。あなたの提供するシステムは、高機能でコスト削減に貢献するものの、初期導入費用が他社製品よりも高いという点がネックになっています。顧客は現在のコスト構造を見直しており、短期的な費用削減が急務ですが、将来的なコスト削減も求めています。このような状況で、顧客のニーズに最適に応えるアプローチはどれか?

A. 価格交渉に応じて即座に導入費用を下げる 

B. 初期費用を抑える代わりに、長期的なROI(投資対効果)を強調し、システム導入後の利益を詳細に説明する 

C. 短期的なコスト削減を優先し、機能を制限した安価な製品を提案する 

D. 価格面で譲歩し、最初の1年間のサポートを無料にする

正解:B. 初期費用を抑える代わりに、長期的なROI(投資対効果)を強調し、システム導入後の利益を詳細に説明する

解説:顧客は短期的な費用削減を求めていますが、将来的な利益やROIも重視しています。そのため、単に価格を下げるのではなく、システムが提供する長期的なコスト削減効果や利益を強調することが重要です。ROI(投資対効果)を数字やデータを基に具体的に説明することで、顧客は初期費用が高くても、将来的に大きな利益を得るという認識が高まり、最終的な契約に繋がりやすくなります。

 第3問

あなたは新興企業向けにクラウドサービスを提供している営業担当です。顧客(新興企業)は、ビジネス拡大に向けて新しいITシステムを導入したいと考えています。あなたのクラウドサービスは非常にスケーラブルで、成長するビジネスに合わせて後からでも柔軟に機能を追加できる点が強みです。しかし、顧客は初期投資を抑えたいと考え、低価格のサービスに興味を示しています。顧客は予算に制約があり、価格が決め手になりそうです。この商談を成功させるために、最も効果的な戦略はどれか?

A. 価格を大幅に割引して、低価格で提供する 

B. 初期費用を抑えつつ、将来的な拡張やサポートにフォーカスし、長期的に優れたROIを提供する 

C. 顧客の予算内で収めるため、機能を削減した安価なプランを提案する 

D. 競合他社と比較して価格を強調し、自社製品を安価に見せる

正解:B. 初期費用を抑えつつ、将来的な拡張やサポートにフォーカスし、長期的に優れたROIを提供する

解説:顧客は予算が限られているため、初期費用を抑える提案が求められますが、長期的な価値を理解してもらうことがカギです。クラウドサービスの強みであるスケーラビリティや拡張性を強調し、将来的にビジネスが成長した際に大きな利益をもたらすことを説明します。初期費用を抑える一方で、顧客の成長に合わせた長期的なROIを意識させることで、契約につなげやすくなります。

これらの問題は、単なる価格交渉ではなく、顧客が感じる長期的な利益や成長に伴う価値をいかに強調できるかがポイントです。 

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