第1問
次のうち、現場の商談で「利益感度」が高い営業担当者の行動として最も適切なものはどれか?
A. 少しでも売上が取れるなら、積極的に値引きを提案する
B. 単価交渉をせず、まずは契約獲得を最優先する
C. 顧客に価格以上の付加価値(品質、サポートなど)を説明して単価維持または向上を狙う
D. 売上数量を増やせば利益も必ず増えると考える
正解: C. 顧客に価格以上の付加価値(品質、サポートなど)を説明して単価維持または向上を狙う
解説:利益感度が高い営業とは、「売上=利益ではない」ことをしっかり理解して動ける人です。単に売上高を追うのではなく、「利益を生む売上」を意識して交渉・提案を進めるのが特徴です。
・ Aの選択肢は、値引きをすれば売上数量は増えるかもしれませんが、粗利率が下がり、結果として利益額が減るリスクが高いです。
・ Bの選択肢は、契約を取れても利益の質(単価や条件)を無視すると、後で事業の採算が合わなくなります。
・ Dの選択肢は、数量を増やしても単価が低かったりコストが増えたりすると、利益は減る場合もあるため、正しくありません。
Cの選択肢のように、「価格以外の価値(例:品質、アフターサポート、保証期間、提案力など)」を訴求して、顧客に納得してもらいながら単価を維持または向上させる営業スタイルこそが、利益感度の高い動きです。
ポイント :利益感度の高い営業とは、商談時に
・ 「この値引きで粗利率はどうなるか」
・ 「数量を増やしても利益総額は上がるか」
・ 「付加価値提案で単価を守れるか」
を常に頭に置きながら動いています。
第2問
ある商談で、顧客が「大量発注するから単価を10%下げてほしい」と要望してきた。利益感度の高い営業担当者がまず最初に確認すべきことはどれか?
A. すぐに上司に相談する
B. この値下げによる粗利率の変化と利益総額への影響を試算する
C. 顧客の要望を無条件で受け入れる
D. 同業他社に同じ条件で売っているかを調べる
正解: B. この値下げによる粗利率の変化と利益総額への影響を試算する
解説:「大量発注=良い話」と思いがちですが、単価を下げすぎると総利益(粗利総額)が減る場合もあります。利益感度の高い営業は、単に数量アップに飛びつくのではなく、
– 粗利率がどのくらい下がるのか
– 結果として粗利の絶対額は増えるのか
を必ず計算します。
それによって、値引き交渉に応じるべきか、条件をさらに調整すべきかを判断します。
第3問
営業担当者が「利益感度」を磨くために最も有効な習慣はどれか?
A. 売上件数だけを毎日チェックする
B. 自分が受注した案件ごとに、粗利率・営業利益率を確認する
C. 値引き交渉を必ず拒否する
D. 競合他社の価格だけに敏感になる
正解: B. 自分が受注した案件ごとに、粗利率・営業利益率を確認する
解説:利益感度は「数字を意識する習慣」から育ちます。
売上件数や取引件数だけを追っても、利益体質を高めることはできません。
自分が受注した1件1件について、
・ どのくらいの粗利率だったか?
・ 営業利益にどう貢献したか?
を振り返ることが、利益感度向上に直結します。
その積み重ねで「この条件なら利益が出る/出ない」という勘所が磨かれます。
第4問
次のうち、商談時に利益感度を高めた提案をするために効果的なアプローチはどれか?
A. 最初から値引きを前提に話を進める
B. 顧客のニーズに応じたオプション提案やグレードアップ提案を行う
C. 顧客のコスト削減要求をすべて受け入れる
D. できるだけ早く契約を締結し、内容の詳細はあとで詰める
正解:B. 顧客のニーズに応じたオプション提案やグレードアップ提案を行う
解説:価格だけの勝負に持ち込まれると、どうしても値引き・粗利減少に直結してしまいます。
利益感度の高い営業は、「単価を守る/引き上げる」ために、
・ 高付加価値なオプション提案
・ 顧客が本当に望むアップグレード案
などを提示し、「価格以上の価値」を提供する流れに持ち込みます。
これにより、単価を維持または向上させつつ、顧客満足も高めることができます。
これが「利益も顧客満足も両立する」スマートな営業手法です。
