営業の基礎問題(利益編 3)

 第1問 

「粗利(売上総利益)」と「営業利益」の違いとして正しいものはどれか?

A. 粗利は営業外収益を含むが、営業利益は含まない 

B. 粗利は売上高から売上原価を引いたもので、営業利益はそこから販売費および一般管理費を引いたもの 

C. 粗利は税引後利益で、営業利益は税引前利益である 

D. 粗利と営業利益は同じ意味で使われる

正解: B. 粗利は売上高から売上原価を引いたもので、営業利益はそこから販売費および一般管理費を引いたもの

解説:「粗利(売上総利益)」は、売上高から売上原価(商品や製品を作るための直接的なコスト)を差し引いた金額です。これは「売ったもの自体からどれだけ儲かったか」を示します。一方、「営業利益」は、その粗利からさらに販売費(広告費、営業活動費用など)と一般管理費(人件費、オフィス維持費など)を差し引いたものです。つまり営業利益は「本業を回していくために必要なコストも考慮したうえで、最終的にどれだけ儲かったか」を表しています。営業活動全体の収益性を見る指標なので、粗利よりもさらに一歩踏み込んだ利益指標です。

・ Aの選択肢:営業外収益(例:受取利息など)は営業利益には含まれず、経常利益の段階で考慮されます。 

・ Cの選択肢:税金の話は当期純利益の段階です。粗利も営業利益も税引前です。 

・ Dの選択肢:粗利と営業利益は厳密に違う指標です。混同しないよう注意しましょう。

 第2問 

粗利(売上総利益)に含まれないものは次のうちどれか?

A. 商品の原材料費 

B. 商品の製造人件費 

C. 営業担当者の交通費 

D. 仕入商品の購入費用

正解:👉 C. 営業担当者の交通費

解説:粗利(売上総利益)は、売上高から「売上原価」を引いて求めます。 

売上原価に含まれるのは、 

・ 商品の原材料費(A) 

・ 製造に直接かかわる人件費(B) 

・ 仕入商品そのものの購入費用(D) 

など、「商品を作ったり仕入れたりするための直接コスト」です。一方、営業担当者の交通費(C)は、販売費の一部であり、粗利には含まれず、営業利益を計算するときに考慮される費用です。つまり、営業交通費は「販売費および一般管理費(販管費)」に分類されます。

  第3問 

営業利益を算出する際、「粗利」から追加で差し引かれるのはどれか?

A. 売上原価 

B. 販売費および一般管理費(販管費) 

C. 支払利息 

D. 法人税

正解: B. 販売費および一般管理費(販管費)

解説:営業利益は、次の流れで求めます。 

【売上高】−【売上原価】=【粗利(売上総利益)】−【販売費および一般管理費(販管費)】=【営業利益】

販売費には、営業交通費、広告宣伝費、販売促進費などが含まれます。 

一般管理費には、人件費、事務所維持費、間接部門費用などが含まれます。 

支払利息(C)は営業外費用、法人税(D)は最終段階の税引後に関わるため、営業利益とは別の段階で扱われます。

 第4問 

次のうち、「営業利益」は分かるが「粗利」が分からないと困る具体的な場面はどれか?

A. 会社の売上目標を立てるとき 

B. 商品ごとの採算性を評価するとき 

C. 投資家への財務報告を作成するとき 

D. 会社全体の資金繰りを計画するとき

正解:B. 商品ごとの採算性を評価するとき

解説:商品単位で「この商品は儲かっているか?」を見極めるには、売上高に対して粗利(売上総利益)がどれだけ出ているかが不可欠です。営業利益は会社全体の本業収益性を表す指標ですが、個別商品ごとの原価管理や採算評価には直接向いていません。つまり、粗利がないと、

– どの商品が高収益か 

– どの商品は原価割れリスクがあるか 

といった重要な判断ができなくなります。売上目標(A)、財務報告(C)、資金繰り計画(D)には営業利益も重要ですが、商品ごとの分析は粗利が鍵です。

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