営業の基礎問題(利益編 1)

第1問  下記の条件の時、損益分岐点はいくらになるか概算で求めてください。

・ 売上高:500百万円 

・ 総利益率(粗利率):21% 

・ 営業利益率:▲2%(=営業赤字2%) 

・ 経費(販管費など)は変わらない とする

・ 求めるもの:損益分岐点売上高(概算)

正解: 約 547百万円(概算)

解説:まず損益分岐点売上高とは、「利益ゼロ(損益トントン)」となる売上高のことです。この問題では、今現在、営業赤字(▲2%)なので、売上が少し足りていない状態です。

経費を削減する方法で営利のマイナスを埋める方法もありますが、営業としては売上の拡大で営利のマイナスを埋めていく方法を考えたいと思います。

① 現在の粗利額を求める 

粗利=売上 × 総利益率 

=500百万円 × 21% 

=105百万円

② 現在の営業損失額を求める 

営業損失=売上 × 営業利益率 

=500百万円 × (▲2%) 

=▲10百万円

③ 経費を求める 

営業利益は、粗利-経費=営業利益 

なので、経費=粗利-営業利益

ここに数字を代入すると、経費=105百万円-(▲10百万円)=115百万円

(ポイント:赤字なので、▲(マイナス)を引くと「加算」になります)

④ 損益分岐点売上を求める 

損益分岐点売上高=経費 ÷ 総利益率

つまり、=115百万円 ÷ 21% =547.6百万円

⑤ 注意:損益分岐点売上高の計算に誤解がないか? 

ここで、「経費は変わらない」と書かれていて、総利益率も固定と考えられるため、単純にこの547.6百万円が「必要売上高」ということになります。営業として、すぐに損益分岐点売上を把握するには、簡易的なこの方法(概算)でよいのではないでしょうか。

別の考え方で、現状の利益率(営業利益率)を考えると、

▲ 2%の赤字を解消するには、売上を▲2% ÷ 21% ≈ 約9.5%増すればよい。

500百万円 ×(1+9.5%)≒ 547百万円

なので、損益分岐点売上高は、約547百万円

まとめ:

・ 現在:売上500百万円、営業赤字▲10百万円 

・ 経費=115百万円(固定費)

・ 必要な粗利=115百万円(=経費)

・ 必要な売上=経費 ÷ 粗利率=547百万円 

 よって、損益分岐点売上高は約547百万円です!

【参考:問題に対する要点整理】 

・ 粗利率を使う(21%) 

・ 営業利益率の赤字幅から必要な売上増を考える 

・ 経費は変わらないので、粗利=経費を満たす売上高を計算する

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